土地を貸す際の代金となる地代を決める時は、いくつかの方法があります。
その中でもよく基準とされるのが、公租公課と路線価です。
この2つを基準として、どのように土地を貸す際の代金となる地代を計算すればいいのでしょうか?
基本的な地代の算出方法について、解説します。

公租公課と路線価

公租公課と路線価というのは、どちらも不動産の価格を調べることがない限りは聞くことがまずないようなものなので、知らない人も多いでしょう。
まずはこの2つについて解説していきます。

公租公課というのは、固定資産税の税額と都市計画税の税額を合計したもので、その土地の固定資産税評価額を基準として決まります。
固定資産税と都市計画税の合計が1.8%の場合、評価額が1億円の土地であれば公租公課は180万円と言うことになるのです。

公租公課には、気を付けなければいけない点があります。
まず、地代の基準とするのであれば、公租公課は1年間の税額だという事を忘れないようにしなくてはいけません。

先ほどの例だと、公租公課は1年間で180万円なので、月当たりで考えれば15万円となります。
毎月の地代を決定する際は、この金額が基準となるでしょう。

もう1つ気を付ける点としては、住宅用地における減税についてです。
土地に対しての固定資産税は、住宅用地の場合は減税となるため、固定資産税額をそのまま基準にした場合は土地の価格と見合わないことがあるのです。

住宅用地に対しての減税は、土地の評価額に対して広さが200平方メートル以下であれば6分の1になり、200平方メートルを超える部分については3分の1となります。
また、都市計画税の場合はそれぞれ3分の1、3分の2として計算されます。

土地の上に住宅がある状態での公租公課は、この特例による減税がされている状態なので、土地の価格に見合うだけの地代にするには、その点を考慮する必要があります。
公租公課を地代の基準とする場合は、以上の2点を忘れないようにしましょう。

路線は、市街地の道路に面した住宅の評価額のことです。
不動産にかかる贈与税、または相続税を計算する時にその基準として使われる相続税路線価と、公租公課の基準となる不動産評価額を示す、固定資産税路線価があります。

相続税路線価は国税局長が決定して国税庁から毎年発表されるもので、土地を取引する際の基準となっている地価公示価格に0.8をかけた価格となるのが通常とされています。
基本的には毎年1月1日に発表しますが、大規模な地震や災害があった場合は、それに伴う調整率などもその都度発表されます。

ただし、これは一般的に路線価といわれる相続税路線価の場合で、固定資産税路線価の場合は地価公示価格に0.7をかけた価格となるのが通常です。
また、固定資産税路線価は国税庁ではなく、市役所や町村役場、東京都の23区内は都がそれぞれ定めて公表します。

このうち、地代を決める基準となるのは路線価、つまり相続税路線価の方です。
公租公課のことを考えていると、固定資産税路線価の方を考えてしまうかもしれないので、間違えないように気を付けましょう。

路線価を基準に計算する場合、気を付ける点としてはその価格の基準です。
路線価は、あくまでも道路を基準としてその価格を算出しています。
その土地がどのような形状か、また使いやすい広さかどうか、間口が狭くないかなどの条件は含まれていないという点に注意して下さい。

土地は、その用途によって使いやすい形状や広さがあります。
例えば、1000坪の住宅用地を分割もせずに貸し出しても、借りたいという人はあまりいないでしょう。
また、ちょうどいい広さでも縦長なら、家を建てる時にはその形状が限られてしまいます。

道路と面した場所が狭く、奥が広い土地よりも、全面的に広く道路に面している方が使いやすいという事も分かると思います。
路線価には、このような条件が勘案されていないのです。

地代の基準とする場合は、このような点に注意しなくてはいけません。
適切な地代について計算したい場合は、一度不動産鑑定などを依頼して、その土地の価格を確認したほうがいいでしょう。

地代の計算方法

それでは、公租公課や路線価を基にした計算方法について解説します。
その前に、地代と似たような言葉に賃料や家賃などがありますが、これらの違いを説明しておきたいと思います。

まず賃料と言うのは、何かを借りた際に支払う代金全般の事を言います。
これは不動産に限らず、全てのものを対象とします。
土地を借りた場合の代金も、レンタルDVDを借りた際の代金も、すべて賃料になるのです。

不動産の中でも、土地を借りた際の代金として支払うものが、地代となります。
土地の売買代金も地代と言えるように思えますが、あくまでも土地の賃料のことなので、混同しないように気を付けて下さい。

家賃というのは、その名前の通り家屋の賃料のことであり、不動産のうち建物を借りた際の代金はすべて家賃に含まれます。
例えば、倉庫を借りた場合は家とは言い難いですが、分類としては家賃となるのです。

アパートやマンション、一戸建てを借りた際は、家賃と言う名目でその代金を支払います。
しかし、実際にはその建物だけではなく土地も借りていることになるので、その家賃には建物の貸借代金の他に、土地の貸借代金も含まれています。
ですから、正確には家賃ではなく、家賃土地代を合わせた賃料となるのです。

そのことを踏まえて、ここで説明する地代というのはあくまでも土地の貸借による代金のことになります。
建物がある場合は、また別の計算があるので注意して下さい。

まず、公租公課を地代の基準とする場合ですが、その場合は公租公課の何倍かを地代として設定するかを考えます。
計算としては非常に楽なので、地代の計算にはよく使われています。

土地の用途や地域によっても異なりますが、公租公課の3倍前後が最低と言われています。
もちろん中には2倍程度の土地もありますが、その場合は割安と考えられるでしょう。

この方法を地代の参考とする場合は、その土地の周囲にある借地の地代における倍率をみてみましょう。
近隣で、公租公課の4倍を地代としている土地が多ければ、自分の土地も4倍前後の地代に設定するのです。

土地そのものの賃料を比べても、広さや面している道路が異なれば、評価額も異なります。
道路一本違うだけで、評価額が大きく異なることも珍しくはないのです。
その点、倍率で比較するというのは基準額に関係しないため、分かりやすいでしょう。

路線価を基準にして地価を算出する場合は、路線価に0.8をかけて更地価格を算出します。
地代としては、その価格のだいたい1.5%から3%程度が相場といえるでしょう。
この価格の幅については、公租公課の倍率と同様に、やはり周囲の借地の地代では何%にしているのかを見て割合を決める方が良いと思います。

まとめ

地代を算出する場合、主にその参考とされるのが公租公課と路線価です。
公租公課の場合はその何倍を地代とするか、と言う算出方法になり、路線価を基準とする場合は、更地価格からその何%を地代とするのかを算出します。
地代というのは、言ってしまえば地主が自由に決めることができますが、あまりに高い場合はそこを借りた人に訴えられ、強制的に地代を引き下げられてしまうかもしれません。
そういったトラブルにならないよう、納得できる地代に設定しましょう。


その他、地代の相場算出方法に関しての記事はこちら…

『地代の相場を算出する路線価について徹底解説』

『地代にも関連する公租公課倍率法の解説』

『地代の算出方法と土地の利用方法によって異なる相場』

 

こんな記事も読まれています