不動産売買・投資

変わった不動産、建築関連の用語について解説します

日頃聞いたり話したりする言葉と同じでも、建築業界ではまったく異なる意味を持つ場合があります。
このような用語の知識は必須ではないものの、知っておくことでより不動産に対する理解を深めることができます。
今回は、変わった不動産、建築関連の用語について解説します。

さいころ

さいころとは、RC造のスラブ鉄筋の被りをとるためのスペーサー(モルタル製やプラスチック製でできている、コンクリートの被り厚さを正確に保つためのもの)のことをいいます。
キャラメルとも呼ばれます。
鉄筋コンクリートの工事において、型枠と鉄筋のすき間を確保するための資材のひとつとなっています。
こちらは、基礎、床板、基礎張りなどの下端や鉄筋が混み合う部分に使用されることが多いです。
また、さいころには、コンクリート製、モルタル製、プラスチック製などがあり、コンクリート製やモルタルのものは、被り厚さと呼ばれる3cm×4cm×5cmといった必要とされる隙間寸法によって使い分けることができるよう、各辺の長さが異なります。

下駄履き

下駄履きとは、上階部分を一般住宅とし、階下を事務所や店舗駐車場とした中高層の建築物のことをいいます。
下駄履き住宅とも呼ばれます。
1階の部分が壁や柱だけになっていて、下駄の歯のような形となり、歯の間に事務所や店舗などがあるため、下駄履きと呼ばれるようになりました。
こちらの言葉は、昭和40年代以降に登場したと言われています。
しかし、1階の部分が壁や柱だけのため、耐震性が問題視されることもあります。
また、1階に店舗、特にコンビニなどが入ると便利な反面騒音や臭気といった問題が起き、苦情が出ることも考えられます。
ちなみに、下駄履きには、建築関連の意味の他、下駄を履いていることや、旧海軍の浮舟を付けた水上飛行機の意味もあります。

竹の子

竹の子とは、床の間の納まりの一種をいいます。
具体的には、床柱が太くて部屋の畳に被ってしまう場合に、床柱と畳が接する部分に大きく斜めの面をとって収めることです。
また、このとき採られた面は竹の子面と呼ばれます。
竹の子面の高さは、床柱の直径の2~2.5倍程度にするのが一般的であり、木目の数が奇数となるようにするのが城跡でありました。
現在は、和室が減少していることから、竹の子が用いられる建築も減少しています。
ちなみに、竹の子面をとらずに収めたい場合には、床柱の畳にぶつかる部分を首切りにして収めます。

馬とは、作業台や作業足場のことをいいます。
馬の姿と作業台の形が似ていることから、このような呼び名が付きました。
こちらの作業台の上に木材を置いて鉋を掛けたり、何台かを並列に置いて木材や鉄筋の加工をしたりするのに使用します。
また、加工の際には材をかすがい等で固定してから作業を行い、2台に足場板を渡して、作業用の足場としても使用します。
さらに、馬はアンテナの支柱が棟をまたぐときに使う足や、鉄筋の下に入れて被り厚を設けるためのプラスチック製スペーサーのことを指す場合もあります。
ちなみに、4本足の動物は馬以外にも牛や犬などが昔から親しまれていますが、上に物を載せる用途では馬が最もよく用いられていたことから、馬と呼ばれています。

ラーメン

ラーメンとは、ラーメン構造あるいはラーメン工法のことをいいます。
ラーメンはドイツ語で枠を意味する言葉であり、ラーメン構造とはRC構造や鉄骨構造等で柱と梁が一体化した構造のことを指します。
この際、柱と梁は剛接合になります。
木造では、剛接合を作ることが困難なため、ラーメン構造で作られた実績はほとんどありません。
主に大開口部を持つ建築や、室内自由デザインの建物で利用されます。
ラーメンは、地震や風などによって平行な荷重がかかった場合でも、接合部で抗力を発揮することでそれに耐えることができます。
逆に言うと、それに耐えられるだけの高い強度が接合部に要求されるということです。
また、一部が破壊された場合でも全体がつながっているため応力の再配分が行なわれ、すぐには崩壊せず、多くの箇所が破壊された場合に崩壊に至ります。

らっきょ

らっきょとは、鉄筋工事の肋(あばら)筋の加工、組み立て方をいいます。
四方形に組めないときに上辺をつながず、上下に分けて組み立てコの字形にしたもので、補強筋にも用います。
また、U字形のスタラップのことをらっきょバンドといいます。
スタラップとは、鉄筋コンクリート造の梁の主筋に一定間隔で垂直に巻き付けた鉄筋のことです。
らっきょは、コンクリート梁部材において、軸方向鉄筋を取り囲むように梁と直角方向に配置され、部材のせん断強度を高めます。
その本数や間隔は構造計算によりますが、おおむね250〜300ミリ間隔です。

まとめ

ここまで、変わった不動産、建築関連の用語の意味を解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
これらの用語は、不動産業界の隠語のようなものであるため、不動産の購入や売却をする方が、必ずしも触れる機会があるとは限りません。
それでも、積極的にマイホームの建築に関わる施主の方などは、知っておいて損はないと言えます。

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