不動産売買の各媒介契約におけるメリット・デメリット
不動産売買における心強いパートナーといえば、やはり不動産会社です。
また、不動産会社に取引の仲介を依頼する際は、必ず媒介契約を締結しなければいけませんが、こちらには3つの種類があり、それぞれ異なった特徴があります。
ここからは、各媒介契約におけるメリット・デメリットについて解説します。
一般媒介契約
こちらは、名前の通り不動産売買におけるポピュラーな媒介契約で、同時にいくつもの不動産会社と契約することが可能です。
その他、一般媒介契約では、依頼者の方が自らの手で見つけた購入希望者と売買契約を結んでも構いません。
一般媒介契約のメリット
一般媒介契約には、以下のようなメリットがあります。
・不動産会社同士が競争してくれる
・不動産情報が広まらない
媒介契約は、実際に売買契約を成立させた不動産会社に対してのみ、依頼者が手数料を支払うという契約です。
そのため、「なんとか他社に先を越されないようにしよう」といったように、各社が競争してくれる可能性が高いです。
また、一般媒介契約にはREINSへの登録義務が存在しないため、売主の売り出し物件に関する情報は広く公開されません。
つまり、売却を知られたくない方におすすめだということです。
一般媒介契約のデメリット
一方で、一般媒介契約には以下のようなデメリットがあります。
・早期売買は見込めない
・各不動産会社に売買活動の進捗状況を問い合わせなければいけない
一般媒介契約では、売り出し物件の情報がREINSに登録されないため、できるだけ早く売買したい方にとっては、あまり適していません。
また、一般媒介契約の場合、各不動産会社から、売却活動における進捗状況が報告されない可能性があります。
その場合、依頼者は電話やメールなどによって、状況を確認しなければいけません。
専任媒介契約
こちらは、いくつもの企業との契約が認められていない媒介契約です。
契約期間は3ヶ月以内と定められていて、REINSへの登録義務もあります。
また、依頼者が見つけてきた購入希望者と売買契約を結ぶことも認められています。
専任媒介契約のメリット
専任媒介契約のメリットは以下の通りです。
・不動産会社のモチベーションが上がる
・窓口を絞ることができる
一般媒介契約とは違い、専任媒介契約の場合は、他の不動産会社に先を越され、報酬を受け取れないということがありません。
よって、不動産会社はより売買活動に力を入れてくれることが期待できます。
また、一般媒介契約の場合、何社とも連絡を取り合う必要がありますが、専任媒介契約は窓口を1社に絞ることができるため、依頼者の負担は軽減されます。
2週間に1回以上、不動産会社から売却活動に関する報告も受けられるため、売主から連絡しなければ状況がわからないということもありません。
専任媒介契約のデメリット
専任媒介契約には、以下のようなデメリットもあります。
・複数のネットワークから買い手や物件を探すことができない
・1つの不動産会社の力量に左右される
専任媒介契約の場合、1社としか契約ができないため、必然的に買主や売主の選択肢は狭まります。
もちろん、優秀な不動産会社であれば、迅速に購入希望者を見つけてくれることもありますが、さまざまなネットワークから買い手や売り手を選択したいという方にとっては、あまり向いていないかもしれません。
また、実績や力量のない不動産会社と専任媒介契約を結んでしまうと、他の会社の力を借りることはできないため、なかなか買い手や物件が見つからない可能性があります。
専属専任媒介契約
こちらは、複数社との契約が認められておらず、1社に仲介を委ねる形態です。
依頼者が自身で見つけた購入希望者との契約に関しても、依頼した会社に話を通さず、無断で成立させることができません。
その他、不動産売買の進捗状況における報告についても、1週間に1回以上と頻度が多くなっています。
専属専任媒介契約のメリット
専属専任媒介契約には、以下のようなメリットがあります。
・売買期間が長引く可能性が低い
・オプションサービスの対象になる可能性がある
専属専任媒介契約を締結すれば、不動産会社はアクティブに売買活動を行ってくれる可能性が高いです。
よって、売却の場合、なかなか買い手が見つからず、売り出し物件の価格が低下するといった状況にはなりにくいです。
また、こちらの契約形態の場合、各社が独自で行っているハウスクリーニング、ホームインスペクションなどのサービスを無料で受けられる可能性があります。
専属専任媒介契約のデメリット
専属専任媒介契約では、直接依頼者が見つけてきた購入希望者と売買契約を結ぶことができません。
その上、契約する場合は、不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。
このように、フレキシブルな取引がしにくいという点が、専属専任媒介契約における唯一のデメリットだと言えます。
まとめ
ここまで、不動産売買における重大な要素の1つ、媒介契約について解説しましたが、いかがでしたでしょうか？
どの媒介契約が優れていると一概には言えませんが、それぞれの形態が向いている方は確実に存在します。
例えば、「とにかく早く売りたい」という方は1社のみに依頼する形態、「色々な買い手や物件を見てじっくり決めたい」という方は複数社と契約できる形態を選ぶと良いでしょう。
