建物というのは、実に多種多様なものが存在します。
ビルや一戸建て、アパート、マンション、倉庫など様々な建物がありますが、実は建物というのはどんなものでも自由に建てていいわけではなく、色々な制限や規制が存在しています。
今回は、その中でも特に高さ制限に関係する、北側斜線制限日影規制というものを解説していきます。

規制や制限を定めているのは?

そもそも、建物を建てる際の規制や制限などは、どのように定められているのでしょうか?
まずは、その制限を定めている法律について解説していきます。

建築物における制限や規制を定めている主な法律は、建築基準法というものと都市計画法というものの2つがあります。
この2つについて、簡単に説明していきます。

まず、建築基準法というのは、1950年に制定された法律であり、建築物の安全性や安定の基準について最低限守らなければいけない基準を定めているものです。
その内容は、法律と施行令、施行規則という3つによって構成されていて、さらに法律には別表というものもあります。

別表というのは、法律によって定められている内容を補ったり、法律が制定されてから新たに定められた法律を追加したりすることを目的としたものです。
今回開設する日影規制や斜線制限の基準に関しては、この別表に記載されています。

もう一方の都市計画法というのは1968年に制定された法律であり、計画的に都市を整備していく事を目的として定められたものです。
その中で、日本の国土は都市計画区域と順都市計画区域、そしてそれ以外の区域の3つに分けられています。

このうち都市計画区域については、市街化区域という施設や建物を整備することを目的とした地域と、市街化調整区域という環境の保全を目的とした地域に線引きされていて、さらに市街化区域は住居系と商業系、工業系の3つに細かく分けられています。

この中でも、住居系の地域が高さ制限について細かく定められている地域であり、その制限によって低層住居専用地域と、中高層住居専用地域の2つに分けられていて、さらにその中でも細かい分類があります。

低層住居専用地域というのは、一般的な一戸建てなどが建てられる地域のことであり、その中でも第一種低層住居専用地域の場合は、住居の他にも住居兼用の小規模店舗や、小学校・中学校、及び診療所などに限り建築が可能となっています。
この地域については、建物の高さが10メートル、地域によっては12メートルを越えない住居が建築可能と、都市計画法で定められています。

それよりもいくらか規制が緩和され、延べ床面積が150平方メートル以下で2階建て以下の小規模な店舗に限り、住居を兼ねていなくても小売店や飲食店などを建設することが認められている地域のことを、第二種低層住居専用地域といいます。
この地域では、他にも公衆浴場や福祉施設、診療所のような公益上必要と認められる建築物の建築も認められています。

もう一方の中高層住居専用地域は、高さ制限がいくらか緩やかな地域のことであり、高層マンションは無理ですが5階建て前後のマンションが立ち並んでいる地域のことをいいます。

低層住居専用地域と同様に第一種と第二種があり、容積率次第では4階建てから5階建てくらいのマンションなら建設可能、という地域で在り、警察署や郵便局、保健所、病院、学校などの公共において必要とされる建物も建築することができます。
ただし、店舗の建設については高さに制限があります。

延べ床面積については、第一種の場合は500平方メートル以内、第二種の場合は1500平方メートル以内という決まりがあり、さらにこの地域については建築基準法によって、日影が落ちる時間の制限や斜線制限なども定められています。

制限や規制について

それでは今回解説する、北側斜線制限と日影制限について解説していきます。
これらの制限については、基本的に低層住居専用地域と中高層住居専用地域を対象としたものであり、商業系や工業系の地域については対象外となります。

住居系地域において、日照を確保するための制限となっているのが北側斜線制限です。
これは、建物の北側における高さを制限するものですが、自宅の敷地における地盤面が北側にある隣地のそれよりも1メートル以上低いと認められた場合は、この制限を緩和する措置を取ることが認められています。

耐用が出ている時間に、中高層建築物によって出来る影が敷地内に存在する時間を制限することで、マンションをはじめとした中高層建築物の周辺の敷地が日影になってしまわないようにするのが、日影規制です。

これは、地域の地形や気候、日照時間などが異なることから、日本全国で一律の規制となっているわけではなく、都道府県単位や市区町村単位でその条例が定められています。
低層住居専用地域の場合も、軒の高さが7メートルを超えている場合はこの規制の対象となります。

このような規制や制限があるので、もしも自分が所有している土地に建物を建てようと考えているのであれば、その高さには十分な注意が必要となります。
今回解説したもの以外にも、地域によって様々な規制や制限があるので、それに違反した場合は予定が台無しになるかもしれません。

まず、建物の建築に際しては地主様が指定確認検査機関か建築主事に対して、その土地においてこの建築物は建設可能かという申請をしなくてはならず、その申請を受けた機関や主事は、都市計画上の制限や建築基準法、土地の安全性などを確認して問題がなければ、建築が可能となります。

ただし、この許可には建物の高さなどが関係ないので、建物の高さについてはまた別途確認する必要があります。
時には、屋根の形のせいで斜線制限などの制限に違反してしまう可能性もあるので、充分に注意しましょう。

このような制限については、中々すべてを把握することは難しいでしょう。
場合によっては、5階建てのマンションを建設したいと思っていたのに、制限のせいで2階建てしか無理だった、という事にもなりかねません。

そうならないようにするには、まず計画の段階から専門家に相談して、この地域で建設可能な建物や、存在する規制などがあるかの確認をしておきましょう。
そうすれば、場合によってはその土地を売却して、その代金で他の土地を購入することで思っていたような建物を建てる、という選択肢も考えることができるでしょう。

土地というのは、自分のものだからといって自由にできるとは限らないので、その扱いには十分な注意と事前知識が必要となります。
後になってから、こんなはずじゃなかったという思いを抱かないようにするためにも、余裕を持って専門家に相談したり、細かく事前調査を行ったりしておきましょう。

まとめ

土地の活用を考えた時、その土地に何かの賃貸用物件を建てる事を考える地主様も多いでしょう。
しかし、土地のある場所によっては建築基準法や都市計画法によって色々な規制がある地域も多いので、もしかしたら自分が考えているような物件の建設は許可が下りないかもしれません。
色々と考えていたのに、計画がダメになってしまったという事態にならないように、計画を立てる際は必ず専門家に相談して、その地域にある規制や制限などを知り、その物件を建てることができるかを確認してみましょう。

 

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