不動産売買・投資

二重ローンを利用するメリット・デメリットについて

さまざまな事情により、現在の住宅から、新しい住宅への住み替えを考えている方は少なくありません。
このとき、通常は旧居の住宅ローンを完済した後、新居のローンを組むことになりますが、条件をクリアすれば“二重ローン”にすることも可能です。
ここからは、二重ローンの概要とメリット・デメリットを解説します。

二重ローンとは?

現在住んでいる住宅のローンが残っている状態で、新たな住宅ローンを組むことを二重ローンといいます。
早急に、住宅の買い替えをしたい方が利用するケースが多いです。
しかし、これは誰もが実践できることではありません。
基本的には、以下の条件をクリアしない限り、利用は難しいと考えて良いでしょう。

・返済能力
・年齢
・売却後、古い住宅のローンを返済する

借入先金融機関から返済能力が足りないと判断される場合は、当然二重ローンを組むことができません。
具体的には、金融機関が定める返済比率を下回っていないと、利用は厳しくなるでしょう。
ちなみに、返済比率とは、年収に対してローン返済額がどれくらいの割合を占めているのかを表す数値です。
一般的には、30%程度に設定されていることが多いです。
また、金融機関の多くは、住宅ローンの完済年齢を70~80歳くらいに設定しています。
もし、二重ローンを組む年齢が50歳であれば、返済期間が35年の場合、上記の年齢までには完済できない可能性が高いため、審査の通過はあまり期待できません。
その他、古い住宅を売却した後、その住宅のローンを完済できない場合も、二重ローンは利用できません。
ただし、このとき返済に充てる費用は、必ずしも売却益でなければいけないというわけではありません。
不足分を預貯金などから補填し、最終的に完済できれば、二重ローンの利用が認められます。
そのため、もともと経済的な余裕があるという方は、スムーズに利用できる可能性が高いです。

二重ローンを組むメリット

では、二重ローンを利用するメリットには、一体どのようなことが挙げられるのでしょうか?
具体的には、以下の通りです。

・住み替えがスムーズに進む
・仮住まいが不要

住み替えがスムーズに進む

二重ローンを利用すれば、住み替えは比較的スムーズに進みます。
なぜなら、売却益を新居の購入費用に充てるケースのように、売却の時期に合わせて購入する必要がないからです。
じっくり購入する物件を見極められるため、割高な住宅を購入してしまう心配などもあまりありません。

仮住まいが不要

二重ローンを組めば、現在住んでいる住宅から新居に住み替えができるため、仮住まいは不要になります。
仮住まいが必要になると、現在の住まいから仮住まい、仮住まいから新居と2回転居しなければならず、時間や手間、費用もかさむため、これは大きなメリットと言えるでしょう。

二重ローンを組むデメリット

一方で、二重ローンを組むことには以下のようなデメリットもあります。

・経済的な負担が大きくなる
・古い住宅は控除の対象外になる

経済的な負担が大きくなる

二重ローンを利用する一番のデメリットといえば、やはり経済的な負担が大きくなるという点でしょう。
返済しなければいけないローンが2つになるため、これまでより返済額が増加するのは明らかです。
もちろん、新居の融資額によっては、返済額が倍以上に膨れ上がる可能性もあるため、慎重に実践するかどうか検討しなければいけません。

古い住宅は控除の対象外になる

住宅ローン利用時には、住宅ローン控除が適用されるケースも多いです。
こちらは、個人が住宅ローンを利用して住居の取得、リフォームをする際に、一定要件のもと、所得税からの控除が受けられる制度です。
条件をクリアしている方にとっては、利用しない手はありません。
しかし、二重ローンを組むと、もともと住んでいた古い住宅は、住宅ローン控除の対象外になってしまいますので、注意してください。
住宅ローン控除は、あくまで居住している住宅を対象とした制度であるため、そこから離れることで軽減措置はなくなってしまうというわけです。

“住み替えローン”とは何が違うのか?

二重ローンと似通ったものに、“住み替えローン”があります。
二重ローンの場合、支払い時期が重なってしまい、返済は二重になりますが、住み替えローンはそうではありません。
古い家の住居ローン残債も、新居のローンとまとめて借りることができるため、支払いが二重になることはなく、月の返済額に関しても選択することが可能です。
もちろん、1ヶ所ですべてのローンを借りる方法のため、二重ローンより商品の選択肢は少なくなりますが、今後住み替えをするなら利用を検討しても良いでしょう。

まとめ

ここまで、二重ローンの利用条件やメリット・デメリットにスポットを当てて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
住み替え時の資金調達方法は他にもあるため、最初から二重ローンに絞る必要はありません。
もちろん、現住宅のローンを完済するまでじっくり待ってから新居を購入することも、選択肢の1つに入れておきましょう。

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