“不整形地”の種類と売却に向いていない理由について
形が整っており、比較的売却しやすいとされている土地は“整形地”と呼ばれています。
これに対し、形が整っておらず、あまり売却には向いていない土地のことを“不整形地”と言います。
今回は主な不整形地の種類と、売却に向いていない理由について詳しく解説します。
不整形地の主な種類
不整形地が売却に向いていない理由を解説する前に、まずは主な不整形地の種類について解説します。
・旗竿地
旗竿地とは、接道から細長い通路が奥に向かって伸びており、奥の部分に開けた土地がある不整形地のことを言います。
上から見ると立てられた旗のように見えることから、こう呼ばれています。
・L字型の土地
名前の通り、土地がL字型になっている不整形地のことを言います。
・三角形の土地
こちらも名前の通り、土地が三角形になっている不整形地のことを言います。
土地が2つの接道に挟まれるように立地しているのが特徴です。
・傾斜地
傾斜地とは、土地の形自体は正方形や長方形であっても、土地の奥に行くにつれて傾斜が高くなったり、低くなったりしている不整形地のことを言います。
・崖地
崖地とは、先ほど紹介した傾斜地のうち、特に傾斜が大きい(30度以上)不整形地のことを言います。
不整形地が売却に向いていないのはなぜ?
主な不整形地の種類をいくつか紹介しましたが、これらの不整形地が売却に向いていないのは、一体なぜなのでしょうか?
主な3つの理由を見ていきましょう。
・使い勝手が悪い
不整形地が売却に向いていない理由として、まず非常に使い勝手が悪いという点が挙げられます。
例えば、形が整っていないことによって、理想とする建物を建てることができなかったり、建物を建てられたとしても、敷地を効率的に使えなかったりします。
また整形地と同じ方法で建物を建てられないことも多く、費用がかかりやすくなるという欠点もあります。
・法律上の制限が多い
不整形地が売却に向いていない理由には、法律上の制限が多いという点も挙げられます。
土地に建物を建てる際は、幅4m以上の道路に2m以上接する必要があり、この条件を満たしていない土地では、建物が建てられません。
例えば先ほど解説した旗竿地において、接道から奥に向かって伸びている通路の長さが2mを切っている場合、建物を建てるのは法律上不可能ということになります。
・借入がしにくい
整形地、不整形地を問わず、土地を買う場合はほとんどの方が金融機関から借入を行います。
このとき金融機関は、購入の対象となる土地に担保権を設定し、債務者が借入金を返済できなくなったときに備えます。
ただ不整形地の場合、売却しても価格が安くなったり、売却しようにも買い手が見つかりにくいことが多かったりするため、不整形地が購入の対象となる場合、金融機関は借入を認めてくれないケースが多くなります。
つまり不整形地は、買い手が購入のための資金を調達しにくい土地であるため、あまり売却には向いていないということです。
不整形地が売却する場合は“分筆”も視野に入れよう
不整形地をなるべくスムーズに売却したいという方は、“分筆”という選択肢も視野に入れておきましょう。
つまり不整形地をある一定の部分で2つの土地に分け、整形地となった部分のみを売却するということです。
この方法を取ると、整形地に含まれなかった部分は余ってしまうことになりますが、整形地として売り出せるようになっただけでも、スムーズに売却できる可能性は高くなります。
まとめ
不整形地の種類、不整形地が売却に向いていない理由について解説しました。
今回解説した不整形地を所有しているという方は、そのままの状態ではなかなか買い手が付かないということをまず把握しておきましょう。
もし不整形地を売却するのであれば、分筆によって整形地を作り出したり、売り出し価格を下げたりするなどの工夫をしなければいけません。