借地契約が満了したとき、借地を使わなくなったときなどは、借地を地主様に返却することになります。
ただ一口に借地を返却すると言っても、その方法は1つではありません。
したがって今回は、借地を返却する方法と、一般的な返却手続きの流れについて解説したいと思います。

借地を返却する方法について

借地を返却する方法には、“更地にして返却する”という方法と、“建物を残して返却する”という方法の2つがあります。
それぞれ具体的に解説しましよう。

・更地にして返却する
文字通り、借地に建っている建物を解体し、更地の状態で借地を返却するという方法です。
この方法を選択する場合は、借地を返却する前に解体の手続き、解体を済ませる必要があり、解体にかかった費用は原則借地人様が負担します。
また解体の手続き、実行には数ヶ月を要することもあるため、この方法を選択するのであれば、数ヶ月前から動き出しておく必要があります。

・建物を残して返却する
借地に建っている建物を解体せず、残した状態で借地を返却するという方法です。
この方法を選択する場合、借地上の借地権、建物を地主様に買い取ってもらうことができます。
借地人様には、地主様に借地の建物を買い取ってもらえる権利(建物買取請求権)があり、地主様が契約を更新してくれない場合、または契約を解除する場合に、この権利を行使できます。
ただ借地人様が地代を支払っていなかったり、他に契約違反をしたりしている場合、この権利は行使できません。

一般的な借地の返却手続きの流れ

借地の返却手続きは、一般的に以下のような流れで進めていきます。

①地主様への相談
借地の返却手続きは、まず地主様への相談からスタートします。
具体的には、まず借地契約は更新してもらえるのか、更新がない場合に借地権や建物は買い取ってもらえるのか、または返却の際、更地にする必要はあるのかなどについて相談します。
またもし更地にしないと返却できない場合は、更地にして返却する期限について交渉し、地主様との合意の上で期限を決定します。
地主様に相談せず、許可がないまま建物の解体などを行うと、トラブルに発展してしまうおそれがあるため注意しましょう。

②解体業者選び、解体の実行
契約が更新されない場合以外は、基本的に更地にして借地を返却することになるため、この場合は解体業者を選ぶ手続きをし、解体を実行します。
また先ほど解説したように、解体にかかる費用は原則借地人様が負担するため、複数の業者を比較し、なるべく良心的な費用で解体を行ってくれる業者を選びましょう。
そして解体業者が決定した後は、近隣に挨拶回りを行い、振動や粉塵によって迷惑をかけるかもしれない旨を伝えます。

③登記
建物を解体し、更地の状態で借地を返却しても、まだ返却手続きは完了ではありません。
借地を返却した後は、“建物滅失登記”の手続きをする必要があります。
これは簡単に言うと、借地に建っていた建物が解体されたことを証明するための登記で、この登記を忘れると、後々さまざまなトラブルが起こります。
例えば、すでに解体されている建物に固定資産税が課税されることも考えられます。
また登記上、まだ建物が建っていることになっているため、返却された地主様はその土地を売ったり、賃貸したりすることができない可能性があり、そうなると大きなトラブルに繋がってしまいます。

まとめ

借地を返却する方法、そして一般的な返却手続きの流れについて解説しました。
借地の返却は、更地にして行うのが基本ですが、特定の条件を満たしている場合は、建物を残したまま返却し、地主様に借地権や建物を買い取ってもらうことができます。
ただどちらの方法で返却する場合でも、必ず事前に地主様と話し合いをする場を設け、後腐れなく返却できるように心掛けましょう。