底地(貸宅地)では、性格の違うさまざまな金銭が発生します。
また、各金銭には相場も存在していて、底地(貸宅地)の地主様や借地人様は、それを知らずして日々を過ごすわけにはいきません。
ここからは、底地(貸宅地)で発生する金銭について、1つ1つ細かく見ていきたいと思います。

底地(貸宅地)で発生する金銭は主に6つ

底地(貸宅地)で発生する金銭は、主に以下の6つです。

①地代
②権利金
③更新料
④土地明渡料(立退料)
⑤譲渡承諾料
⑥増改築・建替承諾料

では、これら金銭は、具体的にどういうものなのかを見ていきましょう。

①地代

借地人様が、底地(貸宅地)の地主様に土地の使用料として支払う金銭が“地代”です。
その金額は、土地の価格や税金、近隣の地代など、あらゆる事情が絡み合って決定します。
また、長い間継続している借地契約の場合、過去にどのような理由で賃料が改定されたのかについても、価格に大きな影響を与えます。
ちなみに、地代の相場は、固定資産税額のおよそ3~5倍となっています。
固定資産税額を基準にする簡易版の地代算定方式である“公租公課倍率法”を用いることで、簡単に算出できます。
しかし、新規に借地権を設定する場合は注意が必要です。権利金の授受がない底地(貸宅地)の場合、税務上のルールを当てはめて、更地価格の6%を地代とするケース(相当の地代)もあります。一方で権利金を支払う場合は、底地価格の6%を地代の年額とします。

②権利金

借地契約の際、借地権を設定する対価として、借地人様から底地(貸宅地)の地主様に対して支払われる金銭が“権利金”です。
借地契約が終わっても、借地人様に返還されることはありません。
ちなみにですが、あまり一般的ではないものの、底地(貸宅地)でも発生する場合がある保証金、敷金などの金銭には返済義務があるため、これらは権利金とはまったく別の性質の金銭だという認識でOKです。
また、権利金の相場は、借地権相当額相当ともいわれていて、非常に大きな金額となっています。
親の借地に子の名義で建物を建てる場合、親子間で借地権の贈与があったとみなされ、思わぬ税金の贈与税の支払い義務が発生することがあります。従って、この場合は「借地権の使用貸借に関する確認書」を税務署に提出すると良いでしょう。。

③更新料

借地契約を更新する際、借地人様から地主様に支払われる金銭が“更新料”です。
更新時、更新料を支払いをもって更新するということは一般的ではありますが、必ずしも更新料の支払いが義務となるわけではありません。土地賃貸借契約書の中に、更新料の価格まで具体的に記載がなければ更新料の支払い義務はないという見方が強いです。
ただ、更新料を支払うことで借地人様は地主様とのトラブルリスクを下げられます。
また、地代が安いことの対価として、更新料を求められたときは支払おうと考える借地人様も多いようですね。
ちなみに、更新料の相場は、借地権価格の5~10%程度とされています。この目安を参考に更新料を取決め交渉をすると良いでしょう。

④土地明渡料(立退料)

底地(貸宅地)において、地主様の要請に応じた借地人様が土地を明け渡す際に、対価として支払われる金銭が“土地明渡料(立退料)”です。
今回解説する底地(貸宅地)関連の金銭の中では、唯一地主様から借地人様に対して支払われるものですね。
また、土地明渡料の金額は、実際の交渉あるいは裁判では、多くの事情を元に算定されますので、土地明渡料に関しては、相場は存在しないといっても過言ではないでしょう。

⑤譲渡承諾料

底地(貸宅地)における借地人様が、第三者に借地権を譲渡しようとする際は、地主様に許可をもらわなければいけませんが、このとき許可をもらうことへの対価として、地主様に支払う金銭が“譲渡承諾料”です。
無断で譲渡すると、借地契約は解除されてしまうため、借地人様は注意が必要です。
また、譲渡承諾料の相場は、一般的に借地権価格の10%程度とされています。
したがって、比較的簡単に算定できそうなものですが、実際は借地権の評価額で見解が分かれることも多く、すぐには算定できないことも珍しくありません。
その場合は、譲渡承諾料を裁判所が定めるという手続きを利用することもあります。
また、相続で法定相続人が相続する場合には地主様の承諾は不要で承諾料の支払いも不要ですが、遺贈で法定相続人以外に相続させる場合は、地主様の承諾が必要で、承諾料の支払いが必要になる場合があります。

⑥増改築・建替承諾料

底地(貸宅地)における借地人様が、底地(貸宅地)上の建物を増改築するときは、地主様から承諾をもらう必要があり、このとき借地人様が地主様に支払う金銭が“増改築承諾料”です。
しかし、土地賃貸借契約書に“増改築禁止特約”が設けられていない場合には、地主様の承諾や承諾料は不要ということになります。
また、増改築承諾料の相場は、更地価格の3~5%となっています。
もっと細かくいうと、全面改装の場合で更地価格の3%、床面積が増加する、居住用から賃貸用に変えるなど、建物の利便性や収益性が大きく上がる場合で3~5%ですね。
逆に、建物の一部だけの改築であれば、標準的な相場よりも金額は下がり、更地価格の1~3%に収まることもあります。
しかし、例外として、木造から鉄筋コンクリート造への変更など、堅固建物への変更(借地条件変更)をする場合は、更地価格の10%まで相場が跳ね上がります。

まとめ

ここまで、底地(貸宅地)で発生する主な金銭の詳細を見てきましたが、いかがだったでしょうか?
借地人様や地主様の中には、これまで知らなかった情報が見つかったという方もいるのではないでしょうか?
今回ご覧いただいた通り、底地(貸宅地)に関する金銭には膨大なルールがあり、これらをすべて覚えないことには、地主様も借地人様も十分なリスクヘッジを取ることができません。