借地では、私道が設けられることがよくあります。なぜなら、借地は大きい1つの土地であることが多く、それをいくつかの土地に分筆して貸し出すことが多いので、その間には私道が設けられることになるからです。地主様が同じなので、私道については借地人様が自由に使用してもいいのではないか、と思えるかもしれません。しかし、私道が誰かの借地の一部となっていることもあるのです。最初に借地を分ける際、それと私道を分筆する際にこの合意書を作成することが多いのですが、それだけではありません。既存の私道であっても、その内容を見直す必要があるときなどにも、この合意書を転用して作成するケースがあります。

また、私道については補修費用の問題もあります。その私道の所有者と利用者の間で、誰がどれだけ負担するかを話し合う必要が出てくることもあるのです。また、私道であっても役所で補修を行うことがあります。全面的には無理でも、補助金を出してもらえるケースもあるでしょう。そのためには何が必要か、情報収集をする必要があるでしょう。しかし、その場合も全員の合意がなければ役所は援助できないので、全員で検討して合意を得られたら、この合意書を作成することになるでしょう。

ちなみに、不動産の売買においてもその不動産が私道に面していた場合、公道までつながる私道についてはその所有者全員から通行に関しての承諾書を取得する必要があるケースもあります。その売買時は、測量を実施する必要があることも少なくありません。その際は、測量会社に依頼することになるでしょう。

なぜ、不動産売買に私道の相互利用の合意書が必要となるのかというと、将来的にその不動産へと電気やガス、水道、排水設備などの新設、もしくは取り換え工事が必要となったとき、その同意書が必要とされるからです。それがなければ、工事ができないので不動産の取扱が難しいものになります。また、私道なので車の乗り入れが制限されていることも多いのですが、必要があればその点も無償で通行、および使用できるようにするためにも、同意書が必要になるでしょう。そうでなければ、通行料を請求されるケースがあります。

不動産において、面している道路が私道であった場合は、この同意書の有無が非常に重要となります。そういった土地を購入、あるいはその土地の賃貸借契約を結ぶ際は、同意書を得られているのかどうかをきちんと確認しましょう。

私道の利用については、私道利用契約書というものもあります。こちらの場合は、まったく内容が異なるものなので、混同しないように注意しましょう。これは、私道を所有者から借り受けるための賃貸借契約となるので、通行料が発生する旨も記載します。さらに、契約期間についても定められることになり、通行量が増額される可能性があることも明記されます。同意書の場合、第三者に不動産を譲渡したときはその権利も譲渡されることが多いのですが、私道利用契約書の場合は権利の譲渡ができません。さらに、契約の解除に至る理由についても明記されていて、それに該当した場合は契約が解除され、私道を利用できなくなります。このように、私道を通常の賃貸借契約と同様に扱う場合、この契約書を交わすことになります。

では、同意書の内容にはどのような項目があるのでしょうか?一般的な内容について、各項目を解説していきます。

・私道の所有者と利用希望者

私道の所有者を甲、利用を希望して同意書を作成した人を乙として、その名義をはっきりとさせます。

・書類の作成

書類について、一般的には2通作成し、1通ずつ保管するのでその旨を記載します。

・同意する内容

何についての同意を得ることになるのか、その詳しい内容を記載します。単に通行を目的とするのか、車の通行も必要か、ということも記載します。将来的なことを考えると、電気やガス、水道、排水設備の設置のために掘削に関しての同意も得られた方がいいでしょう。

また、車の通行については通行料が必要かどうかも明らかにしておきましょう。

・乙の不動産の譲渡

今後、この同意書を作成した人が別の人に不動産を譲渡したとしても、この同意書が有効であることを明記します。そうしなければ、所有者が変更になったことで同意書も無効と判断されるケースがあるからです。

・甲の不動産の譲渡

先ほどと同じく、私道の所有者が不動産を譲渡したとしても、その譲渡後に同意書が有効であるということを証明する内容です。

・同意書の記入年月日

同意書が有効であることを示すために、作成した日時を記入します。

・私道の所有者

私道の所有者について、その氏名と住所を記入し、捺印します。なお、複数人が所有者だった場合、連名で作成することもありますが一人ずつ同意書を作成することもあります。

・私道の利用希望者

私道の利用を希望する人の、氏名と住所を記入し、捺印します。

・私道がある場所

どこの私道についての同意書か、その不動産が明確にわかるように記入します。