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不動産売買におけるわかりそうでわからない専門用語

不動産売買では、さまざまな専門用語を目にします。
また、中には「なんとなく聞いたことがある」「意味がわかりそうでわからない」という用語も数多くあり、それら意味に関しては、早めに理解しておきたいところです。
今回は、わかりそうでわからない専門用語をいくつかピックアップし、その意味を解説します。

上物

土地の上に建っている建物のことを、不動産売買の専門用語で上物(うわもの)と呼ぶことがあります。
こちらは、不動産広告で目にする機会も多いですから、必ず知っておくべきです。
不動産広告では、土地の上に建物が建っている場合、“上物あり”という風に記載されています。
また、土地のことを下物(したもの)と呼ぶこともありますが、これはあくまで上物と対になる言葉として存在するものであり、広告に記載されることはありません。
ちなみに、老朽化しているなどの理由で、上物の価値が極めて低いと考えられる場合、不動産広告では、上物ありと記載されないこともあります。
“古家あり”、“廃屋あり”と記載されている場合は、状態の悪い上物がある土地を意味すると覚えておきましょう。

片手

不動産売買を仲介した不動産会社における、報酬の受け取り方の1つが片手です。
具体的には、買主もしくは売主、どちらか一方のみから報酬を受け取るという形です。
分かれと呼ばれることもあります。
買主と売主は、当然それぞれ不動産売買の仲介を不動産会社に依頼しますが、この依頼が別々の会社に対して行われた場合、取引は片手で行われます。
逆に、それぞれが同一の不動産会社に仲介を依頼する場合、1つの会社が買主、売主の両方から報酬を受け取ることになります。
これは、両手という受け取り方です。
不動産売買をするのであれば、上記2つの用語の意味を理解しておきましょう。

晒し

不動産売却では、物件が長期間売れない状況が発生することもあります。
また、そのときに売れ残っている物件のことを晒しまたは晒し物件といいます。
こちらは、文字通り売れない状態で長期間晒されているということが名前の由来です。
晒し物件は、基本的にその期間が延びれば延びるほど、買い手が現れにくくなり、物件情報の閲覧数も低下する傾向にあります。
そのため、晒し物件の売主は、現状を打破するために、売り出し価格を見直したり、条件を変更したりしなければいけません。
もちろん、物件そのものではなく、売主自身に問題があることで、なかなか買い手が見つからないということも考えられます。
例えば、内見における工夫をしていない、購入希望者への対応が良くないといった問題です。

うなぎの寝床

間口が狭く、奥行きの深い土地、建物のことをうなぎの寝床といいます。
うなぎが岩の隙間など、狭く細いところを好むことが名前の由来です。
このような土地や建物は、主に京都や大阪などの関西圏に多くありますが、近年は全国で見られるようになりました。
また、うなぎの寝床のメリットとしては、奥行きがあることで空間全体が広く見えること、生活動線を意識した住宅を建てられることなどが挙げられます。
一方、採光や風通しの確保が難しいこと、特殊な形状のため建築費や解体費がかかりやすいことなどはデメリットです。
ちなみに、うなぎの寝床と呼ばれる土地は、正確には旗竿地と呼ばれるもので、この土地には再建築不可物件も多く存在します。
再建築不可物件では、原則建物を建て直すことができないため、安易に購入するべきではありません。

登記の公信力

登記の公信力とは、登記上の表示を信頼して不動産の取引をした者は、たとえ登記名義人が真実の権利者ではないような場合でも、一定の要件のもとでその権利を取得することが認められることをいいます。
日本では、登記の公信力が認められていないため、いくら登記名義人が真実の所有者と思って、その者から不動産を買い受けたとしても、真の所有者がいる場合には、その所有者から不動産を取り上げることは認められません。
例えば、Aという人物の名前が書いてあるノートは、その時点でAさんのものと認められますが、Aという名前が登記されている不動産は、それだけでAさんのものと認められないということになります。
ちなみに、登記には公信力がありませんが、推定権利力はあるとされています。
こちらは、公式の機関である登記所が行った登記は、真に存在するものであると推定されることをいいます。
ただし、推定は反証があれば覆ります。
また、公信力と似た言葉に公示力というものもあり、こちらは簡単にいうと“今誰のものなのか”をわからせるための制度で、不動産にも存在します。

まとめ

ここまで、わかりそうでわからない不動産売買の専門用語について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
これらの専門用語に関しては、「なんとなく知っている」という段階で終わらせてはいけません。
その場で1つ1つ意味を理解し、不動産売買を進めていかなければ、不動産会社の担当者、あるいは不動産に精通する方との会話に付いていけなくなる場合があります。

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