不動産投資Q&A~借入・物件選び・リスク等について~
不動産投資を行うにあたって、壁にぶつからないという方はまずいません。
必ずどこかの段階で、わからないことや解決するのが難しい問題に遭遇するものです。
今回は、不動産投資における借入、物件選び、リスクに関する疑問を中心に解決していきますので、興味がある投資家の方はぜひご覧ください。
住宅ローンを組んでいても、アパートローンは組めるの?
すでに自身の住宅を購入する際、住宅ローンを組んでいるという方でも、不動産投資用物件を購入するためのアパートローンを組むことができます。
ただ、アパートローンの利用にも、住宅ローンと同じく当然審査があり、申請者の年齢や収入等がチェックされます。
また、住宅ローンを利用している方は、利用していない方と比べて支出が多くなるため、アパートローンを利用することで、支払い能力を超えた借入となってしまうことも珍しくありません。
そうなってしまうと、基本的にはアパートローンの審査には通らないため、その点は留意しておきましょう。
長期でアパートローンを組むことのリスクは?
不動産投資用物件の購入時、長期でアパートローンを組む方は珍しくありません。
ただ、長期で利用する際は、しっかりリスクについても理解しておきましょう。
例えば、値上がりを目的として長期のアパートローンを組み、物件を購入したとしても、その後不動産価格が急落すると、手元には莫大な借金だけが残ってしまいます。
また、将来売却できる資産として、新築物件を30年の長期アパートローンで購入しても、ローンが完済されるのは30年後です。
つまり、長期ローンで新築の不動産投資用物件を購入しても、ローン完済時にはかなりの築年数が経過しているため、スムーズに売却できるとは限らないということですね。
投資額に対する借入金の目安はどれくらい?
新築のワンルーム物件の場合、不動産投資における投資額に対する借入金の目安は、およそ40%以内です。
なぜなら、借入金の割合を40%に保つことができれば、金利が倍になるなどの状況になったとしても、賃料収入だけでローンを返済していけるからです。
今すぐに金利が急上昇するということは考えにくいですが、不動産投資では何が起こるかわかりません。
したがって、最初から大きな金利上昇にも負けない借入割合を意識しておくのは重要だといえます。
ファミリー向け物件と単身者向け物件の大きな違いは?
不動産投資を行う際、購入する物件はファミリー向け物件、単身者向け物件の大きく2つに分かれます。
また、これらには間取りや付帯すべき設備など、異なる点が多くありますが、もっとも大きな違いは、やはり入居者募集をしたときの“空室期間”でしょう。
ファミリー向け物件を選ぶ方は、基本的に家族全員の意見・要望に合ったところを選びます。
そのため、家族1人だけが納得いかないなど、なかなか理想的な物件を見つけるのが難しくなります。
一方、単身者の方は自身さえ良ければそれで良いため、比較的入居先をすぐに決められます。
つまり、不動産投資をするオーナーから見ると、ファミリー向け物件はなかなか埋まらず、単身者向け物件は比較的早く埋まるということになります。
もちろん、オーナーの努力や工夫の度合いにもよりますし、ファミリー向け物件の方が多くの賃料収入を得られる可能性が高いため、どちらの方が良いとは一概にはいえません。
RC造の物件は売却しやすいって本当?
不動産投資を行う方の中には、「RC(鉄筋コンクリート)造の物件は人気があるから売却しやすい」と考えている方がいますが、これは決して正しくありません。
もちろん、RC造の物件が人気なのは事実ですが、新築で購入しても、売却する際にはかなりの築年数が経過していることが予想されます。
また、どれだけ見た目を綺麗にしていても、不動産広告には“築30年のRCマンション”という風に記載されるため、買い手にはあまり良いイメージは与えられません。
もっといえば、なかなか買い手が付かない状態になると、さらに売却価格は下がってしまいます。
したがって、将来物件を売却することも視野に入れるのであれば、“人気がある物件=将来高く売れる”という考えを捨てましょう。
築古と築浅、どちらの物件を選ぶべき?
不動産投資をするにあたって、最初の物件を選ぶ際は、自己資金の金額を考慮しなければいけません。
例えば、自己資金が少ない方は、アパートローンで多めに資金を調達しなければいけませんよね。
この場合におすすめなのは、担保としての信頼性が高い築浅物件です。
逆に、自己資金が多く、それほど融資を重視していないという方は、築古の方が購入費用を安く抑えられます。
ただ、築古の物件は築浅に比べて修繕費がかかりやすくなるため、取得時の安さだけを重視して購入するのはあまりおすすめできません。
マンションの寿命はどれくらい?
マンションの構造上の寿命は、およそ65年と言われています。
もちろん、しっかりとメンテナンスを行えば、それ以上の長期に渡って、収入源として稼働させることも十分可能です。
また、近年の“長期優良住宅制度”の該当物件には、100年以上の耐久力を有している物件も多く存在します。
つまり、築年数が経過したマンションだからといって、途中に老朽化等で貸し出せなくなるという心配は、ほとんどないということです。
ちなみに、マンションの場合、オーナーは“敷地権”という土地の権利を所有者全員で共有しています(一部例外あり)。
そのため、古くなったマンションでは、上記の敷地権を売却するか、建て直すかを選ぶことになりますので、これは覚えておきましょう。
中古一棟物件のリスクは?
不動産投資をするにあたって、中古の一棟物件を選択する場合、購入後に多額の修繕費用がかかるケースが多いです。
なぜなら、1億円を超えるような一棟物件市場には、不動産投資に慣れたセミプロのような方が多く参入していて、そのような方のほとんどは、修繕費用を払いたくないことが理由で売却をするからです。
つまり、中古の一棟物件の多くは、すでに大規模な修繕が必要な状態で売り出されているということですね。
したがって、中古の一棟物件購入時は、建物の管理状況や修繕工事履歴などをくまなくチェックし、購入後の大きな出費を回避しなければいけません。
アパートローンでも住宅ローン控除は受けられるの?
住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して住宅を購入した場合において、一定期間、ローンの年末残高の一定割合に相当する金額が、所得税から控除されるというものです。
では、この制度は、不動産投資用物件をアパートローンで購入した後も利用できるのでしょうか?
結論からいうと、アパートローンで住宅ローン控除は受けられません。
なぜなら、住宅ローン控除を利用する際の絶対条件として、購入者の“居住用”不動産を購入することが挙げられるからです。
不動産投資用物件は、もちろん人が居住するものですが、購入した方自身が住むわけではないため、当控除の対象外になってしまうというわけですね。
したがって、住宅ローン控除が利用できると考えていた方は、計画を改めなければいけません。
まとめ
ここまで、不動産投資における借入、物件選び、リスクに関する疑問を中心に解決してきました。
不動産投資は、非常に奥が深いものです。
「こうすれば必ず成功する」といったような答えもありません。
ただ、あらゆる知識を身に付けることで、失敗する“確率”を下げることはできるため、オーナーとなる方はそこに意識を集中させましょう。