相続時の注意点を不動産の種類ごとに解説します!
一口に不動産といっても、一戸建てやマンション、はたまた建物が存在しない土地など、その種類はさまざまです。
また、不動産相続の注意点は、どんな種類の物件を相続するのかによって変わってきます。
ここからは、上記各不動産の相続における注意点を解説しますので、今後相続の可能性がある方は参考にしてください。
一戸建て相続時の注意点
亡くなる直前まで被相続人が住んでいた一戸建て、あるいは生前からすでに空き家となっていた一戸建てを引き継ぐケースは、不動産相続において非常に多いです。
では、一戸建て相続時の注意点には、一体どんなことが挙げられるでしょうか?
相続方法について
被相続人が遺したのが一戸建ての場合で、相続人が複数のときは、以下から相続方法を選ぶのが一般的です。
・代償分割
・換価分割
複数の相続人がいる場合、基本的には“現物相続”を選ばないようにしましょう。
なぜなら、土地だけの場合と違って、均等に分けるのが難しいからです。
また、共有は形としては均等な相続のように見えますが、二次相続が発生したときのことを考えるのであれば、選択すべきではありません。
ちなみに、相続人が1人の場合は、もちろんそのままの形で引き継げます。
配偶者居住権について
“配偶者居住権”は、残された配偶者が、被相続人の所有していた物件(夫婦共有物件)に居住していた場合で、一定の要件をクリアするときに、被相続人の死後も賃料の負担なく住み続けられる権利です。
しかし、これは設定手続きが複雑な上に、一度設定すると解除しない限り、第三者に相続した一戸建てを売却できなくなるため、慎重に設定しましょう。
マンション相続時の注意点
被相続人が不動産投資を行っていた場合、セカンドハウスを持っていた場合などは、マンションを相続することもあります。
では、マンション相続時の注意点にはどんなことが挙げられるのかを見てみましょう。
相続方法について
相続人が複数いる場合、マンションも一戸建てと同じく、基本的には現物分割、共有以外の2つの方法で相続します。
理由も一戸建てと同様です。
ちなみに、ここで言うマンションとは一棟マンションではなく、部屋単位で所有する区分マンションを指しています。
築年数について
マンションの相続時に注意したいのは、その物件の“築年数”です。
マンションの場合、相続によって賃貸物件のオーナーという立場を引き継ぎ、そのまま相続人が継続して不動産投資をするというケースも多いですが、相続時すでに築年数が数十年以上経過すると、その後少しずつ需要や利益は減少していきます。
また、マンションを相続すれば、相続人は管理費や修繕積立金も支払わなければいけないため、賃料収入が減ると赤字になる可能性も高くなります。
よって、マンションを相続する際は、まず築年数をチェックし、今後収益性が期待できないと判断される場合は、早めに売却することをおすすめします。
土地相続時の注意点
最後は、建物が存在しない土地を相続する際の注意点です。
被相続人が遊休地などを所有している場合は、建物がない状態で引き継ぐことも考えられます。
相続方法について
建物が建っていない土地を複数の相続人で引き継ぐ場合は、一戸建てやマンションとは違い、現物分割も選択肢に加えて良いでしょう。
これは、建物がある状況よりも、比較的分割しやすいことが理由です。
例えば、2人の相続人がいる場合、土地をそのまま2筆にすれば、均等に分けることができます。
つまり、1つの広い土地を、2つの小さい土地に変えて相続するというわけです。
ただ、共有してしまうと、今後まだまだ使い道があるはずの更地が、急に制限の多い土地になってしまうため、注意が必要です。
代償分割について
建物が建っていない土地を複数人で引き継ぐ際、現物分割、代償分割、換価分割の中から選べるという話をしました。
しかし、土地の場合は建物ありの場合と違い、価値が変動しやすいです。
そのため、代償分割では後々トラブルに発展する可能性もあるため、実践するならそれはある程度頭に入れておきましょう。
具体的には、代償分割で均等な分割をした後、思いの外土地の価格が上昇し、土地を取得していない相続人に不満が出るというトラブルです。
例えば、2,000万円の土地を引き継いだ相続人は、土地を取得していない別の相続人に2,000万円を支払うことで、代償分割が成立します。
ただ、その後土地の価格が高騰し、3,000万円で売却できた場合、土地を取得した相続人の方が実質得をすることになります。 一度均等な相続をした後のため致し方ないのですが、このようなことが起こる可能性はあります。
まとめ
ここまで、相続時の注意点を不動産の種類ごとに解説してきましたが、いかがでしたか?
相続はある日突然発生する可能性もあるため、今回解説したことに関しては、早めに把握しておくに越したことはありません。
また、資産家の両親などを持つ方は、数種類の不動産を相続する可能性もありますので、より周到な準備をしておかなければいけません。