不動産売買・投資

初めての不動産投資 手軽なはずのワンルームマンション投資で大失敗 

1R(ワンルーム)投資は、比較的手軽に始められる不動産投資として、多くの投資家の方に実践されています。
ただ、始めやすいからといって、必ずしも成功するとは限りません。
予備知識がないと、さまざまな失敗に繋がってしまいます。
ここからは、1R投資における失敗のパターンについて解説したいと思います。

①利益が思うように出ない

1R投資では、“利益が思うように出ない”という失敗がよく起こります。
なぜなら、1R投資は初期費用が安いものの、それほど利回りが高くないからです。
例えば、現在の都内における1Rの平均利回りは、新築で3~4%程度、築浅(中古)でも4~5%程度です。
したがって、アパートローンを組んで投資したとしても、毎月のキャッシュフローが非常に良くなるということは、あまり期待できないでしょう。

②売るに売れない

1R投資では、“売るに売れない”という失敗も起こりがちです。
特に新築の1Rの場合は、相場よりも高値で物件を購入してしまうと、ローン残債を物件の売却価格が下回ってしまい、手出しをしないと売却できないという状況になりがちです。
また、新築1Rは購入時と売却時の価格を比べたとき、20~30%の値落ちが発生するケースが多く、購入してすぐに売却したくなったとしても、なかなか実践するのは難しくなります。

③節税効果が継続しない

1R投資では、“節税効果が継続しない”という失敗もよく起こります。
1R投資といえば、節税効果が期待できるというイメージがありますが、実はその効果が継続するのは、基本的に購入当初の数年間のみと言われています。
また、なぜ購入当初(特に初年度)の節税効果が大きいのかというと、物件購入の際にかかる諸費用がすべて、確定申告で経費として計上できるからです。
つまり、初年度は赤字申告できる金額が大きくなるため、その分多く納めていた税金が戻ってくるということですね。
2年目以降は、取得費用とは別にかかる諸費用がかからないため、その分節税効果がガクッと下がります。

④税金、原状回復費、設備費用を計算に入れていない

1R投資では、“税金、原状回復費、設備費用を計算に入れていない”という失敗もよく起こるので、注意が必要です。
マンションを購入すると、毎年固定資産税がかかります。
また、購入初年度から次年度にかけては、不動産所得税も課税されます。
もっと言えば、マンションにおける設備の交換や補修などのメンテナンス費用、原状回復日に関しても計算に入れておかなければ、思うように利益は積み重なっていきません。

⑤空室が埋まらず大きな赤字が出る

1R投資では、“空室が埋まらず大きな赤字が出る”という失敗も起こり得ます。
これは、もちろん1R投資に限ったことではありませんが、とても起こりやすい失敗のため、覚えておきましょう。
1R投資は、それほど費用をかけずに始められる投資ですが、ほとんどの方は始める際にアパートローンを利用するでしょう。
また、その返済分については、基本的に賃料収入で賄うことになります。
ただ、空室が埋まらず賃料収入が入らなければ、ローンの返済分は全額オーナーの自己資金で負担しなければいけません。
もちろん、都心の好立地物件などを購入すれば、空室リスクはある程度抑えることができますが、好立地の物件は得てして取得費がかさみやすく、1R投資の良さを半減させてしまう可能性があります。
つまり、費用対効果とリスクヘッジのバランスを考えて、購入する物件を選ぶのが重要だということですね。

⑥無理な買い増しをしてしまう

1R投資では、“無理な買い増しをしてしまう”という失敗も起こりがちです。
買い増しとは、所有する物件を増やしていくことをいいますが、実施する際は年収に見合った借入比率、複数の物件が空室になった場合の空室リスクも計算しなければいけません。
それができなければ、買い増しをしても利益が支出を上回らず、むしろ買い増し前より状況が悪化してしまうことも考えられます。
ちなみに、一般的な支払い限度額は、年収×35%とされています。
例えば、年収700万円の方の場合は、年間245万円が限度になりますね。

⑦高金利の融資を受けてしまう

1R投資では、”高金利の融資を受けてしまう“という失敗も起こり得ます。
特に、3%以上の借入利率には注意しましょう。
一般的に、都心の1R(築浅)であれば、1%後半台での融資が可能です。
ただ、3%といった高金利を提案されるということは、何かしら理由があるため、その理由は自分自身で把握しなければいけません。
例えば、不動産会社が低金利の提携金融機関を持っていなかったり、投資家の方自身の属性に問題があったりする場合は、どうしても低金利の金融機関を利用しにくくなるため、そこは納得するしかないでしょう。

⑧入居付けの仕組みを理解していない

1R投資では、“入居付けの仕組みを理解してない”という失敗も起こりやすいです。
これは、そもそもの入居付けの仕組み(元付け仲介、客付け仲介など)を理解しておらず、空室時の賃料設定などについて、管理会社のアドバイスを聞くしなかいという状況になってしまうというケースですね。
1Rを購入し、賃貸物件のオーナーとなるわけですから、本来は投資家の方自身が設定賃料を決定しなければいけません。
したがって、比較的気軽に始められるとはいえ、やはり前もって最低限の知識をつけておくことは重要でしょう。

⑨特定の学校、施設等に依存してしまう

1R投資では、“特定の学校、施設等に依存してしまう”という失敗もよく起こります。
景気あるいは経済情勢によって、大学の移転や施設の倒産が発生するというのは、とてもよくある話です。
したがって、「近くに大学があるから」「大きな施設があるから」といった単純な理由だけで1R投資を始めるのは、非常にリスクが高いと言えます。
もし、購入後すぐに大学や施設が近くからなくなったら、空室ができる可能性は高くなりますし、これまで練ってきた経営戦略も水の泡と化してしまいます。
つまり、膨大な資金と時間、手間が無駄になる可能性があるということですね。

⑩サブリースに依存してしまう

1R投資では、“サブリースに依存してしまう”という失敗もよく見られます。
サブリースとは、転貸を目的とした業者の“一括借り上げ”を指していて、オーナーは実施することで賃貸経営の負担を減らすことができ、なおかつ空室リスクも軽減できます。
ただ、サブリースにはいくつかのデメリットも存在します。
具体的には、サブリース業者の都合で一方的に賃料を下げられる可能性がある、解約時に多額の違約金が発生する可能性があるといったデメリットですね。
また、違約金を支払っても解約できないといったようなトラブルも、実際発生しているのが事実です。
もっと言えば、サブリースが解約できないとなったとき、物件の売却価格は一気に下がってしまいます。
したがって、サブリースに依存した1R投資をしてしまうと、物件を売るに売れず、なおかつサブリース業者とのトラブルも継続するという、最悪の事態が起こるかもしれないことは覚えておきましょう。

まとめ

ここまで、1R投資における主な失敗のパターンについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
1R投資に対して“簡単”というイメージを持っている方は、すぐに考えを改めましょう。
1R投資は、あくまで“比較的始めやすい不動産投資”というだけであり、どのような失敗が起こるのかを想定しておかなければ、簡単に継続するのが困難な状況になってしまいます。

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