不動産建築時にかかる建物建築着工金、中間金について
不動産を購入する際は、すでに建築された物件を購入するか、新しく住宅を建築するかを選択します。
また、建築する場合、不動産会社だけでなく、ハウスメーカーや建築会社とも関わることになりますが、このとき発生するのが建物建築着工金、中間金といった金銭です。
今回はこれらの詳細について解説します。
建物建築着工金の概要
建物建築着工金は、一般的には着工金と略されるもので、注文住宅を建築する際、工事の着工時に、ハウスメーカーや建築会社に支払う工事代金の一部を指します。
建物の構造や工法、規模などにもよりますが、注文住宅の建築には数ヶ月程度かかることが多いです。
そのため、建築業界では、商習慣として工事の出来高に応じ、数回に分けて工事代金を支払うという形になっています。
建物建築着工金は、そのうちの1回です。
ちなみに、着工金は概ね工事着工のタイミングで支払うものですが、着工金の支払いを待って工事に着手するケースと、基礎工事の完了を目安に支払いを求められるケースがあり、どちらを採用するかはハウスメーカーや建築会社によって異なります。
そのため、トラブルが発生しないように、施主は契約締結前に、ハウスメーカーや建築会社と具体的なタイミングについて打ち合わせをしておく必要があります。
また、支払いのタイミングについては、工事請負契約書にも記載されています。
手付金と建物建築着工金の違い
前述の通り、建物建築着工金は、基礎工事の着工がされたときに、ハウスメーカーまたは建築会社に、工事代金の一部として支払うものです。
一方、手付金は、工事の請負契約時に支払うもので、契約が一時成立していることを明確にするために支払います。
つまり、これらの金銭は、支払うタイミングや目的が異なるということです。
また、後ほど解説しますが、手付金と着工金とでは、支払い金額の相場も異なります。
建物建築着工金の相場について
手付金の金額相場は、契約した住宅価格の5~10%程度が一般的ですが、建物建築着工金はもう少し金額が高い傾向にあります。
具体的には、住宅価格の30%程度が相場です。
また、着工時に神主を招き、地鎮祭を行う場合は、着工金とは別で費用が発生するため、注意が必要です。
地鎮祭は、新しく建物を建築する前に行う、敷地の平安と工事の安全を祈る儀式です。
新しくその土地に建物を建築すること、そしてそこに居住することを地主神に報告します。
こちらを実施するかどうかは、あくまで施主が判断するものであり、行わない場合でも、工事の関係者だけで地鎮祭の略式のような形で、安全祈願を行うことがあります。
ちなみに、地鎮祭にかかる費用には、主に神主への謝礼である初穂料、奉献酒代が挙げられます。
初穂料は2~5万円程度、奉献酒代は5,000円前後が相場です。
建物建築中間金の概要
建物建築中間金は、中間金と略されることが多い金銭で、注文住宅の建築時、上棟時にハウスメーカー、建築会社に支払うものです。
こちらも、着工金と同じく、工事代金の一部として支払われます。
上棟とは、建物の柱や梁など、構造躯体を組み上げる工事が完了したタイミングであり、古くはこのタイミングで上棟式を行い、工事を祝うケースがよく見られましたが、現在はその機会が減っています。
それでも、中間金という形で上棟を祝うという意味では、商習慣としてはまだ残り続けていると言えます。
建物建築中間金の相場について
建物建築中間金の相場は、先ほど解説した着工金と同じく、住宅価格の30%程度です。
また、近年は少なくなりましたが、上棟式をあわせて行う場合は、別に費用を用意する必要があります。
上棟式では、棟梁が棟木や祭壇に、御幣や棟札を飾ったり、家の四隅に酒や米、塩を撒いたりして、最後まで工事の安全を祈ります。
このときかかる費用については、簡易なものであれば10万円程度であり、主な支出はお供え、御祝儀、宴会などの飲食費です。
最終金について
ここまで解説した建物建築着工金、中間金などの金銭は、工事代金の一部として支払われるものですが、最終的には、残りの工事代金をすべて支払うタイミングが訪れます。
建物が完成した後には、ハウスメーカーまたは建築会社が施主とともに仕上がりを確認し、必要に応じて補修や手直しなどの工事を行った後、不動産登記手続きを済ませ、建物が引き渡されます。
また、この引き渡しのタイミングで、施主は残りの工事代金をすべて支払います。
こちらを最終金といいます。
ちなみに、最終金の相場については、建物総額から手付金、着工金、中間金をすべて差し引いた残額であるため、住宅価格の30~35%程度になることが多いです。
まとめ
ここまで、不動産建築時にかかる建物建築着工金、中間金の詳細を中心に解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
これらの費用におけるルールや相場については、実際注文住宅を契約する前に、ある程度把握しておかなければいけません。
そうしなければ、ハウスメーカーや建築会社との関係性が悪くなったり、支払いに充てるお金が足りなくなったりする可能性があります。