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住宅の壁や外壁、内壁に関する用語について知っておこう

住宅の壁、外壁、内壁に関する用語には、似たような少しややこしいものがたくさんあります。
今後不動産を購入する方、もしくは売却する方は、それらの似たような用語の違いを明確にしておかなければいけません。
今回は、「聞いたことはあるけどよくわからない」という方も多いと推測される用語の意味を見ていきます。

外構

住宅の外回り部分のことを総称して外構(がいこう)といいます。
具体的には、門や塀、垣根、庭木などが該当し、敷地の境界を形づくるとともに、建物の壁面などと一体となり、敷地の雰囲気や景観を形成します。
こちらの用語については、聞いたことがある方も多いでしょう。
また、外構には、主に3つの種類があります。
1つは、住宅における敷居の周りをフェンス等で完全に覆うクローズド外構です。
「できる限りプライバシーが守られた家に住みたい」という方におすすめのタイプです。
もう1つは、周辺をほとんどフェンスや塀で覆わず、オープンな状態にするオープン外構です。
開放感のある生活をしたい方は、こちらのタイプを選ぶことが多いです。
そして、上記2つのちょうど中間に当たるのがセミオープン外構です。
こちらは、敷居の一部だけがフェンス等で覆われているタイプをいい、「庭だけ外から見えないようにしたい」といったときに用いられます。
ちなみに、外構とほぼ同じ意味の言葉にエクステリアというものがあります。
こちらは、日本の建築業界において、建物の周りに設置される工作物等を総称した呼び名ですが、本来は建物の外観や建物の外壁を指す言葉です。

大壁

大壁(おおかべ)は、木造住宅の壁の作り方の1つです。
大壁造りと呼ばれることもあります。
具体的には、柱を見せずに壁を仕上げる方法で、柱の外側に壁があるため、施工にはそれほど手間がかかりません。
主に、洋室などに多く使われています。
ただし、柱と柱の間に壁を仕上げる真壁(しんかべ)に比べ、部屋が狭く感じやすいというデメリットがあります。
ちなみに、皆さんもうおわかりかと思いますが、“大きい壁”という意味ではありませんので、間違えて認識しないようにしましょう。

腰壁

床から腰の高さ程度に張る、別仕上げの壁のことを腰壁(こしかべ)といいます。
中古物件を購入し、リノベーションをしようと考えている方などは、こちらの用語をよく目にするでしょう。
具体的には、「リノベーションをするなら腰壁を設置しよう」というような文言です。
壁は床から腰の高さくらいの間にキズ、汚れが付きやすいため、壁を守るための仕上げとして主に用いられます。
もしくは、単調な壁にアクセントを加えるためにも張られます。
これらの理由から、リノベーションのアイデアの1つとして、腰壁が紹介されるケースが多いというわけです。
そして、腰壁という名前ではありますが、出窓などの高さを基準とし、その下に設けられることもあるため、必ずしも腰の高さ=腰壁というわけではありません。

小壁

和室における長押、鴨居と天井との間にある30~50cmくらいまでの壁を小壁(こかべ)といいます。
先ほど解説した大壁は“大きい壁”という意味ではありませんが、こちらの小壁は簡単にいうと“小さい壁”という意味になります。
少々ややこしいですが、しっかり覚えておきましょう。
和室の場合、原則としてどの部屋でも内法の高さは同じですが、部屋の広さによって天井の高さは違っています。
小壁はその高さを調節するためのものであり、あまりにも高くなって間延びする場合には、デザイン性を考慮し、書院建築等で使用されている蟻長押を入れることもあります。
ちなみに、その部屋に腰壁がある場合は、腰壁から上の壁のことを小壁と呼ぶことも珍しくありません。

内法

内法(うちのり)は、建物の床面積を測定する際に壁の厚みを考慮せず、壁の内側の部分の面積のみを床面積とする考え方です。
反対に、建物の床面積を測定する際に、壁の厚みの中心線を想定し、こちらの中心線に囲まれた面積を床面積とする考え方を壁心(かべしん、へきしん)といいます。
これらの用語は、意味がややこしいというよりは、読み方が難しいため、この機会に覚えておきましょう。
ちなみに、不動産登記法では、分譲マンションなどの区分所有建物を登記する場合には、こちらの内法の考え方で床面積を計算することとされています。
また、建築基準法では、建築確認を申請する際には、建物の床面積は内法ではなく、壁心の考え方で測定することとしています。
つまり、分譲マンションなどの区分所有建物については、建築確認を申請する際には床面積を壁心で求め、その後に登記をする際には床面積を内法で求めているということです。

まとめ

ここまで、外壁や内壁などに関するややこしい用語の意味について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
ここまで読んでくださった方の中には、いくつか意味を勘違いしていたという方もいるかもしれません。
不動産売買において、言葉の認識違いは後々の活動に大きな影響を及ぼすことがあります。
本記事によって、皆さんの今後のミスや失敗を少しでも防ぐことができたら幸いです。

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