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“LGBT理解増進法”はココがおかしい

昨今、目にしたりニュースで耳にしたりする機会も増えたLGBTですが、こちらには“LGBT理解増進法”という関連法律があります。
こちらは、LGBTの方に配慮した法律ではありますが、問題点も多く、さまざまなところで議論の対象となっています。
ここからは、LGBT理解増進法の概要や問題点を中心に解説したいと思います。

そもそもLGBTって何?

そもそもLGBTとは、Lesbian(女性同性愛者)、Gay(男性同性愛者)、Bisexual(両性愛者)、Transgender(性自認が出生時に割り当てられた性別とは異なる人)の頭文字を取ったもので、性的少数者の総称です。
社会的には、「人は生まれたときに割り当てられた性別らしく生き、男性は女性を、女性は男性を愛するのが普通であり、それ以外は異常でおかしい」という固定観念や先入観がいまだに存在し、LGBT当事者に対し、偏見や差別を持つ方も少なくありません。
また、LGBT当事者は、常にこのような周囲からの偏見や差別に傷つき、悩んでいます。
中には、自身がLGBTであることを明かし、理解してもらいたいと思っていても、偏見や差別に怯え、誰にも悩みを打ち明けることができず、傷ついてしまうというケースもあります。
このような方のために考案されたのが、LGBT理解増進法です。

LGBT理解増進法の概要

LGBT理解増進法は、自民党性的指向・性自認に関する匿名委員会が法制化を進めている法案で、正式には“性的指向および性同一性に関する国民の理解増進に関する法律”といいます。
差別禁止ありきではなく、あくまでもLGBTに関する基礎知識を全国津々浦々に広げることで、国民全体の理解を示すボトムアップ型の法案です。
LGBT当事者の差別を一切禁止するというものではなく、苦しさに理解を示し、少しずつ偏見や差別をなくしていく法律というイメージです。

LGBT理解増進法の問題点

LGBT理解増進法は、前述の通りあくまでLGBT当事者への理解を示すための法律です。
しかし、LGBT活動家からは、「理解増進では生ぬるい」「差別禁止でなければダメだ」という意見が出ています。
確かに、理解増進という程度では、具体的なLGBT当事者における差別的取り扱いの被害を解決することはできません。
実際これまでには、トランスジェンダーが理由で採用面接を打ち切られたり、同性カップルであることを理由に住宅の入居を拒否されたりといった事例が発生していますが、もしLGBT理解増進法が成立したとしても、このような事例に対しダイレクトに対処することは困難です。
また、LGBT理解増進法が成立すると、今後日本において、婚姻の平等(同性婚)の実現が求められるようになったとしても、こちらの法律を根拠に、「まずは理解を増進されることが重要だ」と、議論を進めないための言い訳に使われることも予想されます。

そもそも日本にLGBT理解増進法は必要ない?

LGBT理解増進法は、まだまだ問題が多い法律ですが、そもそも日本において、あまり必要性のない法律だとも言われています。
日本では、すでに約60の自治体で、LGBT差別禁止条例というものが施行されています。
また、200以上の自治体では、パートナーシップ制度も導入されています。
パートナーシップ制度とは、LGBTなどの性的マイノリティ当事者が、お互いを人生のパートナーとすることを宣誓する事実を、自治体が独自に証明するという制度です。
言い換えれば、自治体においては、事実上同性婚が認められるというものです。
もし、国単位でLGBT理解増進法という法律ができてしまったら、今後自治体は差別禁止ではなく、理解増進を基準とし、条例を制定してしまう可能性が高いです。
こちらは、現時点で自治体の制度に守られているLBGT当事者にとってマイナスなことであり、自治体の条例整備を後退させることにもつながってしまいます。

LGBT理解増進法の進捗状況

今月28日、自民党本部で開かれた“性的マイノリティに関する特命委員会”などの合同会議で、LGBT理解増進法を巡る議論が行われました。
岸田首相が議長を務める5月のG7広島サミット前の成立を求める声が、国内外で強まっていましたが、自民党内には保守派を中心に、依然慎重論や反対論が根強く、推進派との意見が集約される見通しはまったく立っていません。
慎重派、反対派の意見としては、「社会の根幹や家族そのものに関わる問題であり、慎重にやるべきだ」「期限を区切ることに意味があるのか」といったものでした。
日本を除くG7各国には、すでにLGBTへの差別を禁じた法令が定められていて、法整備の現状に対して、国際社会から日本に注がれる視線の厳しさを指摘する声も少なくありません。
自民党は、大型連休明けに再び議論を行いますが、意見がまとまる可能性は低く、関係者の中では、「岸田首相の指導力に期待するしかない」という声も出ているようです。

まとめ

ここまで、LGBT理解増進法の抱える問題点を中心に解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
LGBT当事者の苦しみを理解することは、現代社会においてとても重要なことです。
しかし、実際当事者になってみなければわからないことも多く、社会の根幹が大きく変わるということも相まって、LGBT理解増進法はまだまだ反対多数であり、良い落としどころが見つかるまでには時間がかかることが予想されます。

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