なぜ不動産契約には実印が必要なの?その理由を解説します

不動産契約の際に契約書を作成するのですが、その際には実印を用意して欲しいと不動産業者から言われることがあります。不動産契約は実印でなければいけないのでしょうか?また、実印で捺印することを求められる理由とは何でしょうか?
・実印の意味は?
そもそも契約書などに慣れていない場合、実印を押す意味が分からないという人もいます。実印といえば、特別に作った高級な印鑑と言うイメージもありますが、実際には自分が住んでいる地域を管轄する役所に登録した印鑑の事であり、どのような印鑑でも問題ありません。その印鑑が押されている書類については確かにその人の実印であると、役所が保証してくれることとなります。
不動産契約の他にも車の売買契約など、高額な売買をする際には実印での捺印と、その印鑑が実印であることを証明する印鑑証明書の提出を求められることがあります。これは、本人の意思で契約を結んだという事を証明する意味があります。
実印が必要となるのは重要な書類の場合に限られ、通常契約をする際には認印でも充分です。しかし、役所での手続きなどではしばしば実印が必要となる事もあります。実印で捺印して印鑑証明書を提出するというのは、誰かが成りすまして契約を結ぶことを防ぐ意味合いもあります。
・不動産契約にはなぜ実印が必要?
それでは、不動産契約の際に実印が必要となるのはなぜでしょうか?実際には、不動産契約に実印が必要というのは法律で定められているわけではありません。そのため、認印でも契約は一応成立します。
しかし上述したように、実印で捺印するという事は本人の意思で契約を結んだという証明になります。また、その意味を分かっていれば重要な契約であるという意識を持つことにもつながります。
また、印鑑証明書は勝手に取得することはできません。そのため、実印と印鑑証明書で契約してもらうということは確かに本人が契約したという確認にもなり、なりすましでの契約を防ぐことにもなるのです。
さらに、不動産契約時にローン契約などが必要となる場合、金融機関から実印での捺印を求められる場合もあります。その際に連帯保証人が要る場合は、連帯保証人の実印と印鑑証明書も必要となる場合があります。これは、ローン契約の際の本人確認も兼ねています。
また、不動産契約に代理人を立てる場合には委任状も必要となりますが、その際にも委任状に実印での捺印をして、印関証明書も提出する必要があります。
不動産契約時に実印での捺印と印鑑証明書の提出を求められるのは、トラブルを防止する意味合いもあります。実印が押されていて印鑑証明も提出されている場合は、その契約を無効とすることは非常に難しくなるので、実印は厳重に保管しておきましょう。