地主様に地代の支払いを拒否された場合、借地権者様はそれを供託所に預けることができます。
供託を利用した場合、借地権者様は地主様に供託通知書を送付する必要があるのですが、これを受け取った場合、地主様はどのように対処したらいいのでしょうか?
その対処法などについて解説します。

地代を受け取るためには?

地主様の元に供託通知書が届くと、地主様は供託された地代を受け取ることができるようになります。
このときは、どのような手続きが必要になるのでしょうか?

地主様が、地代として預けられている供託金を受け取る場合は、還付請求という手続きを行います。
その際の手続きは、法務局で行われます。

手続きには、いくつかの書類などが必要となります。
その中で、供託物払い渡し請求書というものがあるのですが、この書類は法務局内にあるので、記載事例を参照しながら記入する必要があります。

また、手続きには実印が必要です。
実印なので、印鑑登録証明書も必要となるため、3か月以内に発行されたものを用意しておきましょう。

ただし、個人としての請求であり、本人が窓口を訪れている場合は、身分証明書として免許証などを用意している場合に限り、印鑑登録証明書は必要ないこともあります。
ただし、印鑑は必ず必要となります。

請求者が法人もしくは会社の場合は、法人としての登記事項証明書等の資格証明書が必要となります。
その場合は、3か月以内に発行したものでなくてはいけません。

また、本人以外が窓口で手続きを行う場合は代理人となるので、委任状も用意しなくてはいけません。
その際は、実印と印鑑登録証明書も必要となるので、忘れないようにしましょう。

供託所には、地主様の住所や氏名も記載されているのですが、その内容に変更があった場合はそのことを証明するために、住民票か戸籍抄本が必要になるでしょう。
手続きをするには、こういった書類を必要に応じて用意しなくてはいけません。

もしも、書類が不足してしまうと再度手続きに訪れなくてはいけなくなります。
そうなると二度手間となってしまうので、あらかじめ必要な書類についてよく確認してから手続きをしに行きましょう。

相続の場合

地代の供託というのは、何も地主様がその受け取りを拒否した場合に限られるわけではありません。
それ以外のケースとして見受けられるのは、相続に関連して行われることがあります。

なぜ、相続の際に供託所を利用するのかといえば、相続人がハッキリとしないケースがあるからです。
特に、被相続人が複数いるケースでは、誰に払えばいいのかがわからないため、供託所に供託金として納付したほうがいいこともあるのです。

その際の供託代金は、相続財産の一部として扱われることになります。
通常は、その後の関係も考えて借地となっている不動産を相続した人がその地代を受け取ることとなります。

供託金の返還請求を被相続人が行うケースでは、通常の手続きで必要となる書類に加えて、戸籍謄本などを要して地主様との間に血縁関係があることを証明できる書類を用意しなくてはいけません。

但し、相続人同士の話し合いが終わっていない状態で受け取ってしまうと、遺産相続の際にもめごとへとつながりやすくなります。
相続によって返還請求を行う場合は、必ず他の相続人との話し合いを怠らないようにしてください。

受け入れないという選択肢もある

借地権者様から地代を受け取ることを拒否されたとしても、地代が供託されて地主様へと通知されることで地代を未払いと見做すことはできなくなります。
しかし、地主様にとってはいきなり通知が送られてきた時点で驚くこともあるでしょうし、それで地代の支払いを認めて受け取れというのも一方的な話です。

しかし、地主様が供託金について、受け入れなくてもいい場合があります。
それは、例えば供託書に虚偽の報告があるケースなどが考えられます。
この場合は、供託自体をなかったこととして扱えるようになるのです。

どのような嘘があり得るかといえば、考えられるケースとしては地代を支払いに行ったが拒否されたと記載しているものの、実際にはそのような事実がなかったというケースや、地代の値上げを要求されたためとあるものの、本当は値上げの話がないケースなどが考えられます。

このようなケースでは、地主様は供託自体をなかったものとして扱うことができるので、改めて借地権者様へと地代を請求し直すことができます。
もしもそれで地代が支払われなければ、それは地代が未払いとなったとして扱うことができるので、地主にはその借地に関する賃貸借契約を解除できるようになるのです。

問題の解決につながることも

供託所を利用するということは借地権者様にとっても面倒な事であり、それを受け取りにいかなくてはいけない地主様にとっても面倒なものです。
双方ともに面倒が増えるということで、あまり歓迎する人もいないでしょう

その面倒なことが嫌で、どちらかが条件面で折れるというケースも少なくありません。
お互いに納得のいくラインを探るための協議は必要になるでしょうが、一度このように面倒な手続きを経験した後であれば、お互いにそれ以上の面倒を避けるために歩み寄る気になるでしょう。

この支払方法は面倒も多いのですが、お互いが歩み寄るきっかけになることも多いものであり、借地権者様にとっては地代を支払うことができないせいでピンチとならないように、自分を守るという意味もあります。

たとえ地主様が供託された地代を受け取らなくても、供託された時点で支払われたのと同等の意味を持つため、地主様が供託された地代の返還請求をしなくても地代が未払いとして借地の賃貸借契約を解除することはできません。

いくら拒否をしても、借地権者様がきちんと供託について理解し、正しく供託を行っていれば地主様にとっては得をするような状況とはなりません。
それよりも、早急に話し合いの場を設けた方が建設的であり、これ以上面倒なことも必要なくなるので、問題の解決を目指す事をおすすめします。

まとめ

地主様が地代を受け取らなかった場合、借地権者様はそれを供託所に預けることができ、地主様には供託通知書が送られることになります。
そうなった場合、地主様は供託所で手続きをしなければ地代を受け取ることができなくなります。
ただし、供託というのは双方ともに手間がかかるものなので、お互いにその手間を嫌って話し合いができるようになることもあります。
供託を放置しても、ただ手間がかかるだけなので、早急に話し合うことを考えた方がいいでしょう。

 

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