不動産売買・投資

建物に関する用語の意味について解説します

不動産売買をするにあたって、売主または買主は、さまざまな建物に関する用語を目にすることになります。
また、それらの用語の認識を誤っていたり、意味を理解していなかったりすると、想定外のトラブルが起こるかもしれません。
そのため、今回は建物に関する用語にスポットを当てて解説したいと思います。

内法

建物の床面積を測定する際、壁の厚さを含まず、内側の部分の面積だけを床面積とする考え方を内法(うちのり)といいます。
また、内法とは逆に、壁の厚さも考慮する考え方を壁芯(へきしん)といい、建築基準法では、建築確認をする際、建物の床面積はこれを用いて測定することとされています。
もっとわかりやすくいうと、建物における実際に使える面積が、内法によって算出された内法面積ということになります。
ちなみに、不動産登記法では、分譲マンションなどの区分所有建物を登記する場合、内法で床面積を求めることとされています。
そのため、区分所有建物に関しては、登記=内法、建築確認=壁芯と覚えておきましょう。

間口

建物や宅地の前面道路に接している距離のことを間口といいます。
スパンやフロンテージとも呼ばれます。
具体的にいうと、宅地や一戸建ての場合は道路の接している側の長さ、マンションの場合はベランダなど大きな開口部がある側の長さを指しています。
一般的に、間口が広い不動産は使い勝手が良く、特にマンションなどでは解放感のある間取りを採り入れることができるため、風通しや採光も悪くありません。
ちなみに、極端に間口が狭い物件はうなぎの寝床と呼ばれることもあります。

基礎

建物における荷重を伝えるための構造を基礎といいます。
直接基礎、杭基礎の2種類に大別され、前者は直接的に荷重が地盤に伝達されるものであり、後者は直接基礎では十分に建物を支持できない場合に用いられるものを指しています。
また、基礎の役割は建物と地盤をつなぐことだけではありません。
地面の湿気から建物を守るという、もう1つの重要な役割も果たしています。
日本は高温多湿の国であるため、建物の耐久性を考える上で、基礎による湿気対策を取ることは重要です。
そのため、建物を建築して購入する際には、基礎にこだわることも考えておきましょう。

敷居

開口部の下部に設けられる水平材で、門の内外を仕切ったり、部屋を区切ったりするために敷く横材を敷居といいます。
障子やふすま、引き戸などを受ける役目を果たすものでもあり、略して敷と呼ばれることもあります。
近年は、建具の滑りが良くなるように、敷居の溝の底に専用のシールテープが貼られるようになっていて、主に松、栂、桜、ヒノキなどの材料が使用されるケースが多いです。
また、似たような言葉に鴨居がありますが、こちらはふすまや障子の上部に触れる横木のことで、和室のふすまや障子を立てた状態を保ち、スライドさせるために必要な部分です。
ちなみに、慣用句の“敷居が高い”という表現は、“高級で入りにくい”という意味で使用されることが増えましたが、元々は“不義理があり、その人の家に行きにくい”とう意味です。

造作

建物の内部を構成する部材・設備を造作(ぞうさく)といいます。
漢字が同じであるため、“ぞうさ”と呼んでしまう方は多いですが、こと不動産売買において目にする場合は、必ずぞうさくと読むようにしましょう。
また、建物を建築することを造作するという場合もあるため、物件購入時の説明を受けるときなどに備えて、この使い方は覚えておいてください。
ちなみに、造作には建具、畳、床、鴨居、水道設備、空調設備などが該当します。
言い換えれば、柱や梁などの主要構造部以外の部材・設備・仕上げ工事の総称です。
造作は、柱などの建物の構造には直接関わらないものの、その建物の使い勝手に大きく影響する部分であり、また人の目に触れる部分でもあるため、高価な材料が使用される傾向にあります。
このような、造作で使われている部材のことを造作材もしくは化粧材といいます。

大壁造り

木造軸組み工法において、構造材の柱が外から見えないよう、壁を柱の外側で仕上げる工法を大壁造りといいます。
洋風建築物ではこちらが一般的であり、近年は木造住宅においても、伝統的な真壁造りに変わり、大壁造りが主流になってきています。
大壁造りは壁に厚みができるため、断熱材や遮音材、補強材などを壁の中に入れやすく、高耐力壁を設けることも可能です。
また、施工も真壁造りに比べて簡単で、柱は壁に隠れるため見栄えなどにこだわる必要がなく、施工コストも安くなる傾向にあります。
ちなみに、木造3階建てでは構造上耐力壁が必要なため、和室であっても大壁造りにするにすることが原則です。

まとめ

ここまで、建物に関する用語をいくつか解説してきましたが、他にも覚えなければいけない言葉は山ほどあります。
例えば、構造の種類(木造など)や間取り図の略称(LDKなど)も、れっきとした建物に関する用語であるため、メジャーなものは不動産売買前に網羅しておくことをおすすめします。
そうすれば、売買における勘違いやトラブルはある程度防ぐことができます。

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