不動産投資をするのであれば、必ず“経費”について把握しておかなければいけません。
不動産投資では、物件購入以外にもさまざまな費用がかかりますが、その中には経費と認められるものがあり、計上することで節税効果が得られます。
できる限り詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

不動産投資における“経費”の概要

そもそも経費とは、“事業に必要な費用”のことを言います。
例えば企業の場合、業務を行うにあたってペンやパソコン、車などさまざまなものが使用されますが、これらはすべて事業に必要なものであるため、経費と認められます。
また、これは不動産投資にも当てはまるものであり、不動産投資を行うために必要な費用は、経費として計上することが可能です。

不動産投資における経費と“税金”は密接な関係にある

不動産の所有者には、固定資産税、都市計画税を支払う義務があります。
また、賃料収入から経費を引いた額に対しては、所得税、住民税が課税されます。
注目したいのは、この“賃料収入から経費を引いた額”に、所得税や住民税が課されるという点です。
つまり、経費を多く計上すればするほど、支払う税金は少なくなるということですね。
逆に言えば、経費として認められるものを把握し、しっかり計上しなかった場合、税金の負担が大きくなるということになります。
それくらい、不動産投資における経費と税金は、密接な関係にあるのです。

不動産投資における経費にはどんなものがある?

先ほど、不動産投資では、経費として認められるものを把握し、しっかり計上する必要があるという話をしました。
では、不動産投資において経費にできる費用には、具体的にどんなものが挙げられるのでしょうか?

①旅費交通費
物件取得のため、または物件管理のために、交通機関や車を利用した場合、交通機関の運賃や車のガソリン代、駐車場代などを経費にすることができます。
また、取得や管理のため、ホテルに宿泊する必要があるのなら、その費用も経費になります。
ただ、これはあくまで、不動産投資をするにあたって必要な移動にかかった費用のみが該当するため、プライベートの旅行費などは計上できません。

②車に関する費用
不動産投資をするにあたって車が必要な場合、購入費用や整備費用、各種保険料などは経費にできます。
ただ、自身の趣味で購入する車、子どもの送迎のために購入する車などの購入費用は、当然認められません。
また、すでに所有している自家用車を不動産投資のために使用する場合は、“家事按分”を行い、不動産投資に必要な分のみを経費にします。
ちなみに、家事按分とは、ある支出がプライベート用と事業用の双方が混ざるものであったときに、事業で使用する比率分のみを経費にするという方法です。

③情報収集、勉強費用
物件取得に伴い、情報を収集するための費用や、不動産投資のことを勉強するための費用も、立派な経費です。
具体的には、新聞や書籍の購入費用、セミナー代などが挙げられます。
もちろん、不動産投資に関係のない雑誌や漫画などを購入した費用は、経費にはできません。
また、たとえ不動産投資に関連するものであったとしても、“個人の能力を高める”という言い合いが強い“資格”の取得費は経費にできないため、注意してください。

④通信費
不動産投資の情報収集のために使用するパソコンの購入費用、あるいは不動産会社、管理会社などに連絡するために使用した携帯電話の使用料などに関しても、経費として認められます。
また、プライベートでも不動産投資でも携帯電話、パソコンを使用する場合は、車と同じように家事按分をします。

⑤減価償却費
不動産には、“法定耐用年数”というものが存在します。
これは、財務省が定めた資産ごとの耐用年数であり、不動産購入後は、購入時にかかった費用を法定耐用年数で割った金額を、毎年経費にすることができます。
トータルではとても大きな金額になるため、必ず計上するようにしましょう。

⑥ローンの金利
不動産投資用物件をアパートローンで購入した場合、返済時の金利を経費にすることが可能です。
ただ、ローンの元金に関しては、経費にはできないため、そこは留意しておきましょう。
なぜなら、先ほど解説したように、不動産の購入にかかった費用は、減価償却していくことになるためです。

⑦各種保険料
不動産を取得する際には、火災保険、地震保険に加入します。
このような各種保険料も、不動産投資における立派な経費です。

⑧管理会社に支払う費用
物件管理を管理会社に委託する場合は、当然委託料が発生しますが、この費用も経費として計上可能です。

⑨管理費
管理費とは、物件の清掃や設備の保守点検などにかかる費用のことを指しています。
ちなみに、管理会社に管理を委託する場合、管理費は委託料に含まれます。

⑩修繕費
建物や設備に劣化や不備が見られる場合、オーナーが費用を負担し、修繕を行いますが、この費用も当然経費にできます。
ただ、これはあくまで、劣化や不備に対する処置にかかる費用であり、建物の性能向上、いわゆるリノベーションにかかる費用は含まれませんので、注意してください。
例えば、階段の修繕費はOKですが、階段を増設した場合の費用はNGです。

⑪各種税金
不動産取得時にかかる各種税金、または不動産を保有し続ける限り課税される各種税金も、経費にすることが可能です。
具体的には、印紙税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税、都市計画税などが挙げられます。
ただ、所得税、住民税、法人税などは、“不動産投資に伴ってかかる税金”というわけではないため、経費にできません。

⑫各専門家への報酬
登記や確定申告などに関して、司法書士や税理士などの各専門家に依頼した場合の報酬も、不動産投資における経費です。

⑬交際費
不動産会社あるいは管理会社の担当者と食事をした場合、そのときかかった費用は、交際費として計上できます。
ただ、不動産投資とはまったく関連性のない家族、友人などと食事をした際にかかった費用は、当然認められません。

不動産投資における経費にできない意外な費用とは?

ここからは、一見不動産投資における経費にできそうなものの、実際には認められない費用を見ていきたいと思います。

①スーツの購入費
不動産会社や管理会社との打ち合わせ、あるいは契約などの際、スーツを着用する方はとても多いです。
ただ、スーツの購入費用は、不動産投資における経費にはカウントされません。
なぜかと言うと、スーツはあくまで“ファッションアイテム”という扱いであるためです。
同様の理由で、ビジネスバッグや腕時計、ネクタイやカッターシャツなども、経費にはできません。

②反則金、罰金
先ほど、不動産投資に必要な車に関する費用であれば、保険料でも経費にできるという話をしました。
ただ、不動産投資に必要な車に関する費用の中でも、交通ルールを守らなかったことによって発生した反則金、罰金は、経費にはできません。
ただ、車が故障してしまったときにかかったレッカー代に関しては、問題なく経費として認められるため、覚えておきましょう。

まとめ

今回は、不動産投資における経費について徹底的に解説しましたが、いかがだったでしょうか?
ここまで読んでいただいた方には、“不動産投資に必要な費用”の範囲が、意外と広いということを理解していただけたでしょう。
これから不動産投資をスタートさせ、もし経費にできるかどうかの判断に迷う場面が来たら、ぜひ本記事の内容を思い出してください。