【不動産投資】マンション投資とアパート投資の異なる点
これから不動産投資をする方の中には、マンション投資をするか、アパート投資をするかで迷っている方もいるでしょう。
また、これらの投資をほぼ同じものだと考えている方もいるかもしれませんが、実際はいくつもの異なる点があります。
今回は、具体的にどこが違うのかについて解説していきましょう。
①初期費用
代表的な不動産投資であるマンション投資、アパート投資の大きな違いとしては、まず“初期費用”の金額が挙げられます。
まったく同じエリアで、まったく同じ規模の投資用マンション、アパートを購入する場合は、当然マンションの方が初期費用は高くなりますが、“初期費用を抑えやすい”のはマンションの方だと言えます。
なぜなら、マンション投資には“区分所有をする”という選択肢があるからです。
つまり、一棟マンションを購入すれば初期費用は高額になるものの、1室のみを購入する区分所有であれば、ある程度費用を抑えられるということですね。
一方、アパートの場合は、建物と土地をすべて購入するケースがほとんどで、区分所有をするケースは非常に少ないです。
したがって、マンションと比べると、大幅に初期費用を抑えるのは難しいと言えます。
②収入金額
代表的な不動産投資であるマンション投資、アパート投資には、“収入金額”の面でも違いがあります。
同じ規模の場合、収入金額が大きくなるのは、やはりマンション投資ですね。
都内の一等地にあるタワーマンションの1室等であれば、1部屋貸し出すだけでも、非常に大きな収入が得られるでしょう。
逆に、アパートは基本的に築年数が古く、高層のものもないため、1室だけで十分な賃料収入を得るのは難しくなります。
③耐用年数
“耐用年数”も、代表的な不動産投資であるマンション投資、アパート投資における異なる点の1つです。
耐用年数とは、減価償却資産が利用に耐える年数のことをいい、これは建物の構造ごとに法律で定められています。
ちなみに、木造と鉄筋コンクリート造の耐用年数には25年もの差があります。
つまり、鉄筋コンクリート造の方が、25年も長持ちするというわけですね。
これを考えると、木造であるケースの多いアパートは、基本的に耐用年数が短いということになります。
逆に、マンションの多くは鉄骨や鉄筋コンクリートできているため、耐用年数は長くなります。
④キャッシュフロー
代表的な不動産投資であるマンション投資とアパート投資には、“キャッシュフロー”における違いもあります。
キャッシュフローにはさまざまな意味がありますが、この場合は不動産投資をすることで、実際オーナーの手元に残る資金を意味します。
先ほど触れたように、アパートは木造、マンションは鉄骨造もしくは鉄筋コンクリート造であるケースが多いです。
そのため、減価償却費の計上年数にも明確な違いが出ます。
また、減価償却費は、耐用年数分しか計上できないため、木造アパートの場合は建築から22年後、鉄骨・鉄筋コンクリート造マンションの場合は27~47年後にキャッシュフローが苦しくなってきます。
つまり、マンション経営をすれば、アパート経営よりも長い間、キャッシュフローを安定させられる可能性が高いというわけですね。
⑤耐久性
代表的な不動産投資であるマンション投資、アパート投資には、“耐久性”という違いもあります。
しつこいようですが、マンションの多くは鉄骨もしくは鉄筋コンクリート造です。
そのため、外壁材を重く硬い建材で仕上げることができ、必然的に耐久性は高くなります。
一方、アパートの外壁には、“サイディングボード”という素材がよく使用されます。
特に、木造アパートでは、天然の木を加工して造った木質系のサイディングボードが採用されるケースが多く、これは耐久性や汚れにあまり強くありません。
したがって、耐久性に関しても、優れているのはマンションだと言えます。
⑥セキュリティ性
代表的な不動産投資であるマンション投資とアパート投資には、“セキュリティ性”にも大きな違いがあります。
当然物件にもよりますが、近年のマンションには、オートロックが付いていることが多いです。
一方、アパートの場合、比較的建築されてから年数が経過していないものであったとしても、オートロックはほとんど付いていません。
そのため、エントランスから部屋の前まで、入居者ではない第三者でもたどり着いてしまいます。
もちろん、オートロックがあれば100%安心というわけではありませんが、入居者の安全を考慮するのであれば、比較的セキュリティ性が高いマンション投資を選ぶ方が良いかもしれませんね。
⑦空室リスク
“空室リスク”も、代表的な不動産投資であるマンション投資とアパート投資の大きな違いです。
空室リスクとは、退去者が出ることで、オーナーの収入が減ってしまうリスクのことを指していますが、このリスクが大きいのは、どちらかというとマンション経営でしょう。
なぜなら、マンション経営には区分所有をするケースがあるからです。
一棟マンションのうち、1部屋だけを所有して不動産投資をする場合、その部屋が空室になったら、オーナーは一切収入を得られませんよね。
一方、アパート投資は一棟で行うことが多く、仮に空室が出たとしても、他の部屋でカバーしやすくなります。
⑧賃料下落リスク
代表的な不動産投資であるマンション投資、アパート投資には、“賃料下落リスク”に関しても違いがあります。
賃貸物件における賃料は、主に物件の老朽化によって低下します。
また、マンションは堅固な素材を使用して造られているケースが多いため、老朽化しても目立ちにくく、入居者に敬遠されたり、賃料が低下したりする可能性が低いです。
一方、アパートは古いものと新しいものの見た目がハッキリしていて、老朽化の程度は如実に現れます。
そのため、築年数が古いと入居者に避けられやすく、賃料を下げないとなかなか部屋を埋められなくなる可能性が高いです。
⑨自主管理のしやすさ
代表的な不動産投資であるマンション投資、アパートの異なる点としては、“自主管理のしやすさ”も挙げられます。
マンションの中には、100戸以上の戸数を誇るものもあります。
したがって、場合よっては、オーナーが自主管理をするのは現実的に不可能であることも考えられます。
一方、アパートには高層のものもなく、戸数もそれほど多くないため、一棟でも自主管理で十分経営していけるでしょう。
⑩維持管理費
“維持管理費”も、代表的な不動産投資であるマンション投資、アパート投資の異なる点です。
マンションの多くは、エレベーターが存在します。
また、管理人が常駐することもあり、その他の設備も基本的にはアパートより充実しているため、必然的に維持管理費はかかりやすくなります。
つまり、共用部分の充実度は高いものの、その分出ていく資金は多くなってしまうというわけですね。
一方、低層のアパートには、エレベーターがついていないケースも多いですし、それほど共用部分の設備も多くないため、マンションに比べて維持管理費はかかりません。
まとめ
ハッキリ言って、代表的な不動産投資であるマンション投資、アパート投資を比較すると、マンション投資の方が優れている点は多いです。
ただ、オーナーがどんなことを求めているのかによっては、アパート経営の方が向いていると判断できる可能性もあります。
これから購入物件を選ぶ方は、ぜひ本記事の内容を参考にして、これからのオーナーライフを充実したものにしましょう。