地主として土地を貸している場合、それに伴う更新料や承諾料などが関わってくることも多いでしょう。
しかし、更新料や承諾料といっても様々な種類があり、またその金額もいくらくらいとなるのかがわかりにくいものです。
今回は、その詳細について解説していきたいと思います。

更新料とは?

更新料については、アパートなどを借りたことがある人なら聞き覚えがあるものなので、まだなじみがあるかと思います。
まずはその更新料について解説します。

借地について、旧法における借地権や普通借地権の場合、通常はその土地に建物があるうちは契約期間の更新が可能です。
もしも地主がその更新を拒否したい場合でも、正当な理由がなければ拒むことはできません。

ただし、更新の際に更新料を請求した場合、それは認められることがほとんどです。
これまでの判例でも、100%ではありませんがおおよそは更新料を支払うこととなっています。
この更新料ですが、どういう意味合いがあるものと考えられているのでしょうか?

そもそも、地代というのはそれほど利回りが高いものではありません。
地代は、高くても土地の評価額の10%程度ということが多く、売買した場合は評価額よりも高くなる場合がほとんどなので、実際の利回りとしては5%程度と考えることができます。
更新料は、その地代の不足分を埋めるものとしての意味合いがあります。

また、更新料を請求するということは、更新の際に地主が有している更新を断るという権利を放棄したということになります。
そのため、更新料はその権利の放棄に対する対価という意味合いもあります。

更新料には、それ以外にも地代の一部を前払いするという意味や、今後も賃貸借契約を継続していくという意味もあります。
更新料というのは、単なる手数料とは違うのです。

更新料をいくらにするかは、その契約期間や地域、土地の用途などでかなりの違いがありますが、その土地が更地である場合の売買価格を基準に決められます。
安い場合は2%程度、高ければ10%程度が相場です。
契約期間が長期で、地代が割安であり、首都圏の土地で事業用に使われている土地であれば、更新料は10%もしくはそれ以上となるでしょう。

承諾料とは?

更新料についてはなんとなくご存知という方でも、承諾料となると疑問に思う人も多いでしょう。
承諾料というのは、どのような時に生じるものでしょうか?

承諾料というのは、その借地に対して何らかの要求がある時に、地主に対してその了承を求めて支払う料金のことです。
例えば、借地にある建物は、勝手に建て替えるわけにはいきません。
必ず地主の承諾を得る必要があるのですが、その際は承諾料を支払うのが一般的となっています。

大規模なリフォームを行う際も、この承諾料は必要となります。
しかし、トイレやバスルーム、キッチンなどごく一部のリフォームや、外壁の修繕や塗装などについては、特に承諾料を支払わなくても問題ない場合が多いでしょう。
しかし、その場合も必ず地主に話をしておきましょう。

他には、土地を借りている人がその借地権を誰かほかの人へと譲渡・売却する際も承諾料が必要です。
その際は、名義もその人へと変更されることとなるので、名義変更料とも呼ばれています。

このとき、売却ではなく相続によって名義が変わる場合であれば、この承諾料は不要となります。
また、この承諾料はその売主である、元々その土地を借りていた人が地主へと支払うものです。

もう一つ、承諾料が必要な場合があります。
それは、元々その土地を借りた時に結んでいる契約条件に関わるような変更をする際の、条件変更に対する承諾料です。

例えば、現在借地に木造の住宅を建てていたとします。
その場合は非堅固建物という分類になりますが、それをコンクリート造や鉄骨造などの、堅固建物に分類される材質へと変更したい場合には、承諾料を支払うのです。

何故かというと、古くからある借地権の場合、非堅固建物と堅固建物では契約期間が異なるため、契約内容を変更する必要が生じるのです。
勝手に変更するわけにもいかないので、契約変更の承諾料を地主へと支払うこととなります。
建て替えるのであれば、その承諾料と合わせて支払うこととなるでしょう。

それでは、承諾料はどのくらい支払うのが相場となるのでしょうか?
承諾料の相場は、その内容によって異なります。
また、承諾料の基準となるのは、更新料と同様にその土地が更地である場合の売買価格となります。

建て替えや大規模なリフォームを行う場合の承諾料は、基準となる価格の2%から5%程度が相場となります。
借地権を売却して名義を変更する場合には、5%から10%程度が相場とされています。
条件が変更となる際の承諾料も同様に、5%から10%が相場となります。

料金の基準はあってないようなもの

更新料や承諾料の基準ですが、これはあくまで相場です。
別に法律でこのくらいの料金とするように決まっているわけではないので、必ず相場の範囲の料金となるわけではないのです。

更新料や承諾料は、契約書に記載がある場合はそのルールに従いますが、記載がなければ単なる慣習でしかないので、昔からそう決まっているというだけのことです。
とはいえ、支払いを拒否した場合は間違いなく地主との関係は悪化することとなるでしょう。

また、更新料や承諾料が必要か、という点は時折裁判となることもありますが、多くはその必要性が認められるため、裁判となっても負ける可能性が高いでしょう。
ただし、地主に提示された金額を鵜呑みにする必要まではありません。

更新料と承諾料は、明確なルールがない以上その金額は交渉の余地があります。
要するに、土地を借りている人と地主の双方が納得できる金額であればいいのです。
ですから、土地の価格の20%で同意することもありますし、0.1%で同意することもあります。

ただし、もしも地主が相場よりもかなり大きな金額を提示して、それに納得がいかずに裁判となった場合は、その料金に充分な根拠がない限りは相場の範囲に収まるよう料金を減額することとなるでしょう。

相場について計算する場合、土地の評価額と売買価格の違いに注意しましょう。
土地の評価額よりも売買価格の方がかなり高くなるので、評価額の15%だから高すぎる、と思っても、売買価格で見たら8%だから相場の範囲内だった、ということもあり得ます。
また、基準となるのは更地での売買価格、という点も覚えておきましょう。

承諾料は様々な場面で支払うこととなるのですが、これは更新料と同じく地代を補完するという意味合いが強いものです。
更新料が必要となる場面の多くは、その土地の借地契約が延長されるような内容です。
その期間の分、先の地代の補完分をまとめて支払うという意味合いがあるものなので、高いと感じても必要な物だと割り切りましょう。

まとめ

借地の場合、契約の更新時には更新料が必要となることが多く、また家の建て替えや借地権の売却などをする際は地主の承諾を得る必要があり、その際は承諾料を地主へと支払うこととなります。
この更新料や承諾料は慣例となっているもので、目安の料金はありますが最終的には地主との合意に追ってその料金が決まります。
これらの料金は地代の補完という意味合いもあるので、相場の範囲であればきちんと支払いましょう。


その他、更新料・承諾料に関する記事はこちら…

『【地主様向け】借地における更新料の適正金額について』

『借地の更新料に関する裁判の事例と結果を紹介します』

『借地における“建て替え承諾料”について徹底解説します』

『借地権の譲渡に必要な承諾料とは?地主様に払うのは誰なのか?』

『地主様に渡す承諾料に消費税はかかる?その他の費用は?』

 

こんな記事も読まれています