不動産売却において発生する忘れがちな費用とは?
不動産を売却すれば、売主は売買代金を得ることができます。
しかし、「売買代金がいくら手に入るのか」ということばかり考えていると、「どのような売却費用がかかるのか」への意識が薄れてしまうため、注意しましょう。
ここからは、不動産売却で発生する忘れがちな費用をいくつかピックアップしたいと思います。
不動産売却で発生する忘れがちな費用6選
以下の費用は、不動産売却の際についつい忘れがちになるため、注意してください。
・印紙税
・書類の取得費用
・不用品の処理費用
・転居費用
・登記費用
・ハウスクリーニング代
印紙税
不動産売却にかかる忘れがちな費用としては、まず印紙税が挙げられます。
こちらは、契約書や領収書などの文書を作成した場合に、印紙税法に基づいて課税される税金です。
印紙税は、“税”という名称が付いているものの、他の税金のように納付書等で納めるわけではありません。
売却する不動産の価格に応じた額の印紙を契約書に貼り付ければ、それで納税は完了します。
また、売却価格とそれに応じた納税額は以下の通りです。
売却する不動産の価格 印紙税額
~100万円 500円
~500万円 1,000円
~1,000万円 5,000円
~5,000万円 10,000円
売却価格が高ければ高いほど、当然税額は大きくなるため、高額な不動産売買契約を結ぶ売主ほど、前もって金額を確認しておかなければいけません。
書類の取得費用
不動産を売却する際には、たくさんの書類を用意する必要があります。
このとき、取得する場所、手元に届くまでの期間などを気にする売主は多いかと思いますが、取得費用を気にしている方はあまりいないでしょう。
例えば、各自治体や法務局で取得する書類に関しては、1枚につき300~400円程度かかります。
また、耐震証明書など、検査を行ってもらった上で発行される書類は、検査費も込みで取得費用となるため、前もって確認しておきましょう。
後回しにしていると、不動産売却が滞ってしまう原因になります。
不用品の処理費用
不動産売却時には、基本的に売主がいらないものをすべて処分し、何も残っていない状態で物件を引き渡します。
そのため、不用品の処理費用は、当然売主が負担することになります。
こちらも、不動産売却にかかる意外な費用の1つです。
例えば、家具や家電を捨てる際のゴミ処理券費用や、業者に引き取ってもらうための費用などが該当します。
ただし、これらの費用は、印紙税や書類の取得費用とは違い、場合によっては節約できる可能性があります。
買主に「家具や家電をそのままにしてほしい」を依頼された場合は、当然処理する必要がなくなりますし、比較的新しいものであれば、「買い取らせてほしい」と言われる可能性もゼロではありません。
もちろん、売主にも転居先での生活があるため、買主からの家具、家電の買い取り依頼にすべて応じる必要はありません。
転居費用
“不動産を売却すること=ゴール”という考えを持ってしまっている方は、転居費用を計算に入れるのを忘れがちであるため、注意しましょう。
今住んでいる不動産を売却すれば、売主は当然住まいを失うため、新しい住居に引っ越すための費用は必要不可欠です。
また、売主は状況によって、2回分の転居費用を用意しなければいけないことも考えられます。
こちらは不動産売却後、新築物件に住み替えを行う場合に起こり得ることです。
具体的には、売却時点でまだ新居が完成していないがために、それまで仮住まいに住まなければいけないケースが該当します。
もちろん、転居費用は時期によって大きく金額が変動するため、2回引っ越しを行う場合、なるべく業者の繁忙期は避けるようにしましょう。
登記費用
不動産売却時にかかる登記費用とは、主に抵当権抹消登記の費用を指しています。
不動産に設定された抵当権は、たとえローン残債がなくなったとしても、勝手に消滅することがありません。
売主が費用を負担し、手続きを行った上で抹消する必要があります。
また、抵当権抹消登記にかかる費用自体は微々たるものですが、基本的には売主自身が抹消することはありません。
その道のプロフェッショナルである司法書士に依頼し、代わりに抹消してもらうのが一般的です。
つまり、不動産売却時にかかる登記費用には、司法書士への依頼料も含まれているということです。
ちなみに、その金額は数万円程度になることもあります。
そのため、抵当権抹消登記にかかる費用よりも、むしろこちらの費用を意識しておくべきだと言えます。
ハウスクリーニング代
不動産売却前には、リフォームやリノベーションを行わず、シンプルな間取りを維持することで、買主の幅が広がりやすくなります。
ただし、できる限り綺麗にしておく方がイメージは良くなるため、ハウスクリーニングは行うべきです。
また、住宅におけるキッチンやレンジフード、バスルームやトイレなど、全面的にハウスクリーニングを行う場合には、5~10万円程度の費用がかかります。
こちらの費用も、あらかじめ計算に入れておきましょう。
まとめ
不動産売却を成功させるには、いかに想定外をなくせるかがポイントになります。
例えば、「想定外の瑕疵が見つかった」「想定していたよりも売却期間が長くなった」というようなことです。
また、こちらはもちろん、費用に関しても言えることです。
想定外の費用が必要になると、一気に不動産売却の計画が狂う可能性もあるため、注意してください。