【不動産用語集】都市開発関連の用語と意味について
都市開発とは、計画に則ってその都市を開発・整備することであり、主に公共設備の充実や合理化、防災力の強化、人口の集中・緩和などを目的に行われます。
また、不動産を所有する方の中には、自身の不動産があるエリアで都市開発が行われることも考えられます。
今回は、都市開発関連の用語と意味について解説します。
ゼネコン
ゼネコンは、建設工事全体を請負施工する企業です。
英語のGeneral Contractor(ゼネラルコントラクター)の略であり、総合建設業とも呼ばれます。
ゼネコンは、都市開発に携わることも多く、工事発注者から直接工事を受注し、完成した建造物を引き渡す責任を負います。
また、施工にあたっては、一般に各種の専門工事業者が下請負で作業を行います。
この場合、ゼネコンは工事の管理や監督機能を担い、専門工事業者は直接に施工する機能を担うとされます。
ちなみに、ゼネコンは建設業法に基づき、特定建設業として栄養許可を得る必要があり、許可が必要な工事については、土木一式工事や建築一式工事が挙げられます。
ニュータウン
ニュータウンは、新たに計画的に建設された大規模な市街地です。
周囲から独立したかたちのものが多く、都市計画に基づき、新住宅市街地開発事業、土地区画整理事業によって形成されます。
こちらの定義については、本来、①周囲を田園に囲まれた適正規模の市街地を新たに計画的に建設すること、②都市と農村の魅力を兼ね備えた職住近接の生活を可能とすること、③土地所有を一元化して自立した都市経営を確保することが挙げられますが、実際に完成したニュータウンの多くは、①を採用したものが多いです。
日本においては、大阪府の千里ニュータウンや東京都の多摩ニュータウン、茨城県の筑波研究学園都市などが有名です。
コンパクトシティ
コンパクトシティは、都市の中心部にさまざまな都市機能を集約し、都市を稠密な構造とする政策や考え方です。
集約型都市構造化とも呼ばれます。
また、こちらを実現するための手法としては、都市郊外での開発を抑制することや、都市中心部に居住空間を確保すること、中心部に都市サービス機能を集積すること、公共交通や歩道、自転車道を充実することなどが挙げられます。
ちなみに、コンパクトシティが提案される背景には、人口の高齢化や減少、都市環境や都市アメニティへの関心の高まり、中心市街地の衰退、環境負荷削減の要請などがあります。
市街化区域
市街化区域は、都市計画によって定められた、すでに市街地を形成している区域およびおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域です。
一定の都市計画区域について、都道府県知事が区域区分を決定することによって定まります。
また、市街化区域内では、必ず用途地域が指定されています。
用途地域は、建築できる建物の用途等を定めた地域であり、住居系用途地域、商業系用途地域、工業系用途地域に分かれます。
市街化調整区域
市街化調整区域は、都市計画によって定められた、市街化を抑制すべき区域です。
市街化区域と同じく、一定の都市計画区域について、都道府県知事が区域区分を決定します。
市街化調整区域内で土地の区画形質の変更をする場合には、原則として開発許可が必要になります。
また、開発許可にあたっては、特別な事情がある場合を除き、住宅のための宅地造成等は行われないなど、市街化調整区域内での開発・建築行為を抑制する規制が適用されます。
開発整備促進区
開発整備促進区は、都市計画で定める地区計画の一つで、大規模集客施設の立地を可能とする地区のことをいいます。
大規模集客施設は、原則として用途地域が近隣商業地域、商業地域、準工業地域に指定されている土地に限って立地できます。
しかし、開発整備促進区を指定することにより、それ以外の用途地域(第二種住居地域、準住居地域、工業地域に限る)においても立地が認められます。
また、非線引き都市計画区域の白地地域に開発整備促進区を指定することもできます。
市民緑地
市民緑地は、民間事業者や市民団体が公園緑地を整備し、公共の利用に供することができるとする制度により、設置された緑地施設です。
市民緑地を設置するには、緑化地域等において市民緑地設置管理計画を作成し、市町村長の認定を受ける必要があります。
また、認定されるのは、緑化地域または緑化重点地区内にある面積300㎡以上の施設で、設置管理期間が5年以上、緑化率が20%以上のものです。
ちなみに、認定された市民緑地は、都市公園に準じた施設とみなされ、原則として公開され、適切な水準で維持管理されます。
まとめ
ここまで、都市開発関連の用語とその意味について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
自身が居住するエリアや、今後不動産を購入しようとするエリアで都市開発が行われると、居住環境や不動産売買の計画、狙いなどが大きく変わってくることがあります。
もちろん、便利になることもあれば、制約によって不便になることも考えられるため、都市開発に関する情報については、常に取り入れておくことをおすすめします。