土地を倉庫として貸し出す際の利点と欠点について
地主が現在利用していない土地を所有している場合、倉庫として貸し出すというのも選択肢の1つです。
個人だけでなく、法人が資材などを保管するために倉庫を利用することもあるため、ある程度の需要があると想定されます。
今回は土地を倉庫として貸し出す利点と欠点を、具体的に解説します。
地主が土地を倉庫として貸し出す利点①コストがかからない
地主が土地を倉庫として貸し出す1つの利点として、“コストがかからない”という点が挙げられます。
土地を倉庫として貸し出す場合、簡易な倉庫であれば建設費用もそれほどかからず、コストを抑えることができます。
また場合によっては、倉庫を建設せずにそのまま土地を貸し出し、資材置場のように使用してもらえることもあります。
このケースでは建設費用が一切かからないだけでなく、返還の際はそのままの状態で返還されるため、大規模な原状回復も必要ありません。
冒頭でも触れたように、資材などを保管する法人は、建物を必要とせずある程度のスペースさえあればいいと考える場合も多いです。
地主が土地を倉庫として貸し出す利点②土地が狭くても貸し出せる
地主が土地を倉庫として貸し出す場合は、土地が狭くてもある程度の需要が見込まれるでしょう。
先ほど解説したように、土地を倉庫として貸し出す場合、借主が倉庫としての建物を必要としていない場合も多いです。
したがって建物を建てるためのスペースを確保する必要がなく、ある程度狭い土地でも物が保管できれば契約が成立するというケースが考えられます。
また狭いだけでなく、少し起伏や勾配があるような土地であっても、必ず建物を建てなくてはいけない場合と比べれば、それほど気にならない借主が多いでしょう。
そして住居などにおいては重要な日当たりの良し悪しも、土地を倉庫として貸し出す場合はほとんど考える必要がありません。
地主が土地を倉庫として貸し出す利点③地主の負担が少ない
地主が土地を倉庫として貸し出す場合、地主にはほとんど土地の管理による負担がありません。
例えば土地に賃貸物件を建設し、貸し出す場合と比較してみましょう。
賃貸物件を建設するということは、その土地だけでなく当然物件の管理もしなければいけません。
また周辺で迷惑行為が起こったり、住人同士のトラブルが発生したりすると、地主が対処しなければいけない場合も増えてきます。
管理会社に委託している場合であっても、地主は全く関与しなくていいというわけではありません。
一方土地を倉庫として貸し出している場合では、ほとんどその土地の借主が管理をしてくれます。
倉庫としての建物が建っている場合は別ですが、ただの資材置場として利用されている場合、地主に土地を管理する手間はほとんどないといっても過言ではありません。
地主が土地を倉庫として貸し出す欠点にはどんなことが挙げられるのか?
地主が土地を倉庫として貸し出す際の欠点とは、一体何でしょうか?
まずは、“得られる賃料が少ない”という点が挙げられます。
倉庫としての建物を建設する場合、建設しない場合のどちらにおいても、賃貸物件の経営や駐車場経営と比べると、賃料は少なめです。
つまりコストを抑えられる代わりに、リターンもそれほど大きくないということです。
また土地を倉庫として貸し出す場合には、“借主と近隣住民のトラブルに巻き込まれる可能性がある”という欠点もあります。
倉庫から資材などを運び出す際、または搬入する際には当然騒音が発生しますし、粉塵も巻き上がるでしょう。
地主が管理する手間を省けるとはいえ、土地を倉庫として貸し出す場合、場所を考慮しなければトラブルに対応するハメになってしまいます。
まとめ
土地を倉庫として貸し出すのに向いているのは、コストや手間をかけたくない方、または将来的に土地を別の形で利用したいと考えている方です。
ただ住宅が密集したエリアに土地を所有している方には、あまりおすすめできません。
住宅が密集したエリアの土地を倉庫として貸し出すと、借主と住民がトラブルを起こしやすくなります。
そもそも住民が密集したエリアでは、それほど多くの需要を期待できないでしょう。