借主が地主から借りている土地を借地と言います。
ただこの借地における地主は、必ずしも個人や法人だけとは限りません。
借地には、国が保有しているものもあるのです。
つまり、借地における地主が国だということです。
あまりイメージができない方のために、借主にとっての利点と併せて解説しましょう。

借地を国が保有する場合って?

そもそも、借地を国が保有する場合とはどういうことなのか解説します。
借地を国が保有する場合とは、ほとんどの場合が以前の土地の保有者による“物納”によるものです。
税金を支払うことができない土地の保有者が、税金を支払う代わりに国に土地を納めることを物税と言います。
国に土地が納められるので、その土地が借地であれば、必然的にその借地の保有者は国になるということです。
以前の地主が個人であろうと法人であろうと、新しい地主(保有者)は国に変更されます。

借地を国が保有する場合、借主に利点はあるのか?

借地を国が保有する場合については、少し理解していただけたかと思います。
ただ借主が借りている借地を国が保有する場合、借主にはどんな利点があるのでしょうか?
1つ目に、“再契約料(更新料)が無料”という利点が挙げられます。
個人や法人との借地契約においても、借主は地主に必ず再契約料を支払う必要はありませんが、一般的には良い関係を築くために支払われているケースが多いです。
ただ借地を国が保有する場合、良い関係を築くという概念があまりないため、再契約料を支払わなくても問題ありません。
もう1つは、“争いごとが起きにくい”という利点です。
通常の借地契約は、個人の借主と個人の地主で交わされることが多いです。
個人間の借地契約は、少しお互いの意見が合わないだけで、争いごとに発展しやすくなります。
また1度崩れてしまった関係は、なかなか修復することができません。
借地を国が保有する場合、争いごとに発展することはほとんどありません。
地代も適切な額に設定されるので、借主が延滞なく地代を支払っていれば、全く問題ないでしょう。
そして最後の利点は、“売却がしやすい”という点です。
個人間での借地契約の場合、地主による借地権売却の許可が下りないなどの問題が発生しがちです。
借地を国が保有する場合は、定められた承諾料を支払うだけで、簡単に借地権を売却できます。
建て替えや増改築も同様です。

借地を国が保有する場合、借主が損をすることは?

借地を国が保有する場合、借主が損をしてしまうこともあります。
先ほど借地権の売却がしやすいという話をしましたが、借地を国が保有する場合、売却できるのは第三者のみです。
個人や法人の地主から借りている借地であれば、地主が借地権を買い取ってくれる場合もありますが、国は買い取ってくれません。
また国が保有する借地権を売却する場合、その買い手は住宅ローンを利用できません。
国が保有する借地に抵当権は設定できないため、買い手は必ず現金で借地権を購入する必要があります。
つまり売却がしやすいとはいえ、住宅ローンが組める借地と比べると買い手が多くないということになります。
もし買い手がなかなか決まらない場合は、国が保有する借地、借主が持っている借地権を同時に売却することをおすすめします。
土地まで購入者のものになるのであれば、例え現金でしか購入できなくても、多少買い手は見つかりやすくなると言えるでしょう。

まとめ

借地を国が保有するケース、そして借地を国が保有することによる利点などを解説しました。
個人や法人と借地契約を結んでいる場合とは、全く異なる内容であることがわかっていただけたかと思います。
ただ借地を国が保有するということは、現在の地主が個人または法人の場合でも、今後十分起こり得ることです。
自分が当事者になる前に、知識だけでも頭に入れておきましょう。

 

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