不動産売買・投資

不動産の課税に関する用語の意味を知っておこう

不動産と税金は、切っても切れない関係にあります。
ですから、双方の知識を十分に持っていなければ、満足な取引はできないのです。
では、不動産の課税に関する用語には、一体どんなものが挙げられるでしょうか?
特に違いがわかりづらいものをピックアップして解説しますので、ぜひ参考にしてください。

課税取引

消費税の課税対象となる取引を総称して、課税取引といいます。
本来、消費税はすべての取引に課税されるのが原則のため、モノの販売やサービスの提供に関しては、すべて課税取引であるとされています。
ただし、中には消費税が課税されない非課税取引が存在し、こちらには不動産に関連するものも含まれています。
具体的には、以下のような取引です。

・土地の販売における土地の対価
・土地と建物をセットで販売する場合の土地部分の対価
・借地権の譲渡の対価
・住宅の賃貸借における家賃、共益費、礼金、更新料 など

ちなみに、不動産売買時にかかる仲介手数料に関しては、たとえ上記に該当する仲介であっても、課税取引になります。
また、施設の整備された駐車場は課税対象であり、住宅の賃貸借であっても、その賃貸期間が1ヶ月未満の短期である場合、その家賃は課税対象になります。
これらは忘れがちなポイントであるため、この機会に覚えておきましょう。

課税標準

税額を計算する際の算定基準を課税標準といいます。
税金にはあらゆる種類がありますが、その多くは課税標準に税率をかけ、税額を弾き出しています。
不動産に関する税金については、登録免許税や不動産所得税、固定資産税・都市計画税のいずれも、総務大臣が決定した固定資産税評価額が課税標準となります。
つまり、固定資産税評価額に、それぞれの税率をかけて税額が決定するということです。
なお、納税時に評価額が決定していない新築不動産における登録免許税は、法務局が定めた新築建物課税標準価格認定基準表をもとに、税額が計算されます。

課税標準額

税額を計算するにあたって、税率に乗じて税額を求めるための価額を課税標準額といいます。
先ほど解説した課税標準が、各税額を計算する際の基準であるのに対し、こちらはその具体的な内容を指しています。
少しややこしいため、混同しないように注意しましょう。
ちなみに、不動産に関連するものでいうと、所得税は所得控除後の所得額、法人税は利益額が課税標準額に該当します。
所有権移転登記に係る登録免許税、固定資産税については、固定資産台帳に登録された価格が課税標準ですが、住宅用地などに特例措置が適用される場合には特別の措置(固定資産税の課税標準減額等)があるため、注意しなければいけません。

課税文書

印紙税の課税対象になる契約書、受取書のことを課税文書といいます。
不動産関連のものでいうと、以下が該当します。

・不動産売買契約書
・建築工事請負契約書
・土地賃貸借契約書
・金銭消費賃貸契約書
・売上代金の領収書(5万円以上)
・売上代金以外の金銭の領収書(5万円以上)

これらの課税文書を扱う際は、必ず収入印紙を貼付して、印紙税を納めなければいけません。
印紙税は、商取引に伴って作成される書類をはじめとする特定文書に課税される税金であり、印紙税法において納税義務が規定されています。
印紙そのものは郵便局や法務局、コンビニなどで購入することができますが、購入しただけでは税金を納めたことにはなりません。
ちなみに、建物賃貸借契約書や、不動産の仲介を依頼した場合に作成される不動産媒介契約書は課税文書ではないため、印紙税の対象外となります。
そして、上記の売上代金の領収書には、手付金や不動産売買代金、賃貸料、不動産仲介手数料の領収書等が該当し、売上代金以外の金銭の領収書には、敷金の領収書等が当てはまります。
どれが課税文書なのかをきっちり把握していない場合、知らず知らずの間に印紙税の納付忘れが起こってしまう可能性があるため、注意しましょう。

課税証明書

住民税の課税額を証明する書類を課税証明書といいます。
こちらは、課税文書と混同しがちな用語であるため、注意してください。
課税証明書は、住宅ローンの審査や児童手当の交付申請、公的年金の受給請求などの場合に必要となるもので、各市区町村によって発行されます。
ただし、交付の申請に関しては、その年の1月1日時点の住所の市区町村に対して行わなければいけません。
そのため、交付を行う日が属する年に引っ越しをした場合、遠方の市区町村に申請しなければいけなくなる可能性もあるため、注意が必要です。
ちなみに、非課税証明書は、課税額がゼロであることを証明する課税証明書です。

まとめ

不動産売買では、税金関連の悩みを抱えたり、トラブルが発生したりする可能性がとても高いです。
特に、これまでまったく不動産に関わって来なかったという方は、かなり戸惑うことが予想されます。
もちろん、税金の未納は大きなペナルティに繋がってしまうリスクもあるため、最低でも今回解説したことに関しては、この機会に覚えて帰っていただきたいと思います。

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