戸建て住宅における階段の種類と特徴について
これから注文住宅、建売住宅を購入しようと考える方は、立地や間取り、広さなどについて重点的に条件を絞っていくかと思います。
また、これらの同じくらい大切なのが設備であり、戸建て物件においては、階段の使い勝手が生活の快適性に大きく影響します。
今回は、戸建て住宅における階段の種類と特徴について解説します。
戸建て住宅における階段の種類5選
戸建て物件に設置される階段の種類は主に以下の通りです。
・直階段
・かね折れ階段
・折り返し階段
・回り階段
・らせん階段
直階段
直階段とは、上階と下階を一直線で結んだ、折り返しのない階段をいいます。
まっすぐで見通しがよく、少ないスペースに設置できるシンプルな構造であることから、一般の住宅で多く使用されています。
一方で、直線であることから、バランスを崩したときには下まで転げ落ちてしまう可能性があります。
そのため、注文住宅の場合は、掴みやすい位置に手すりを設けたり、途中に踊り場を設けたりすることで、安心して上り下りできるよう工夫しなければいけません。
かね折れ階段
かね折れ階段とは、途中の踊り場で直角に向きを変える階段のことをいいます。
かね折れ階段は途中で踊り場ができるため、転落を防止する効果があります。
また、吹き抜けにかね折れ階段を設置すれば、視線の変化が楽しむことができるほか、階段下にできる空間を収納として利用できるため、効率良くスペースを使いたい場合は、かね折れ階段を選択することをおすすめします。
折り返し階段
折り返し階段とは、途中に踊り場が設けられていて、コの字型に方向を変えて上がる階段をいいます。
階段の途中に踊り場があるため、段数はその分だけ増え、階段の勾配が緩やかになります。
また、折り返し階段は、踊り場があることによって途中で休憩ができるというメリットがあるため、高齢者の方などが住む戸建て物件にはピッタリだと言えます。
回り階段
回り階段とは、階段の途中に30度または45度に分割した三角形の踏み板を設置し、向きを90度または180度変える階段をいいます。
途中に踊り場がある折り返し階段とは区別されます。
回り階段のメリットは、段差を均等に保てることであり、階段の途中で向きが変わるため、万が一の転落時にも一気に下まで転落する心配がありません。
また、180度向きを変える回り階段は、階段の上り口と下り口の向きが同じであることから、間取りを考える上で収まりが良く、使い勝手の良い間取りにすることができます。
らせん階段
らせん階段とは、柱を中心に踏み板がらせん状に配置されている階段のことをいいます。
柱ですべての踏み板を支える必要があるため、鉄骨でできているケースが多いです。
円筒形の空間を効率的に使い、踊り場も不要なため、設置スペースは小さくなり、狭小住宅にも適しています。
また、屋内の階段といえば廊下に設置されることが多いですが、らせん階段はリビングやその他の場所に設置されることも多いです。
ちなみに、らせん階段の多くは、蹴込み板がないため光が遮られず、明るくすっきりとした空間にできます。
少し変わった階段について
戸建て物件に設置される階段には、以下のような少し変わった特徴を持つ階段もあります。
・カーブ階段
・リビングイン階段
カーブ階段
カーブ階段とは、サーキュラー階段とも呼ばれるもので、優美に円弧を描きながら昇降する階段をいいます。
輸入住宅や洋風住宅によく見られ、水平、直角といった直線的な階段のイメージをくつがえす独特のカーブで、優美な空間を演出することができます。
玄関ホールを吹き抜けにしたり、階段部分にシャンデリアを吊るしたりするなど、さまざまな演出ができ、魅せる階段にできることがメリットです。
場合によっては、カーブ階段が住まいの印象をもっとも大きく左右する箇所になることもあります。
一方、デメリットとしては費用が高めであること、基本的には広いスペースが必要になることなどが挙げられます。
リビングイン階段
一般的に、戸建て物件の階段は、住宅の壁に沿って設置されます。
こちらは、見た目に安定感を与えてくれることや、家具を置く場所に悩むことがないことなどのメリットがあります。
こちらに対し、リビング内に階段が設けられたプランをリビングイン階段、またはリビング階段といいます。
各居室へ出入りするためには、必ずリビングを通る設計であるため、家族間のコミュニケーションの機会が多く持てるとされています。
また、階段に蹴込み板を抜いたスケルトンタイプや、らせん階段を採用し、リビングの開放感を演出したり、デザイン性を高めたりすることもできます。
まとめ
ここまで、戸建て住宅における主な階段の種類と特徴について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
冒頭でも触れた通り、階段の使い勝手が悪いと、戸建て物件は非常に住みにくくなってしまう可能性があります。
そのため、他のポイントに目が行く気持ちはわかりますが、しっかりと自身や家族の要望に合ったタイプを見極め、住宅を購入するようにしてください。