不動産登記の手続きをする際には、実印が必要となるケースがあります。すべての押印が実印である必要はありませんが、不動産登記の手続きの中では実印でなければいけない場面もあるのです。それはどういった時でしょうか?

・不動産を売買する際の不動産登記で実印が必要なのは?

不動産を売買する際は不動産登記が必要となりますが、その時に必ず実印で押印しなければ行けない場合があります。ただし、すべての押印が実印である必要はなく、また基本的に認印だけあれば問題がないという場合もあります。

不動産登記の際に実印が必要となるのは、不動産売買のうち売主様です。これは不動産登記において、買主様はあくまで登記権利者という扱いであり、売主様が登記義務者となるからです。売主様にとって不動産登記は義務となり、その責任が重いということをしっかりと自覚するために、売主様は不動産登記に際して実印と印鑑証明書が必要となります。

これは不動産売買に限らず、不動産の贈与にかかる不動産登記をする際にも、贈与する側が同様の理由から実印で押印する必要があります。そのため、基本的には不動産を手放す側が不動産登記の際に実印でなければいけない、ということになります。

・不動産を受け取る側が不動産登記に際して実印が必要となるのは?

不動産売買による不動産登記で買主様が実印を用意しなければいけないのは、その不動産を購入する際に住宅ローンを申し込み、その不動産に抵当権を設定する場合です。住宅ローン申し込みの際にも実印は必要となるのですが、不動産登記において抵当権を設定する場合には、住宅ローンを提供する金融機関にその不動産の権利について一部を譲る、という形になるため、買主様であっても実印が必要となります。

また、相続による名義変更で不動産登記をする場合は遺産分割協議書を作成する必要がありますが、その際も実印と印鑑証明書が必要となります。この場合は基本的に相続人全員の実印と印鑑証明が必要となるので、登記する人だけでいいと勘違いしないように気を付けましょう。

基本的に、買主さまなど受け取る側は勝手に手続きをされたとしても損をする可能性は低く、売主様など手放す側は損をする可能性が高くなります。そのため、不動産登記の際に実印と印鑑証明書を必要と定めることで、その手続きが本人による正当なものであることを証明する必要があるのです。
不動産契約の中には、実印でなければ契約できない場合と、認印と実印のどちらでもいい場合があるので覚えておきましょう。