借地人様の中には、その地代があまり高いものではないため、このまま借地として利用した方が良いと考えている人も少なくありません。
しかし、長期にわたって借地を利用していると、その間の地代や更新料、建物を建て替える際に地主様に支払う承諾料など、全体的には意外と大きな金額を支払うことになるものです。
そこで今回は、借地を買い取った時のメリットと、問題点について解説します。

借地を買い取るには?

借地を買い取ろうと思った時は、まず何よりもそのための資金が必要となります。
そのための資金を自己資金で用意できるならそれが一番簡単ではあるのですが、金額が数百万円から数千万円にもなるため、そう簡単に用意することはできないでしょう。

どうしても用意するのが難しい場合は、住宅ローンを利用する事を考えてみましょう。
ただし、住宅ローンを組むとして、果たして借地を購入するために住宅ローンを組むことはできるのでしょうか?
住宅ローンを利用して借地を購入する場合の、一般的な流れについて紹介します。

まず、その借地を買いたいということを、地主様かその借地を扱っている不動産会社に相談してみましょう。
この時に、地主様がどうしても売りたくないと言った場合はそもそも無理なので、その時は早々に諦めるしかありません。

また、場合によっては地主様から借地人様へと、その借地を買わないかという相談を持ち掛けることがあります。
その場合は、面倒な交渉が必要ないのでぜひとも引き受けましょう。

売買が可能となった場合は、その条件について細かく調整します。
金額の条件だけではなく、売買の時期や瑕疵責任、保証など様々な面での確認を行うようにしましょう。

その後は、土地の境界線を明確にするために測量を行います。
土地の一部が道路に面している場合には、市区町村役所の道路課と協議する必要があり、また隣接している土地がある場合は、その土地の所有者とも協議する必要があるので、時間がかかることも多いため、一般的には測量が終わる前に売買契約を締結してしまいます。

住宅ローンを利用する場合は、売買契約が終わってから申し込みます。
このとき、契約内容にもよりますが、一般的には住宅ローンの審査が通らなかったことで売買契約ができなくなった場合は、契約違反とならず違約金を支払わなくても契約の解除が可能となります。

その後、測量が完了したら銀行からの融資を受けて、売買のための代金を支払います。
そして、土地の移転登記を行い、所有者名義を変更することで借地が自分のものとなります。

借地を買い取るメリットとは?

現在、毎月地代を支払っている借地人様が、その借地を買い取ることでどのようなメリットがあるのでしょうか?
具体的なメリットについて、考えてみましょう。

まず、現在は毎月支払っている地代の支払いが、今後は不要となります。
それに伴って、契約の更新も不要となるので更新料も不要となり、さらには建物を建て替える際に地主様からの承諾を得る必要もなくなるので、承諾料を支払う必要もなくなります。

一時的に大きな金額の支払いが必要となりますが、その後の定期的な出費がなくなるため、数年のうちに元が取れる可能性は高いといえるでしょう。
これが最もわかりやすいメリットですが、それ以外にも様々なメリットがあります。

家を建て替える際などは住宅ローンを利用することも多いと思いますが、これまでのように借地権が付いている建物を担保にするよりも、自分が所有する土地を担保にできるようになるため、担保としての価値も向上することとなります。
そうすると、銀行の審査でも融資が可能になりやすくなるでしょう。

また、借地の場合は土地の使用方法が限られているのですが、自分の土地であればその制限もなくなります。
例えば、居住用として借りていた土地であっても、自分の土地となった以上はそこにマンションを建設したり、駐車場として貸し出したりすることも可能となるのです。

さらに、これまでなら住居の建て替えや大規模リフォームをする際には、地主様へと承諾料を支払う必要がありましたが、それもなくなります。
また、売却することになったとしても、借地の場合は地主様に名義変更料を支払う必要がありましたが、その必要もないのです。

売却に当たっては、借地権として売却するよりも土地そのものを売却できるので、買い手も見つかりやすくなります。
そのため、いざという時の換金性も高まるでしょう。
さらに、その土地の価値も借地権の場合は評価額の50%から70%ほどだったのが、100%の価値として認められることになります。

借地の場合は、地主様に支払う地代についても、いつ値上げされるかという不安があります。
実際にそのことでトラブルになる借地も多いのですが、自分の土地となってしまえばその心配もないのです。

借地を購入することには、このようなメリットがあります。
しかし、注意しなくてはいけない点もあるので、その点についても考えてみましょう。

注意点とは?

借地を買い取って自分の土地とすることには、大きなメリットがあります。
しかし、買い取る際には考慮しておきたい注意点もあるのです。
その注意点とは、どのようなことでしょうか?

まず、土地の価格というのは評価額を基にして決まるものではありますが、実際の価格はその土地の持ち主が決めることになります。
そのため、いざ買い取ろうと思った時に地主様から提示された価格が果たして適正な価格なのか、周辺の土地の取引価格や公示価格などを一度調べてみて、土地価格の相場を把握してから交渉するようにしましょう。

また、土地を買い取ったものの、地主様と土地の登記上の名義とが一致していなければ、名義を借地人様に変更することができません。
時には、地主様の親の名義などのままとなっていて、名義が不一致となり名義変更ができない場合があります。
その際は、地主様がまず相続登記を行わなくてはいけないのです。

この名義変更ができなければ、住宅ローンを組む際などに担保としての設定ができなくなり、金融機関からは名義を一致させてから出なければローンが組めない、といわれることがあります。
そうなってから地主様に依頼するよりも、最初から名義を変更してもらえるように依頼しておきましょう。

買い取った土地は今後自分のものとなるので、その土地にトラブルがあっても自分の責任となります。
特に多いのが、古い土地における境界線トラブルです。

借地を買い取る場合には、境界線を明確にしておかなければ後になってトラブルとなることもあり得るので、買い取った際にはしっかりと測量を行い、境界線を明確にしておきましょう。

また、これまでは地主様が借地にかかる固定資産税や都市計画税を支払っていましたが、今後はそれも自分で納めなくてはいけません。
土地の価格に応じて固定資産税も高くなるので、思ったよりも高い場合もあります。
どのくらいかかるのか、あらかじめ想定しておきましょう。

まとめ

借家やマンションなどで、毎月家賃を支払うよりもマンションや一戸建てを買ってしまった方が将来的に得だ、と考える人は多いでしょうが、それは借地に対しても当てはまります。
更に、借地の場合は他の賃貸物件よりも色々な制限や手間があるので、それを解消する意味でも借地を買い取るということにはメリットがあります。
しかし、いくつかの問題点もあるので、買い取る時はその点にも注意して、後々トラブルにならないよう気を付けましょう。

 

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