不動産売買・投資

不動産売却のリスクについてケース別に解説します

不動産売却を行う場合、多くの方は「早く売却を終えたい」と思いがちですが、リスクもきちんと把握しておかなければいけません。
“リスクを制する者が不動産売却を制す”と言っても、過言ではありません。
ここからは、ケース別に不動産売却のリスクを解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

一般的な不動産売却におけるリスクとは?

まずは、すべての不動産売却に当てはまるリスクから解説しましょう。
具体的には以下の通りです。

・なかなか買い手が見つからない
・買主に契約をキャンセルされる

なかなか買い手が見つからない

不動産売却は買い手がいなければ成立しませんが、どれだけ好条件で売り出している不動産でも、なかなか買い手が見つからないということはあります。
特に、不動産売却市場が活発になる春先頃は、ライバルも多く、このような状況に陥りやすいと言えます。
少しでも買い手が見つからないリスクを防ぐためには、できる限り売り出し価格を相場に近いものにし、内見に力を入れるなどの工夫をしなければいけません。

買主に契約をキャンセルされる

不動産売却では、一度買主との間で成立した売買契約が、キャンセルによって破談になってしまうことがあります。
キャンセルされると、当然また一から買主を探さなければいけません。
こちらが手付放棄による解除であれば、売主は買主から預かっている手付金を受け取れるため、経済的なプラスは発生します。
しかし、住宅ローン特約による解除の場合、売主は買主に手付金を返さなければならず、すべて一からやり直しになってしまいます。
このようなリスクは必ず把握しておきましょう。

居住用不動産の売却におけるリスクとは?

続いては、居住不動産の売却におけるリスクに絞って解説していきましょう。
具体的には、以下のようなリスクです。

・引き渡しまでに次の住居を確保できない
・ダブルローンを支払わなければいけない可能性がある

引き渡しまでに次の住居を確保できない

居住用不動産を売却する場合、売主は次の住まいを確保しなければいけません。
もし、売り先行で買い替えを行うのであれば、売買契約が成立してから新しい住まいを探すことになります。
ただし、売却する居住用不動産の引き渡しまでに、新しい住居を確保できない場合は、仮住まいを用意する必要があります。
すでに買主と引き渡し日が決まっている物件に、いつまでも住んでいるわけにはいきません。
もちろん、仮住まいの用意には費用がかかるため、こちらは売り先行の買い替えにおけるリスクとして覚えておきましょう。

ダブルローンを支払わなければいけない可能性がある

居住用不動産の住み替えをするために、現在の住まいの住宅ローンと併せて、新居用の住宅ローンを組む場合があります。
こちらは、主に買い先行の買い替えで実施されることで、先に住宅ローンを組んで新居を購入し、後から現在の住まいを売却して、売却益でローン残債を返済するという方法です。
しかし、この方法には大きなリスクがあるため、注意しましょう。
それは、買主がなかなか決まらず、2つの住宅ローンを並行して支払わなければいけなくなるリスクです。
ダブルローンは非常に負担が大きく、同時に新居を持て余すことにもなってしまうため、買い先行の買い替えを行う方は、慎重に新居購入のタイミングを見極めなければいけません。

土地の売却におけるリスクとは?

最後は、土地の売却におけるリスクを解説しましょう。
具体的には、主に以下のようなリスクが挙げられます。

・隣地とのトラブルが発生する
・解体費用が高額になる可能性がある

隣地とのトラブルが発生する

土地の中には、隣地との境界が複雑になっているものもあります。
例えば、境界杭が存在しない場合や、隣地の敷地の境界線付近に占有物がある場合などは、境界の確定までに時間がかかります。
特に、先代から受け継いだ土地の場合は、複雑な状態になっていることが多いです。
このような土地の売却では、隣地の所有者と境界に関するトラブルが起こるリスクが高まります。
最終的にしっかり境界を確定させなければ、原則その土地を買主に譲ることはできませんので、覚えておきましょう。

解体費用が高額になる可能性がある

現在建っている建物を取り壊し、更地にして売却しようとする方もいるでしょう。
ただし、こちらの場合は高額な解体費用がかかるケースがあるため、注意が必要です。
例えば、20~40坪の住宅を解体し、更地にする場合は、以下の解体費用がかかります。

20坪 30坪 40坪
木造 80~100万円 120~150万円 160~200万円
軽量鉄骨造 120~130万円 180~195万円 240~260万円
重量鉄骨造 130~140万円 195~210万円 260~280万円
RC造 120~160万円 180~240万円 240~320万円

まとめ

売主は、リスクを事前に把握し、常に最悪の事態を想定して不動産売却を進めましょう。
良いことばかり考えていると、実際問題が発生したときに、迅速に対応することができません。
もちろん、好条件での売却を目指すのは前提ですが、すべてが思い通りにいくことは基本的にはありませんので、ある程度の覚悟を持って不動産売却に臨んでください。

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