不動産売買・投資

不動産売買においてよく発生するトラブルについて

不動産売買では、取引相手との間でよくトラブルが起こります。
非常に大きな金額が動く取引であるため、こちらは致し方ありません。
ただし、どのようなトラブルが起こりやすいのか事前に把握しておけば、比較的スムーズに売買を完了させられる可能性があるため、今回は具体的なトラブルのパターンについて解説します。

不動産売買においてよく発生するトラブル6選

不動産売買で発生しがちなトラブルには、主に以下のパターンが挙げられます。

・境界に関するトラブル
・地中埋設物に関するトラブル
・残置物に関するトラブル
・契約キャンセルに関するトラブル
・設備の故障に関するトラブル
・管理規約に関するトラブル

境界に関するトラブル

一戸建てや土地の売買では、境界に関するトラブルがよく起こります。
例えば、売主が境界を明確にしようとしたものの、隣地の持ち主との意見が食い違い、売却前に確定できなかったというようなケースです。
売主は、原則境界を確定しなければ物件を売ることができませんが、上記のようにそれが不可能な場合は、別の方法で売却を進めることができます。
それは、売主と買主、隣地の持ち主という三者立ち会いで行われる境界確認です。
つまり、売主と隣地の持ち主との間で交わされる筆界確認書が用意できない代わりに、買主に境界確認に立ち会ってもらい、合意書を締結することで、売却を進めるという方法です。

地中埋設物に関するトラブル

土地の売買をする場合には、地中埋設物に関するトラブルもよく発生します。
地中埋設物とは、文字通り地中に埋まっているものを指し、具体的には以下のようなものが挙げられます。

・土壌汚染に繋がるようなもの
・建築工事に支障をきたす古い廃材
・放置されたままの浄化槽 など

売却する物件に地中埋設物があるかどうか、把握しているのは売主だけです。
そのため、地中埋設物が存在する場合は、必ず買主にその旨を伝えなければいけません。
また、買主が物件購入後、埋設物の存在に気付いた場合、売主に契約不適合責任を追及することができます。

残置物に関するトラブル

残置物に関するトラブルも、不動産売買では比較的多く発生します。
残置物とは、物件の売主が退去の際に残した私物(家具・生活用品・付帯設備等の動産など)をいい、中でもトラブルに繋がりやすいのが、エアコンやコンロといった付帯設備です。
売主は、売却する物件の付帯設備について、残っているのか残っていないのかを設備表に記載し、買主に告知しなければいけません。
しかし、買主に「残っている」と伝えているにもかかわらず、ついうっかり退去時にエアコン、コンロなどを持って行ってしまう売主がいます。
このようなことが起こると、買主からクレームが来ることは免れないため、注意してください。
また、不動産会社と意思疎通ができていなかった場合に備えて、設備表はなるべく売主自身が記入することをおすすめします。

契約キャンセルに関するトラブル

契約キャンセルに関するトラブルも、不動産売買では非常によく起こります。
中でも、買主が住宅ローンの審査に落ちたときのトラブルは、非常に事例が多いです。
買主の多くは、不動産購入時に住宅ローンを利用します。
また、まだ住宅ローンの審査を受けていないにも関わらず、つい先に不動産売買契約を結んでしまう買主がいますが、こちらはNGです。
なぜなら、審査に落ちてしまうと、不動産の購入代金を支払うことができないからです。
先に売買契約を結ぶ場合は、買主と売主合意の上で、特約を設けなければいけません。
具体的には、買主が住宅ローンの審査に落ちたとき、売買契約が白紙になるという特約です。
こちらは、買主にとっても売主にとっても、リスクヘッジの役割を果たす特約となります。

設備の故障に関するトラブル

不動産売買では、設備の故障に関するトラブルも多く発生します。
売主は、不動産を売却するとき、故障しているもしくは不具合のある設備について、きちん買主に告知しなければいけません。
仕組みとしては、残置物に関する告知と同じです。
また、故障や不具合を伝えていなかった場合は、当然トラブルに発生してしまうため、注意してください。
このような場合、故意であるかどうかは関係ありません。
ちなみに、故障や不具合があることを見逃さないためには、売主が設備表を作成する際、1つ1つの設備の動作確認を行うことが重要です。

管理規約に関するトラブル

管理規約に関するトラブルは、マンションの売買でよく発生します。
具体的には、売主が買主に対し、正確な管理規約を伝えていないことによって、後々トラブルが起こってしまうというケースです。
管理規約は、各マンションによって独自のものが定められています。
そのため、売主は改めて管理規約を見直し、正確な内容を伝えなければいけません。
また、伝えた内容が不十分だったり、間違っていたりする場合、マンションを購入した買主は思惑通りの生活を実現できない可能性もあります。

まとめ

不動産売買にトラブルは付き物です。
最初から最後まで、1つもトラブルを起こさずに完了させることは、決して容易ではありません。
ただし、売主もしくは買主の不手際、怠慢などをなくすことで、双方にとって限りなくノンストレスな不動産売買に近づけることはできます。
そのため、良い条件で売買することだけでなく、トラブルをなくすことにも注力する必要があります。

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