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【衝撃の事実】消費税は直接税だった

税金の種類は、大きく直接税と間接税の2つに分けられます。
また、私たちの生活にも馴染み深い“消費税”は、代表的な間接税として有名ですが、実はこちらは直接税に該当するものだと言われています。
今回は、なぜこのように言われているのかについて、詳しく解説したいと思います。

直接税と間接税の違い

まず、直接税と間接税の違いについて簡単に解説します。
直接税とは、税を納めるべき人と負担する人が同じ税金を指します。
例えば、所得税は個人の所得を10種類に分け、それぞれの所得を計算し、その結果をもとにして税額を求め、本人がその金額を納税します。
一方、間接税とは、税を納めるべき人と負担する人が異なる税金のことをいい、消費税はこれまで代表的な間接税の1つとされていました。
消費税を負担するのは消費者であるものの、実際に消費税の申告や支払いをするのは、消費者に商品を販売したり、サービスを提供したりした事業者となります。

間接税は“消費者または利用者”に課される税金

代表的な間接税の1つに、入湯税というものがあります。
こちらは、消費者が事業者の提供する温泉に入った場合に支払いを求められる間接税であり、金額は大体150円程度となっています。
また、入湯税法には、「鉱泉浴場における入湯に対し、入湯客に入湯税を課すものとする」という記載があります。
つまり、入湯税の実際の負担者は消費者であることが、明確に記載されているということです。
その他でいうと、ゴルフ場利用税も同じ仕組みです。
ゴルフ場利用税は、ゴルフ場の所在する都道府県が、ゴルフ場を利用するプレイヤーに課す税金です。
法律には、入湯税と同じように、「ゴルフ場の利用に対し、その利用者に課する」と記載されています。

なぜ消費税は直接税なのか?

先ほども少し触れたように、間接税としての消費税は、商品を購入したり、サービスを受けたりする消費者が負担し、事業者はその申告、支払いを行います。
しかし、消費税法には、消費税の納税義務者について、「事業者は国内において行った課税資産の譲渡等につき、この法律により消費税を納める義務がある」としか記載されていません。
ここで注目したいのは、入湯税やゴルフ場利用税などと違い、「実際の負担者は消費者である」と明記されていない点です。
つまり、消費税は消費者に納税義務があるわけではないということです。
法律により、納税義務者が事業者であることのみが明確にされている以上、他の間接税とは仕組みが異なるため、消費税は事業者が直接納める税金、つまり直接税に当てはまるということになります。

国税庁が定義する消費税の納税義務者

国税庁のホームページに記載されている“タックスアンサー(よくある税の質問)”における消費税の定義には、納税義務者について以下のように記載されています。

「国内取引の場合には、事業者は非課税取引を除き、事業として対価を得て行う資産の譲渡や貸付、役務の提供について消費税の納税義務を負うことになっています。」

先ほども解説したように、やはり納税義務者は事業者だということしか記載されていません。
そればかりか、上記の文章の下には念を押すように、「このように、国内取引の消費税の納税義務者は事業者ですから、事業者でない者に納税義務はありません」と続けられています。
つまり、消費税=直接税という認識は、正式な定義をもって認められる事実であるということです。

過去の裁判では“消費税=預り金”ではないことが証明されている

間接税としての消費税は、消費者がその金額を負担し、事業者はそれを預かって納税しているという認識です。
こちらの理論でいうと、消費税は消費者からの預り金に近い性格を持っているように思いますが、実際はそうではありません。
1989年の消費税導入時に、とある裁判がありました。
その内容は、年商3,000万円以下の事業者は免税事業者ということで、消費税を免除されているのに対し、「それは消費者から預かった消費税を事業者がネコババしていることになるから横領だ、益税だ」という考えを持ったサラリーマンが、東京と大阪で裁判を起こしたというものです。
また、裁判の結果は原告の敗訴であり、判決理由としては、「消費者は消費税の実質的負担者ではあるが、消費税の納税義務者であるとは到底言えない」「消費税の徴収義務者が事業者であるとは解されないため、消費者が事業者に対して支払う消費税分は、あくまで商品や役務の提供に対する対価の一部としての性格しか有さない」とされています。
つまり、事業者は預り金として消費者から消費税分を預かっているわけではなく、あくまで商品やサービスの付加価値として、ある程度の金額を受け取っているということになります。

まとめ

ここまで、消費税=直接税と言われている理由について詳しく解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
間接税は、納税義務者とその負担者が同一であり、なおかつそれぞれ明確に法律で定義されているものです。
一方、消費税は納税義務者しか明確になっていない以上直接税であり、こちらを消費者が負担し続けているという現実は、不透明であり非常に闇が深いと言えます。

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