不動産売買・投資

収益物件の売却時期に関する勘違いについて解説します!

収益物件を所有する方の中には、すでに売却することを決め、後は適切なタイミングで売却するだけという方もいるでしょう。
ただ、収益物件の売却時期について、間違った考えを持っている方は意外と多いです。
したがって、今回はそんな収益物件の売却時期に関する勘違いについて、詳しく解説したいと思います。

収益物件の売却時期に関する勘違い①購入時より高く売れるときに売るべき

収益物件を売却する方の中には、“購入時よりも高く売れる時期に売りたい”と考える方もいるでしょう。
ただ、この考えを持って売却時期を見極めようとするのは、非常に危険だと言えます。
なぜかと言うと、ほとんどの収益物件は、長く所有すればするほど、購入時よりも価額が下がってしまうためです。
また、たとえ所有する収益物件の価額が、購入時の価額を上回る状況になったとしても、購入時の支出をすべて回収できるとは限りません。
収益物件を購入する際には、取得費だけでなく、仲介手数料や登録免許税、不動産所得税など、さまざまな支出があるためです。
購入時の価額と、現在の売却価額の比較は、売却時期を考える1つの目安にはなりますが、それを売却の判断基準にするのはおすすめできません。

収益物件の売却時期に関する勘違い②今売却すれば○年分の利益が手に入る

収益物件の売却を決意した方で、“今収益物件を売却すれば、○年分の利益が手に入る”と考える方がいます。
ただ、この考えもあまり正しいとは言えません。
例えば、年間で1,000万円の利益(賃料収入)を上げられる収益物件を所有している方が、今すぐ売却した場合、3億円(ローン残債は2億4,000万円と仮定)の値が付くとします。
また、5年後に売却した場合、2億5,000万円の値が付くとしましょう。
そして、売却にかかる費用を1,000万円と仮定すると、今すぐ売却した場合、3億-2億4,000万-1,000万で5,000万円の利益を獲得できることになります。
一方、今すぐ収益物件を売らず、5年後まで売却を待つ場合、毎年1,000万円、5年トータル5,000万円の利益を獲得できます。
つまり、今すぐ売却すれば、5年分の利益を一気に獲得できることになるのです。
ただ、収益物件を所有し続けることで、その物件のローン残債は当然減っていきます。
仮に、毎年800万円ローンを返済しているという場合、5年後の残債は2億円まで減ることになります(現在の残債が2億4,000万円のため)。
したがって、今すぐ収益物件を売却すれば、5,000万円の利益を獲得できるのに対し、5年間所有してから売却する場合、毎年得られる1,000万円の利益と、売却によって得られる4,000万円の利益を足して、9,000万円を獲得できることになります。
こうしてみると、今すぐ売却して得られる利益、5年後に売却して得られる利益には、大きな差があることがわかりますね。

収益物件の売却時期はどう判断すればいい?

収益物件の適した売却時期は、物件によって千差万別のため、“この時期に売却すればいい”と一概には言えません。
ただ、収益物件を持つ方の多くが、売却時期の目安としている状況、出来事は存在します。
例えばわりやすいもので言うと、“土地の価格の上昇”が挙げられます。
何らかの要因が作用し、地価の上昇があれば、それを売却時期の目安とすることができます。
また、“減価償却期間の満了”も、よく売却時期の目安とされます。
減価償却費がなくなると、必要経費として計上できる金額が少なくなり、収益物件の節税効果が薄れるためです。

まとめ

収益物件の売却時期に関する勘違い、そして収益物件の売却時期の目安について解説しました。
すでに収益物件の売却を決めた方の中には、今回解説したような勘違いをしていた方もいるでしょう。
特に、収益物件を売ることで得た利益を、何らかの投資資金に充てようと考える方は、上記のような勘違いを改め、より慎重に売却時期を見極める必要があります。

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