離婚に伴う不動産売却のタイミングについて解説します
あまり考えたくないことですが、現在円満な夫婦であっても、今後関係が崩れてしまう可能性はゼロではありません。
また、マイホームを所有する夫婦は、離婚に伴う不動産売却を行う可能性がありますが、このようなケースの売却は、一体どういったタイミングで行えば良いのでしょうか?
詳しく解説します。
離婚に伴う不動産売却のタイミングは大きく分けて2つ
関係が崩れ、夫婦ではなくなることが決定した場合、これまで通り1つ屋根の下で住むのは難しくなります。
賃貸物件であれば、夫か妻のいずれかが退去するか、物件自体を解約するという選択肢になりますが、持ち家の場合は売却を選択することも考えられます。
また、離婚に伴う不動産売却はいつ行うのかについてですが、こちらは大きく以下の2つに分かれます。
・離婚前
・離婚後
では、離婚前、離婚後のマイホーム売却に向いているのは、それぞれどのような方なのでしょうか?
それぞれ順番に見ていきましょう。
離婚前の売却に向いている人
実際離婚をし、完全に夫婦関係を解消する前に不動産を売却すべきなのは、以下のような方です。
・離婚後に会う機会をなるべく減らしたい
・離婚後のトラブルに巻き込まれたくない
不動産売却は、夫婦それぞれの同意がなければ、なかなかスムーズに進みません。
つまり、完全に離婚をした後の売却であっても、直接コンタクトを取って、険悪な雰囲気のまま話し合いをしたり、手続きを進めたりしなければいけないということです。
このような状況をなるべく避けたいという方は、離婚する前に売却しましょう。
また、「とにかく別れたい」「顔も見たくない」といった理由で、特に不動産売却に関する協議をせず離婚してしまうと、その後トラブルが発生しやすくなります。
なぜなら、このような喧嘩別れをしてしまうと、後々の話し合いにおいて、双方が感情的になりやすいからです。
そのため、早急に離婚をせざるを得ない理由があったとしても、上記のようなトラブルに巻き込まれたくない場合は、離婚前に話をまとめ、素早く不動産を売却しましょう。
離婚後の売却に向いている人
一方で、離婚の手続きをした後の不動産売却に向いている方には、以下のような方が該当します。
・好条件で売却したい
・離婚後会うことに抵抗がない
不動産売却は、売り出しから売買成立まで3~6ヶ月程度かかるのが一般的です。
ただし、こちらはあくまで売却活動に専念した場合の平均期間です。
離婚前に不動産売却をする場合、離婚に伴うその他の手続きに時間を取られ、売却に専念できないかもしれません。
もちろん、こちらの理由により、売却期間が長くなると、徐々に売買価格は下がってしまいます。
そのため、好条件での売却を望んでいるという方は、離婚後にしっかり腰を据えて不動産売却をした方が良いと言えます。
また、離婚と聞くと、お互いの中が悪くなったことが理由というイメージがありますが、実際はそれだけとは限りません。
中には、お互いの意思を尊重し、良い関係性のまま離婚に至る夫婦もいます。
このような夫婦は、離婚後会うことに特に抵抗がない可能性が高いため、離婚後にじっくりと不動産売却をしても良いでしょう。
財産分与は離婚後がおすすめ
不動産を売却すること自体は、離婚前でも離婚後でも構いません。
自身の要望や状況に合わせて決定すればOKです。
ただし、売却後の財産分与に関しては、必ず離婚届を提出し、戸籍を別にしてから行いましょう。
まだ婚姻関係にある状態で財産を移転すると、「贈与があった」と判断され、贈与税や不動産取得税などの税金がかかるおそれがあります。
ちなみに、所有するマイホームがオーバーローンの状態であり、任意売却を選択する場合は、財産分与の対象にはなりません。
共有名義の不動産は必ず解消しておこう
夫婦の中には、夫と妻の共有名義でマイホームを購入したという方もいるでしょう。
離婚に伴い、このような不動産を売却するというのであれば良いですが、もし夫もしくは妻のいずれかが住み続けるのであれば、共有名義は必ず解消しなければいけません。
離婚後も共有状態を維持した場合、すでに夫婦ではなくなっているにも関わらず、関係は続くことになります。
例えば、長期の賃貸借や抵当権の設定、売却などに関しては、共有者双方の同意がなければ実行できません。
もっといえば、簡単なリフォームですら、1つの共有者の権限だけでは行えないため、その不動産で生活する方は非常に不便です。
ちなみに、共有名義を解消する方法としては、共有者のいずれかが相手方の持分を買い取る方法、2人で協力して売却し、売却益を分け合う方法が挙げられます。
まとめ
ここまで、離婚に伴う不動産売却のタイミングを中心に解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
まだ婚姻関係にある状態であっても、完全に離婚が成立した後であっても、マイホームを売却することは可能です。
ただし、夫婦によってどちらが適しているかは異なるため、離婚時には誤った選択をしないよう、きちんと先のことを考えて行動しなければいけません。