不動産投資は、成功すれば比較的少ない負担で利益を上げられるものですが、その反面さまざまなトラブルに巻き込まれる可能性があります。
今回は、実際にあった不動産投資のトラブル事例をいくつか紹介しますので、自分がそのような立場になったと考えてご覧ください。

賃貸物件において“夜逃げ”が発生した事例

まずは、賃貸物件での不動産投資を行うAさんのトラブル事例です。
ある日、Aさんの元に、管理会社から1本の電話がありました。
その内容は、「Aさんが経営する賃貸物件の入居者が夜逃げをした」というものでした。
このとき、Aさんはその入居者から毎月しっかり賃料が支払われていたことを確認していたため、それほど重大な問題ではないと感じていましたが、後々驚愕の事実を知ることになります。
なんとその入居者は、3ヶ月前から賃料を滞納しており、Aさんに支払われていた賃料は、入居者との間に入っていた保証会社が立て替えたものだったのです。
この事例は、保証会社から賃料滞納の連絡がAさんまで届いていなかったことで、Aさんの対応が遅れてしまったというものですが、Aさんが賃料の入金、回収業務をすべて保証会社に丸投げしていたことによるリスクが顕在化した事例とも言えます。
そして、その後Aさんは、長期滞納者を強制退去させるための法的手続きに取り掛かったのですが、これが非常に苦労するものでした。
まず、賃貸借契約の解除が認められるのは、客観的に見て信頼関係が破壊された場合に限られます。
賃料の滞納が発生した時点で、信頼関係は破壊されているように思えますが、実際のところは、少なくとも3ヶ月以上賃料を滞納し、なおかつ支払いがなく、催告にも応じないというような状況になって初めて、“信頼関係が破壊された”と認められるようです。
Aさんの事例の場合、賃料が支払われていないわけではないため、信頼関係の破壊には該当しないとされ、即時解除は認められませんでした。
結局、その後内容証明の郵送、公示送達、解除の通知を経て、ようやく契約を解除でき、明け渡しの強制執行にまで漕ぎつけました。
この不動産投資家Aさんの事例は、保証会社経由の賃料入金について、滞納が発生していないか毎月確認しておけば、早期に防ぐことができたと言えるでしょう。

“自然災害”が発生した事例

続いて、北関東エリアで不動産投資を行うSさんのトラブル事例を紹介します。
Sさんは、ある日管理会社から、「北関東エリアでゲリラ豪雨が発生し、Sさんの所有物件で大規模な水害が発生した」という連絡を受けました。
また、入居者はゲリラ豪雨があった際、避難勧告に従って全員避難していました。
そして、翌日所有物件がある現場にSさんが足を運ぶと、1階部分の各部屋における床上浸水(約20cm)が発生しており、共同玄関は破損していました。
このままの状態では、1階に住む入居者が部屋に戻ることはできないため、Sさんは修繕の手配をしましたが、床上浸水の状態から元の状態に戻すのは、決して簡単なことではありませんでした。
破損している部分などの修繕は比較的迅速にできたものの、部屋が長時間泥水に浸かっていたこともあり、なかなかドブ臭さが抜けなかったのです。
さらに、下水や屎尿が混ざった水も流れ込んでいたため、感染症の恐れもあり、消臭作業と消毒作業も徹底的に行わなければいけない状況でした。
しかし、ここで大きな問題が発生します。
Sさんが当初考えていた金額よりも、修繕費用が10倍程度かかることがわかったのです。
ただ、Sさんはその修繕に必要な資金を持ち合わせておらず、1階の入居者は全員退去することになったほか、床上浸水の影響で内壁のカビ臭さが増し、結局すべての入居者が退去してしまいました。
この不動産投資家Sさんの事例は、不動産投資を行うにあたってなかなか避けられない自然災害によるトラブル事例ですが、普段から自然災害を想定して、備えを用意していなかったというところは、経営者としていただけません。
もし資金に余裕があれば、かなりの修繕費はかかるものの、物件の傷みも最小限で済み、入居者が退去してしまう事態にまでは発展しなかったはずです。

“重要事項説明”の一部をスルーしてしまった事例

最後に、賃貸物件で不動産投資をするKさんのトラブル事例を紹介します。
Kさんは、地方で長い期間稼働している築20年の木造一棟マンションの購入を決めました。
その物件は、入居者がいる状態で物件の所有権を移転するいわゆる“オーナーチェンジ物件”であり、Kさんは不動産会社との売買契約に臨んでいました。
その際、不動産会社から重要事項説明を受けたのですが、Kさんは1つ気になる点を見つけたのです。
それは、入居者の中に生活保護制度で生活している方がおり、その方が心の病を患っているという重要事項でした。
ただ、Kさんは一瞬気にはなったものの、そこまで深く質問することなく、そのまま売買契約を結んでしまったのです。
これが大きな間違いでした。
無事物件を購入し、不動産投資をスタートさせたKさんでしたが、なんと例の心の病を患っている入居者の症状が悪化してしまい、頻繁に真夜中に騒ぎ出すようになってしまったのです。
夜な夜な大きな声を張り上げ、物件を徘徊するため、他の入居者は次々と退去し、数十人いた入居者はあっという間に数人になってしまいました。
Kさんは、なんとかこの状況を打破しようと、問題の入居者に退去を促しましたが、なかなか転居先が見つからず、出ていけないと言われてしまいます。
その後、熱心に新しい入居者を募集し、空室を埋める努力をしましたが、数ヶ月で退去してしまうという悪循環を繰り返し、Kさんは不動産投資で安定収入を得ることができなくなりました。
そして、結局その物件は売却しましたが、当然購入時のような価格では売れず、ただただ資金を無駄にしてしまったのです。
この不動産投資家Kさんのトラブル事例は、なんと言っても重要事項説明の一部をスルーしてしまったことが原因です。
不動産会社から重要事項説明がなかったのであれば、責任を取ってもらうことはできるかもしれませんが、説明を聞いていたにも関わらずスルーしていたのでは、どうにもなりません。
そのため、これから不動産投資をする方は、上記のようなトラブル事例に遭遇しないように、重要事項説明について気になる部分があれば、納得のいくまで説明をしてもらった上で、売買契約を結びましょう。

自身が原因のトラブルは最低限防ごう

今回紹介した不動産投資における3つのトラブル事例は、さまざまな要素が絡んでいるとはいえ、やはりオーナー自身にある程度の落ち度があったことで発生した事例です。
そのため、不動産投資を行うのであれば、最低限オーナー自身が原因のトラブルが起こるのは防ぐようにしましょう。
逆に、先ほど触れた自然災害のように、オーナー自身がトラブルを防ぐ工夫をしていても、なかなか避けられないようなトラブルもあります。
ただ、この場合でも、トラブル発生を想定して普段から準備していたり、トラブル発生後に迅速に対応したりすれば、最小限で被害を食い止めることができます。

まとめ

ここまで、実際にあった不動産投資のトラブル事例を3つほど見てきましたが、いかがだったでしょうか?
自身が前述のようなトラブルに巻き込まれることを考えると、ゾッとしますよね。
ただ、オーナー自身がトラブルを避けるための策を持っていなければ、前述のようなトラブルに巻き込まれる可能性は当然あります。
そのため、不動産投資を始める際には、やはりより多くのトラブル事例、失敗事例を知るべきなのです。