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直接税と間接税の違いについて

私たち国民には、勤労の義務があります。
こちらは、国家からさまざまな社会保障を受けるために、仕事をしなければいけないという義務を指しています。
また、納税も国家に対する義務の1つであり、私たちは主に“直接税”、“間接税”という2種類の税金を支払っています。
今回は、これらの税金の違いについて解説します。

直接税の概要

直接税とは、税の徴収方法によって分類される税種類の1つであり、納税者が国や地方公共団体へ直接支払う税金のことをいいます。
所得金額によって税率が異なるのが特徴で、多くの収入を得られる人から税金を取得するといった柔軟な対応ができ、こちらは貧富の差の解消につながります。
また、景気が低下して所得が急減したときに、税金を少なくすることで手取り額が大幅に落ちることを防ぎ、景気の急降下を防止することも可能です。
一方、景気が上昇し、所得が増加した場合、税金が増加分以上に上がることにより、手取り額がそれほど増えないという点は、直接税の短所だと言えます。
ちなみに、国や地方公共団体に直接支払うのが直接税ですが、こちらは実際に税金を持参するということではなく、支払いは銀行などの金融機関やコンビニ、インターネットなどを通じて行います。

直接税に該当する主な税金

直接税に該当する税金は主に以下の通りです。

・所得税
・住民税
・法人税
・固定資産税
・相続税
・贈与税
・自動車税、軽自動車税 など

中でも特に代表的なのは、所得税、法人税、固定資産税の3つです。
所得税は、個人の所得に対してかかる税金であり、税率は所得の金額に応じて最低5%~最大45%までに設定されています。
その他、個人の事情に応じたさまざまな控除が用意されているのも特徴です。
また、法人税は法人がその活動で得た所得にかかる税金で、固定資産税は土地、家屋、償却資産について課税される、地方税の中の代表的な直接税です。

間接税の概要

間接税とは、納税者が直接納税するのではなく、他の事業者などを介して間接的に納税する税金のことをいいます。
間接税について理解するには、まず納税義務者と担税者の違いを理解しなければいけません。
納税義務者とは、税を納める義務を負う人をいい、担税者とは、税を負担する人を指しています。
代表的な間接税には消費税が挙げられますが、例えばスーパーなどで商品を購入する際、客は商品の料金を支払うタイミングで、消費税も支払っています。
そして、客から消費税を受け取ったスーパーは、国や地方自治体へ消費税を納税します。
つまり、こちらのケースでは、スーパーが納税義務者、客が担税者に該当するということです。
ちなみに、間接税は直接税とは違い、所得金額の差は関係なく、一律の税率が定められています。

間接税に該当する主な税金

間接税に該当する主な税金には、以下のようなものが挙げられます。

・消費税
・印紙税
・酒税
・たばこ税
・揮発油税
・自動車重量税 など

中でも代表的なのは、先ほども触れた消費税、そして印紙税、酒税の3つです。
消費税は、日本国内で商品を購入したり、サービスを受けたりしたときに発生する税金で、私たちが消費税と呼んでいるものは、国税の消費税、地方税の地方消費税が一体になったものです。
商品やサービスの価格に対し、10%の税率が課せられます。
また、印紙税は、印紙税法で定められた文書を作成する際に課せられる税金です。
文書を作成する者が印紙を貼ることで納税するという、少し変わった特徴を持っています。
そして、酒税は名前の通り酒類に対して課せられる間接税であり、酒税法では酒の種類を発泡酒類(ビールなど)、醸造酒類(清酒など)で分類し、品目や含まれているアルコール分を加味して税率を決定しています。

直接税は“垂直的公平”、間接税は“水平的公平”

直接税の概要でも少し触れましたが、直接税は、所得額によって税率が変わる累進課税、所得の種類によって分かれた控除の適用により、納税義務者の所得に応じた税金の設定が可能になります。
こちらは、“垂直的公平”と呼ばれる考え方であり、経済力のある人物により大きな負担を求めることを意味しています。
一方、間接税は所得の高低に関係なく税率が同じであるため、税額に対する納税義務者(担税者)の不公平感が起きにくいです。
こちらを“水平的公平”といい、具体的には経済力が同等の人に等しい負担を求める考え方を指しています。
直接税は垂直的公平であるがために、より多くの利益を得たいという事業への意欲や、所得増のために頑張って働こうという勤労の意欲を損なうことにもつながりがちです。
しかし、間接税が水平的公平であることにより、直接税のデメリットは補われ、徴税制度のバランスは保たれています。

まとめ

ここまで、直接税と間接税の違いについて詳しく解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
いずれの税金も、私たち国民が負担しなければいけないことに変わりはありませんが、税率などの仕組みはまったく異なります。
また、納税を大きな負担に感じる方も多いかと思いますが、社会保障費や公共事業費などに充当されることを考えると、やはり支払いの義務はあって当然だと言えます。

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