現在利用していない土地などを貸すときは、地主様と借地人様との間で賃貸借契約を結ぶことになります。
そうすることで、毎月地代という収入を得ることになるのですが、実際に契約を結ぶ際にはいくつかの点に注意しなくてはいけません。
注意するべき点について、紹介します。

地主様が注意するべき点

土地に対する賃貸借契約では、話し合いがあるにしても最終的には地主様が条件を決めて、借地人様がその条件で契約を結ぶ、ということになります。
その際に、地主様が気を付けるべき点はどのようなことか、解説していきます。

まず、土地を貸すことで毎月地代を受け取ることになるのですが、その地代をどうやって決定するか、という点です。
地主様と借地人様がお互いに納得できるなら問題ないように思えるかもしれませんが、根拠がない言い値で設定してしまうことは、将来的にトラブルへとつながる可能性を含んでしまいます。

地代については、双方の希望とともに周辺での相場や取引実績などを参考にして、適正な価格を決定するべきです。
もしもそうしないでどちらかの希望に沿った価格にしてしまった場合、それが適正価格よりも低ければ地主様が損をすることになり、今はよくても将来的にはその支出が収入よりも大きくなったりする可能性があります。

地代を決定する際には、まず周囲で同じような契約をした際の取引実績や、土地を貸す際の相場などをしっかりと調べてから決定しましょう。
また、当人同士で決めるのではなく、第三者となる弁護士などに仲介を依頼することで、トラブルを予防することができます。

土地の賃貸借契約というのは、たとえ口約束であっても原則として成立するもので、その場合も法律上は契約書を交わしているのと同等の効力を発揮します。
ただし、借地契約の内容によっては必ず契約書を交わすように定められています。

ただ、将来的に何かあってトラブルが生じた時に、速やかに解決するためにはやはりどのような場合でも契約書を交わしておくべきでしょう。
正式に契約書を交わしていれば、裁判所でそれが契約合意の証拠として認められるため、トラブルもそれに基づいて解消することができます。

その作成には、地主様だけではなく借地人様の意見も聞いて契約内容を決めなくてはいけません。
どのような点を決めればいいのでしょうか?

まず、誰が借りるのか、という点は明確にしておく必要があります。
そうしなければ、貸したはずの相手とは違う人が実際に利用していたとしても、そのことで責任を問うのが難しくなってきます。

また、どこまでを借地として貸すのかを明確にしておかなくてはいけません。
これは、文章だけで示すのは困難だと思われるので、測量の結果に基づいて記すか、もしくは略図などを添えることになるでしょう。

その土地をどう使用するか、という点もきちんと決めておきましょう。
特に、住宅の建材については、借地権の期間にも関係してくるので、明確にしておきましょう。
同時に、それが居住用なのか、もしくは賃貸用なのかという点や、何階建てとなるかも決めておきましょう。

地代についても、その金額や支払い方法、支払うタイミングなどを契約書に明記しておきましょう。
また、賃貸借契約における権利金についてもはっきりとしておきましょう。

契約書では、基本事項のほかに特約なども定めることができます。
特に借地でトラブルとなることが多い、無断での増改築を防ぐために、借地の建物を増改築する場合は地主の許可が必要という特約を決めておくことで、無断で増改築を行った場合は借地契約を解除することができるようになります。
それに合わせて、承諾料が必要な旨も記しておくといいでしょう。

契約を解除する際の取り決めについても、土地を更地として返還するのか、それとも建物を残して返還し、建物を買い取ってもらう形にするか、という点をはっきりと記載しておきましょう。

賃貸借契約の更新についても、その有無を明確にしておかなければ、自動的に更新されてしまうことになります。
いつまでも借地のままになってしまうと困ることがあるので、建物を建てるのであれば一般定期借地権での契約にして、期限を定めてしまったほうがいいでしょう。

契約の更新については、通例では更新料が必要となるのですが、契約書に明記しておいた方がトラブルとはならないので、契約更新の際は更新料が必要ということを記載しておきましょう。

公正証書は一般的な契約書とどう違う?

通常、土地の賃貸借契約の契約書というのは当人同士が個人的に作成するか、もしくは不動産業者などに依頼して作成してもらい、契約を結びます。
もしもどちらかがその契約書の内容に反したことを行った場合は、裁判所にその契約書を提出してそれに基づいた判決を下してもらうことになるのです。

しかし、一般的な契約書の他にも、公正証書による契約というものがあります。
この場合の契約は、一般的な契約書での契約とはどのような違いがあるのでしょうか?
その違いについて、解説します。

公正証書を作成する場合は、元弁護士などが公証人として立ち合い、当事者が申し立てる内容に従って作成することになりますが、その内容は一般的な契約書よりもさらに法的な効力が強いものとなります。

その内容に強制執行認諾約款というものを入れておくと、もしもその内容に違反した場合は、裁判所による強制執行を行うことができます。
これがあると、裁判所でいちいち審議を行って判決を下してもらわなくても、違反したことが明確であれば強制執行が可能となるのです。

これが抜けていると、たとえ公正証書であってもその内容に違反したからといって、協定的に何かをすることはできません。
その場合は、あくまでも判決を必要とするのです。

公正証書にする違いとしては、この点が最も大きいものとなるので、契約違反に対して断固たる処置をとりたい場合は必ず公正証書での契約をして、この文言を忘れずに入れておくようにしましょう。

借地人様としっかりコミュニケーションをとることが重要

人のかかわりが薄くなったといわれている現在は、アパートなどに入居しても大家さんと顔を合わせることなく過ごすのが当たり前となっています。
しかし、借地の場合はそういうわけにはいきません。

土地を貸す場合、その期間は基本的に数十年にも及びます。
もしかしたら、親子2代では終わらず3代での付き合いとなるかもしれないのです。
そのような関係となるのですから、お互いにきちんとコミュニケーションをとっていかなければ、必要な時に必要な要求などができなくなるでしょう。

今では地代の支払いも、振り込みが当たり前となっています。
そのため、顔を合わせることは少なくなるでしょうが、それでも道で会った時にはきちんと挨拶をかわして気兼ねなく話ができるような関係性を築くことを心がけましょう。

相続などが関わってくると、地主様が遠方に住んでいることもあります。
しかし、年賀状を毎年欠かさず送るだけでもある程度の関係性を保つことはできるので、トラブルなどが生じた時速やかに解消できるよう、何らかのコミュニケーションは保つようにしましょう。

まとめ

土地を誰かに貸す場合、その契約は数十年にわたって続くことになります。
そのため、契約を結んだ当事者同士はよくてもお互いに代替わりを経ることで、契約内容についてトラブルとなることがあります。
そういったトラブルを防ぐために、契約内容については口約束ではなく、きちんと契約書を作成して契約を結び、できれば公正証書にしておくことを心がけましょう。
また、お互いにコミュニケーションをとることで、トラブルとなる前に話し合いで解決しやすい関係を整えておきましょう。