不動産投資において重要な“管理会社”のあれこれ
優良な不動産投資用物件を購入するためには、まず信頼できる不動産会社を選ぶ必要があります。
また、不動産投資自体を成功させるには、優秀な“管理会社”の存在が必要不可欠です。
今回は、そんな管理会社が持つ役割、そして選ぶべき管理会社の特徴などについて解説していきたいと思います。
管理会社の役割について
管理会社とは、その名の通り賃貸物件管理の委託業務を行う専門業者のことを言います。
不動産投資では、必ずしも管理会社に業務を委託する必要はありませんが、オーナー自身がすべての管理業務を行うのはあまりにも負担が大きいため、管理会社を利用するのが一般的となっています。
特に、兼業投資家の方で、管理会社を利用していない方はほとんどいません。
そんな管理会社の役割は、主に以下の通りです。
入居者の募集
賃貸借契約内容の設定
賃貸借契約書等の作成および契約業務
入居者からの賃料の受け取り
賃貸借契約書等の保管
入居者の賃料遅延、滞納への対応、督促
退去時の各業務(補修箇所のチェック、敷金計算、鍵の回収など)
退去時の補修工事の業者手配
賃貸借契約違反時の対応
物件設備の故障時における業者手配
入居者の要望、クレーム等の対応
敷金の保管 など
管理会社に業務を委託すれば、不動産投資において必要なこれだけの業務をオーナーの代わりに遂行してもらうことができます。
逆に、管理会社を利用しない場合、これだけの業務をオーナー自身で行うことになります。
そう思うと、大きな負担になってしまうのも納得ですね。
“定額”で委託業務をこなしてくれる管理会社を選ぼう
不動産投資において重要な管理会社の役割を知っていただいたところで、次は選ぶべき管理会社の特徴について解説していきましょう。
まず、管理会社選びに悩んだときは、“定額”で委託業務をこなしてくれる管理会社を選ぶようにするべきです。
管理会社への委託とは別の方法に、“サブリース”というものがあります。
サブリースとは、サブリース会社がオーナーから賃貸物件を一括で借り上げ、入居者に転貸する契約のことであり、空室リスクを減らす方法としてとても一般的です。
ただ、サブリース契約は30年以上の長期契約となるだけでなく、2年ごとにオーナーとサブリース会社における契約内容の更新があります。
また、その際、サブリース会社から賃料の引き下げなどを打診され、もしオーナーが応じなかった場合は、そこで契約が終了してしまう可能性もあります。
つまり、サブリースは空室リスクを軽減できる仕組みではあるものの、突然安定収入を失いリスクもあるということですね。
したがって、安定収入を求めるのであれば、毎月定額で業務をこなしてくれる管理会社を選び、急な賃料の引き下げや契約打ち切りのリスクを防ぐ方が賢明だと言えます。
入居者募集能力に秀でたところはおすすめ
不動産投資における管理会社を選ぶ際は、入居者募集能力に秀でているかどうかチェックすることも大切です。
不動産投資を軌道に乗せるためには、何と言っても早急な入居者の確保が必要となります。
そのため、さまざまな工夫で入居者を募集し、空室を埋める努力を怠らない管理会社は、とても心強いパートナーとなるでしょう。
もちろん、入居者募集能力に秀でた管理会社を選ぶには、委託するオーナー自身が、管理会社の入居者募集に関する工夫について、事前に調べたり、直接管理会社に質問したりすることを忘れてはいけません。
また、退去者が出たときに、次の入居者募集を迅速に行える管理会社も、入居者募集能力に秀でていると言えます。
退去者が告知から実際に退去するまでには、数ヶ月の期間があるため、この期間にいかに迅速に入居者募集能をできるかが、空室を出さないためのポイントとなるためです。
オーナーの利益を考えて行動してくれるところもおすすめ
不動産投資において重要な管理会社を選ぶ際は、オーナーの利益を最優先に考えて行動してくれるところをおすすめします。
例えば、賃料の設定に関しては、周辺相場を徹底的に調べ上げた上で、適切な金額を設定してくれる管理会社を選ぶべきでしょう。
できるだけ高い金額を設定する管理会社の方が、オーナーの利益を考えているという見方もできますが、その見方は正しくありません。
なぜなら、いくら賃料を高めに設定しても、入居者が決まらなければオーナーの利益にはなりませんし、そもそも周辺相場よりも賃料が高い物件は、なかなか入居者が決まりません。
また、オーナーの利益を最優先に考えている管理会社であれば、“管理費込み”の賃料を物件情報サイトに掲載してくれるでしょう。
例えば、賃料80,000円の物件として掲載してしまうと、70,000円台までしか選択肢に入れていない方には検索されませんが、これを賃料75,000円、管理費5,000円という書き方にして掲載すると、70,000円台までで検索している方にも物件情報を見てもらうことができます。
もちろん、実際はどちらも同じ値段なのですが、少しでも物件情報を見てもらうことで、魅力が伝わり、入居者が決まるということは十分考えられます。
定休日がないところを選ぶ方がいい
不動産投資における管理会社を選ぶ場合は、なるべく定休日がないところを選ぶ方が良いでしょう。
管理会社の中には、週に1回の定休日を設けているところもあります。
一般的な会社では当然のことですね。
ただ、不動産投資において重要な役割を果たす管理会社が定休日となると、その日に内見の申し込みをしたい方などが連絡できません。
つまり、定休日があることで、入居者獲得のチャンスを逃してしまうかもしれないということです。
また、管理会社は、入居者からの要望やクレームを一時的に受け付ける窓口のような存在でもあります。
ただ、管理会社が定休日の場合、入居者はそのような連絡をすることもできず、不満が溜まってしまったり、直接オーナーに連絡が来たりする可能性もあります。
オーナーがその連絡に応じられない場合、さらに入居者の印象は悪くなるでしょう。
そのため、たとえ定休日であっても、上記のような窓口だけは最低限稼働している管理会社を選ぶべきでしょう。
管理会社を変えることはできるのか?
業務を委託している管理会社の対応、業務のこなし方などに納得いかない場合、管理会社は変更できるのでしょうか?
答えはもちろんYESです。
その場合は、まず現在の管理会社と交わした管理委託契約書の内容をチェックしましょう。
契約書には、解約告知のタイミングが記載されていますので、それにしたがって現在の管理会社に連絡します。
例えば、解約予告期間が3ヶ月で、7月までに解約したい場合は、4月までに現在の管理会社に解約の旨を伝えましょう。
その後は、新しい管理会社の選定、決定、管理委託契約へと進むことで、変更は完了します。
不動産投資をするにあたって、管理会社を変更するということは、とても大きな出来事のように感じますが、実際はそんなこともありません。
また、管理会社側も変更に関する手続きに慣れている場合が多いため、なかなかスムーズに変更手続きが進まないということもないでしょう。
まとめ
ここまで、不動産投資において重要な管理会社に関することをあれこれ解説してきましたが、いかがでしたか?
不動産投資と管理会社が極めて密接な関係にあることは、理解していただけたかと思います。
また、管理会社を選ぶときには、とても細かいところまでチェックしなければいけないため、「大手だから」という安易な理由で選ぶのは控えましょう。