不動産売買・投資

知っておきたい宅建業法に関連する用語について

主に宅地建物取引業者の免許制度、宅建士制度などに関する規制を定めた法律を宅建業法といいます。
当法律の関連用語には、今後不動産売買を行う方が知っておきたい言葉が数多くありますが、皆さんはどれくらいご存知でしょうか?
今回は、主な宅建業法関連用語をいくつか解説しますので、この機会にぜひ覚えて帰ってください。

営業保証金

宅建業者があらかじめ供託所に供託しておく保証金のことを営業保証金といいます。
こちらは、不動産売買を行う方々が、宅建業者との取引で損害を受けた場合に、弁済してもらうために預けられる金銭です。
売主や買主にとっては、非常に重要なものだと言えるでしょう。
ちなみに、宅建業者は、国土交通大臣あるいは都道府県知事に対して供託した旨を伝えないと、不動産業を始められません。
そのまま営業すると、もし売主や買主に損害を与えてしまったとき、補償が困難になる可能性があるからです。
供託所に関しては、宅建業者の主たる事務所の最寄りの供託所とされていて、金額は1,000万円(主たる事務所)、500万円(営業所など)となっています。
なお、宅建業者は免許取得後日から3ヶ月以内に営業保証金の届出をしないと、最終的に免許を取り消されることがあります。

不実告知

宅建業者は、その業務の相手方等に対し、重要な事項について故意に事実を告げなかったり、不実のことを告げたりしてはいけません。
この場合の、宅建業者による不適切な説明を不実告知といいます。
簡単に言うと、伝えるべきことを伝えなかったり、事実と違うことを伝えたりする行為です。
ちなみに、“重要な事項”には、土地や建物に第三者の権利(借地権、抵当権など)が設定されている場合など、買主の意思決定上重要な要素になったり、物件の価格等の資産価値を著しく下落させたりする事項などを指しています。
不動産売買契約において、宅建業者の不実告知が発生し、買主や売主が誤認した場合は、契約を取り消すことが可能です。
覚えておきましょう。

共同仲介

1つの不動産売買を、複数の不動産会社が共同で仲介することを共同仲介といいます。
買主と売主をそれぞれ紹介し合うケースの他、売買の依頼情報を共有して業務に活用するケース、代理店などによって一体的に仲介業務を行うケースなどがあります。
ちなみに、広範囲に店舗を展開している不動産会社は別として、一般的には不動産売買の媒介は共同で実施する場合が多いです。
不動産売買を迅速かつ公正に仲介するためには、情報を共有した方が良いからです。
なお、1つの不動産会社が売主と買主の両当事者の仲介をすることを単独仲介(両手仲介)といいます。
この場合は、1つの不動産会社が売主、買主の両方から仲介手数料を受け取ることになります。

誇大広告

著しく事実と異なったり、実際の不動産よりも著しく優良・有利だと誤認させたりするような広告表示を誇大広告といいます。
宅建業法において禁止されている表示であり、具体的には物件の所在や規模、形質、利用の制限、交通の利便性などに適用されます。
例えば、“特選”や“最高”、“日本一”などの言葉は、基本的に用いてはいけません。
また、中古物件の場合は“中古”という記載だけでなく、建築年月の表示が義務付けられているなど、その規制内容は多岐に渡ります。
ただし、実際に確認できるデータに基づく表示の場合は、特選や日本一などの言葉を用いても問題ありません。

解除権行使

契約を締結する当事者間において、一方的に契約を解除することを解除権行使といいます。
本来不動産売買契約などの契約は、当事者同士の同意のもと履行されますが、解除権行使では、当事者のいずれかの適切な判断、あるいは法律に基づき、契約解除を行うことができます。
また、契約当事者によって履行されるものは約定解除権、法律によって履行されるものは法定解除権といい、これらは契約取消とは意味が異なります。
契約取消を履行した場合、それまで進捗していたすべてを白紙撤回(第三者は除く)することができますが、解除権行使の場合、解除を行使した以降の契約が破棄され、それまでに進捗した内容においては取り消しができません。
なお、主な法定解除権行使には、契約不適合責任が挙げられます。
契約不適合責任は、あらかじめ目的物に対して取り決めた種類や品質、数量に関して、契約内容に適合しない取引を行った場合につき、売主側で負担する責任です。
売主は、契約不適合によって損害を被った買主における契約解除だけでなく、損害賠償請求、履行の追完請求、代金の減額請求といった権利を認めなければいけません。
ただし、改正民法の規定に従った特約の記載がある場合、売主側は売買後の補償責任が免除されます(免責)。

まとめ

宅建業法関連用語には、まだまだ皆さんが聞き慣れない言葉がたくさんあります。
もちろん、これから売主や買主となる方は、宅建業者ではないため、すべての言葉の意味を覚える必要はありません。
ただし、1つでも多く覚えておけば、トラブル発生の可能性が低い、スムーズな不動産売買が実現しやすいことは理解しておきましょう。

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