底地(貸宅地)で起こる主なトラブルとは?②相続関係
底地(貸宅地)では、地主様と借地人様の間でのトラブルだけでなく、相続関係のトラブルもよく起こります。
権利関係がややこしい底地(貸宅地)において、相続関係のトラブルへの対策は必須と言えます。
したがって今回は、底地(貸宅地)で起こるトラブルの中から、相続関係のトラブルにスポットを当てて解説します。
底地(貸宅地)で起こる主な相続関係トラブル~共有時のトラブルについて~
底地(貸宅地)で起こる主な相続トラブルとして、まずは共有時のトラブルについて解説します。
底地(貸宅地)の地主様が亡くなると、相続人が底地(貸宅地)を引く継ぐことになります。
この際、特定の相続人が1人で引き継ぐことももちろんできますが、何人も相続人がいる場合は、“共有”という形で相続するという選択肢もあります。
つまり底地(貸宅地)の所有者が、1人ではなく複数人になるということです。
ただ共有で相続した底地(貸宅地)では、すべての相続人の意見が揃わない限り、その底地(貸宅地)におけるルールを決定することができません。
結果的に相続人同士で揉め事を起こしてしまい、そこに借地人様も巻き込んでしまう恐れがあります。
このような状況にならないために、取るべき対策はあるのでしょうか?
共有で相続するのはおすすめできない
上記のような状況にならないための対策は、至ってシンプルです。
できるだけ共有で相続することを避け、1人の相続人で底地(貸宅地)を相続することを心掛ければいいのです。
通常の土地であれば、共有して相続人同士が揉めたとしても、それは“親族間のトラブル”の範疇です。
ただ先ほど少し触れたように、底地(貸宅地)には借地人様がいるため、相続人同士が揉めてしまうと借地人様にも迷惑がかかる可能性があります。
例えば、借地人様が底地(貸宅地)上の建物の増改築を地主様(相続人)に依頼するとします。
このとき、新しく地主様となった相続人が1人でも許可しなかった場合、借地人様は増改築をすることができません。
このような状況になると、地主様と借地人様の関係悪化にも繋がりかねないので、共有での相続は避けるべきです。
底地(貸宅地)で起こる主な相続関係トラブル~相続した底地(貸宅地)の売却時のトラブルについて~
地主様から底地(貸宅地)を相続したのはいいものの、なかなか地代収入で利益を上げられず、売却を考えるというケースがあります。
ただ底地(貸宅地)は活用方法に制限があるため、不動産の中でも購入希望者が見つかりにくいことで有名です。
また一般の購入希望者が見つからず、不動産買取業者への売却をしたとしても、評価額の20~30%程度の売却価格にしかならないことが多いです。
このような場合、底地(貸宅地)をうまく売却するにはどうすればいいのでしょうか?
借地人様への売却を検討しよう
底地(貸宅地)がなかなか売れず、不動産買取業者の買取金額も低くなってしまうという場合は、借地人様への売却を検討しましょう。
借地人様に底地(貸宅地)を売却すれば、その底地(貸宅地)は完全に借地人様のものとなります。
つまりその時点で底地(貸宅地)ではなくなり、借地人様が地主様になるということです。
借地人様の中には、底地(貸宅地)を完全に所有したいと考えていながら、なかなか地主様に話す機会がないという方も多くいます。
1度実践してみる価値はあるのではないでしょうか。
まとめ
底地(貸宅地)よく起こる相続関係のトラブルには、主に上記のものが挙げられます。
これから底地(貸宅地)を相続するかもしれないという方は、必ず今回解説したトラブルのケースと対策を把握しておきましょう。
特に共有での相続に関しては、複数の相続人が底地(貸宅地)を相続したいと考えている場合でも、安易に決断しないことをおすすめします。
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『【供託】地代が供託された底地の借地権は売却出来る?地主の対応は?』