借地権でよく起こる主なトラブルとは?③売買関係
借地権には、契約や更新の際のトラブルだけでなく、売買時のトラブルも多く存在します。
したがって今回は、借地権におけるトラブルの中から売買関係のトラブルをピックアップしたいと思います。
借地契約を結ぶ借地人様、地主様であれば、売買関係のトラブルについて知っておいて損はないでしょう。
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借地権でよく起こる売買関係のトラブル~競売時のトラブルについて~
借地権のある土地の上に、借地人様が住宅ローンを利用して建物を建てるというのはよくあるケースです。
ただ住宅ローンの返済が厳しくなると、借地権付きの建物は競売に出されることになります。
また競売に参加する第三者が、競売に出された建物を落札した場合、必然的に借地人様が変わることになります。
ただ地主様によって、第三者の落札による借地人様の交代が認められない場合、第三者は建物を購入しても新しい借地人様になることができません。
このようなとき、借地権付きの建物を落札した第三者はどう動くべきなのでしょうか?
建物を落札した第三者には必ず借地人様になれる
競売によって借地権付きの建物を落札した第三者には、新しい借地人様になる権利があります。
つまり、地主様は必ず借地人様の交代を認めなければいけないということです。
交代を認めないというのが、そもそもおかしな話だということですね。
もし地主様が頑なに借地人様の交代を認めないのであれば、借地権付きの建物を落札した第三者は裁判所に訴えることで、正式に権利を得ることができます。
ただ裁判所に訴えて裁判や調停に進んでしまうと、これから地主様と良い関係を築くのが難しくなります。
したがって、まずは新しい借地人様になる権利があることを主張し、地主様にその対応は間違っているということを伝えるべきでしょう。
借地権でよく起こる売買関係のトラブル~地主様が土地の所有権を売ってくれない場合~
借地人様が地主様に許可を得て、借地権を売却するというケースがあります。
ただ借地権には、何をするにも地主様に許可を得ないといけないという制約があるため、それだけで高く売却するのは難しいとされています。
したがって借地人様は、このような状況を打破するために、地主様から借地権が付いている土地の所有権を買い取ろうと考えます。
自分が所有権を持っている土地であれば、借地権だけで売却するよりも高く売れる可能性があるためです。
ただこのケースは、もちろん地主様が土地の所有権を売ってくれないと成立しません。
借地人様は、地主様が土地の所有権を売ってくれない場合、どう行動するのが適切なのでしょうか?
不動産仲介業者に仲介してもらうのが無難
地主様が土地の所有権を売ってくれない場合、借地人様が強制的に買い取ることは不可能です。
借地権が付いている土地は地主様の所有物のため、地主様が売りたくないと言えばそれに従うしかありません。
借地人様が説得しても許可してくれない場合は、借地権に精通している不動産仲介業者に仲介してもらうのが無難な方法と言えるでしょう。
不動産仲介業者によって、地主様から土地の所有権を買い取ってもらうことができれば、その後借地人様が不動産仲介業者から土地の所有権を買い取ることができます。
ただ地主様に土地の所有権を売却する意思が一切ない場合、不動産仲介業者に仲介してもらっても良い結果は得られない可能性が高いです。
まとめ
借地権でよく起こる売買関係のトラブルについて解説しました。
借地権には契約、更新、売買、相続など、さまざまなジャンルのトラブルが存在します。
ただ売買関係のトラブルは、通常通り借地人様が土地を利用し、地主様が土地を貸し出すという場合には起こることがありません。
それでも、いつ何時売買トラブルに巻き込まれるかはわからないため、前もって対処の仕方を知っておくことは重要です。