皆さんは、“自己破産”というものをご存知ですか?
名前くらいは聞いたことがある方も多いでしょう。
不動産投資は、成功すれば安定収入が得られるものですが、大きな失敗をしてしまうと、自己破産してしまう可能性もゼロではありません。
今回は、不動産投資で自己破産してしまう理由と、その対処法などについて解説します。

そもそも自己破産って何?

不動産投資で自己破産してしまう理由と対処法を解説する前に、まずは自己破産そのものについて知っていただきたいと思います。
自己破産とは、簡単に言うと、すべての債務を免除してもらう手続きのことを言います。
裁判所に“破産申立書”を提出し、“免責許可決定”をもらうことができれば、手続き可能です。
つまり、裁判所に依頼し、認めてもらえれば成立するということですね。
また、自己破産の手続きができるのは、“支払い不能”という状況になった場合のみです。
これは、所有資産や今後の収入などから総合的に判断して、現在ある債務をすべて返済することが難しいと判断される状況を指しています。
ただ、たとえ不動産投資で支払い不能の状態になったとしても、債務を作ってしまった理由の大部分をギャンブルなどが占める場合は、自己破産が認められないこともあります。
ちなみに自己破産は、許可が下りれば債務をすべて免除してもらえるというシステムではありますが、主に以下のようなデメリットもあります。

① 5~10年程度、借入ができなくなる(ブラックリストに載ってしまう)
② 住所と氏名が国発行の機関紙に載る
③ 免責が決まるまで、特定の職業には就けない(警備員、士業など)

不動産投資で自己破産してしまう理由と対処法

自己破産についてある程度理解していただいたところで、ここからいよいよ本題に移ります。
不動産投資で自己破産してしまう理由と対処法には、一体どんなことが挙げられるのでしょうか?

高値で物件を購入してしまう

高値で不動産投資用物件を購入してしまうと、自己破産に繋がるおそれがあるため、注意しましょう。
なぜなら、不動産投資を成功させるための大きなポイントは、物件の購入価格をいかに安く抑えられるかであるためです。
中古物件の場合、すでに利回りの実績を持っているため、高値で買うことにリスクはあまりありませんが、新築物件は少しリスクが高いです。
まだ運用実績がなく、あくまで予想の利回りになってしまうためです。
つまり、購入価格が高い割に、利回りに関しては未知数なところが、高いリスクを生むというわけですね。
したがって、「新築物件の方が入居者は集まるだろう」と、安易な考えで高値の新築物件を購入しようとしている方は、1度考えを改めるべきでしょう。
可能であれば、無難に中古物件に狙いを定めることをおすすめします。

黒字破産してしまう

不動産投資で“黒字破産”してしまうことも、自己破産に繋がります。
黒字破産とは、会計上利益が出ているにも関わらず、資金繰りが難しくなり、アパートローンなどの返済ができなくなることを言います。
また、黒字倒産してしまう大きな原因は、やはり資金の余裕がないことです。
たとえ利益を出していたとしても、そこから自身の収入だけでなく、ローン等ランニングコストの支払いもしていかなければ、不動産投資は継続できませんよね。
ちなみに、不動産投資を始める際、「少額投資でOK!」「頭金なしでOK!」などの謳い文句をよく見かけると思います。
ただ、これはあくまで「膨大な資金がなくても不動産投資は始められますよ」という意味であり、「資金がなくても不動産投資は成功しますよ」という意味ではありませんので、勘違いしてはいけません。
やはり、最初からある程度の資金を用意しておくに越したことはないのです。

税額のアップに耐え切れなくなる

税額のアップに耐え切れなくなることも、不動産投資で自己破産してしまう理由の1つです。
不動産投資用物件には、“減価償却期間”というものがあります。
この期間中は、建物が劣化して価値を下げていくことを“損金”として扱えるため、その分税金は安くなります。
ただ、この期間が終了すると、税額は一気にアップします。
そのため、減価償却期間、常にギリギリプラス収支だった方は、期間終了後、税額のアップに耐え切れず、資金繰りが苦しくなり、自己破産してしまう可能性があります。
そのため、不動産投資の利益は、税額が上がる時期までにギリギリプラスのラインを突破しておかなければいけないのです。

ローンの金利が高額

ローンの金利が高額なことも、不動産投資で自己破産してしまう理由の1つです。
先ほど、不動産投資成功の大きなポイントは、購入価格をいかに抑えられるかどうかだという話をしましたね。
この購入価格とは、“取得価格”のことであり、正確に言うと購入費用だけでなく、アパートローンの金利なども含まれています。
そのため、どれだけ不動産投資用物件を安く購入しても、金利が高くなってしまうと意味がないのです。
例えば、5,000万円の物件を購入する際、金利5%のローンを借りるケースと3%のローンを借りるケースでは、取得価格に100万円もの差ができてしまいます。
この100万円を減らせるかどうかは、非常に大きいですね。

不動産投資で自己破産する前に知っておくべきこと

不動産投資をする方の中には、今まさに自己破産をするかどうかの瀬戸際まで来ている方もいるかもしれません。
そのような方は、自己破産の手続きをする前に、最低でも以下のことを把握しておきましょう。

家に人が訪ねてくることは基本的にない

不動産投資で自己破産するか悩んでいる方には、自己破産をすることで、いわゆる借金取りのような怖い人物が、家を訪ねてくると思っている方もいるかもしれませんね。
ただ、安心してください。
たとえ自己破産をしたとしても、そのような人が訪ねてくることはありません。
もっと言えば、急に裁判所の所員が差し押さえに来たり、家財道具を持っていかれたりすることもありません。

税金は免除の対象外

不動産投資で自己破産の手続きをすると、すべての債務が免除されるという話をしましたね。
ただ、免除されるのはあくまで債務のみであり、支払いが滞っている税金に関しては免除されません。
そのため、自己破産は、先に税金を払い終えた上で行うのが基本だと言えます。

先に任意売却を検討する

不動産投資で自己破産の手続きをしようか悩んでいる方は、必ず先に“任意売却”を検討しましょう。
任意売却とは、アパートローン等の借入金が返済できなくなった場合、売却後もローンが残ってしまう不動産を、金融機関の合意を得て売却することを言います。
また、金融機関は、任意売却によって生まれた売却益から、残りのローン返済分を回収します。
ただ、任意売却を行っても、残った債務が今後の収入を考慮して返済できないと判断された場合は、自己破産を選択するしかありません。
具体的には、任意売却をしても数千万円単位の債務が残る場合、多少のデメリットがあるとはいえ、自己破産をするのが賢明だと言えます。

まとめ

ここまで、不動産投資で自己破産してしまう理由と、その対処法などについて解説しましたが、いかがでしたか?
不動産投資の知識を身に付ければ身に付けるほど、当然ながら失敗のリスクは低くなります。
また、1度得た知識をそのまま活かし続けるだけでなく、不動産投資をしていく中で知識をアップデートしていくことができれば、自己破産という最悪の結果は免れることができるでしょう。