相続

換価分割について解説します!

相続の際、遺産分割で頭を抱える人は多いでしょう。

特に不動産の扱いとなると、結構難しいですよね。

経験された方ならば、その苦労に共感できるでしょう。

そんな時のために、不動産の相続トラブルを回避できる方法があるのです。

今回は、換価分割という方法について解説したいと思います。

換価分割の解説~①分割方法の概要とは?~

換価分割の基本的な解説をする場合、押さえておくべき内容には以下の項目が挙げられます。

遺産分割方法にはいくつか種類がありますが、分割をする場合は公平性が大切になってきますよね。

例えば、現金の財産を分ける時は、民法上のルールに則り、相続人全員に適切な割合分の分割がされるでしょう。

一方で、不動産の場合、土地を分割することは困難ですよね。

そのような時に、利用する方法になります。

ここでは、以下の内容を解説したいと思います。

・換価分割による分割とは?
・得られるメリット
・生じるデメリット

基本知識となる上記3点を、しっかりと学んでおきましょう!

換価分割による分割とは?

この分割方法は、みなさんの家庭でも行われる分割方法になり、不動産の扱い方はいたってシンプルです。

それは、不動産を売却し、売却した現金を相続人で分割する方法になるからです。

不動産自体を分けることは難しいですが、現金化してしまうと分けることは簡単ですよね。

不動産相続で多いトラブルの原因は、ココにあると言ってもいいでしょう。

売却し現金化するこの方法は、トラブル回避としてメジャーな方法だと言っても過言ではありません。

得られるメリット

この方法で得られるメリットは、何と言っても資産が分けやすくなることです。

分割しやすい状態にできることは、遺産分割にとって大切な要素ですよね。

その他にも、得られるメリットが2つあります。

1つ目は相続が終了してから自宅を売却することで、相続税の節税ができることです。

相続税の課税の仕組みとして、不動産で資産価値を把握しておくと、現金よりも課税対象額を小さくすることができますよね。

つまり、納付額を少額にすることができますから、現金化するタイミングを間違わなければ税制優遇を活用することができるでしょう。

2つ目は、不動産を売却することで、相続税を納付する際のお金の足しにできることです。

相続税の納付は、現金一択。

納付をするにしても、相続状況から納付額に足りないという場合もあり得るでしょう。

その際に、現金化しておいていると、不足分を補うことができますよね。

このように、自分の資産に対してのメリットだけでなく、相続税に関する悩みを解消できる手法にもなり得るのです。

生じるデメリット

一方で、メリットばかりではありません。

大きなデメリットとしては、売却に関することが挙げられるでしょう。

不動産を売却するとなると、すぐに買い手が見つかるとは限りません。

中には、不動産の立地等の条件から、中々売却先が見つからないこともあるでしょう。

また、相続人の中には売却に反対する人や、ある程度の価格でなければ売ることを認めないという人もいますよね。

そのため、売却をする場合には、相続が始まる前段階から話し合いや売却価格のリサーチをしておく必要があります。 相続人全員の合意が前提になりますから、もしかすると、少し苦労される人もいるかもしれません。

換価分割の解説~②遺産分割協議書作成時のポイント~

最後に、換価分割を実行する際に、みなさんが注意すべき、最も重要な項目について解説します。

換価分割を行う場合、遺産分割協議書の作成は必須になります。

なぜ必要なのかというと、不動産を現金化した時に、分割がされることになります。

しかし、分割の状況が不明だと、相続人同士でトラブルに発展してしまいます。

さらに、大変なのは、売却手続きをしている段階で贈与を行っていると見なされてしまうことです。

相続税の納付だけでなく、贈与税の納付も求められると、税金の納付額がかなりの額になってしまいますよね。

この状況を避けるには、遺産分割協議書に便宜上の名義人を相続人から選び登記すること、分配金額を明記することが求められます。

そして、その通りに分割を行えば、協議書通りに相続が行われたことになりますから、贈与扱いにはなりませんよね。

従って、協議書に記載しておくというのは、様々な誤解を生まないためにも大切なことが分かるでしょう。

特に、相続人が複数人に渡るケースや、相続自体が複雑になりそうなケースの場合は、自分たちで作成するより、専門家に依頼すべきです。

この場合だと、私たちでも状況把握が大変ですから、混乱が生まれてしまう可能性があるでしょう。

また、遺言書がある場合は、それに従って行うのがセオリーですが、状況によってはその内容と違った形で行いたい場合もありますよね。

どのような形であっても、協議書の作成はマストになると思って下さい。

まとめ

今回は、遺産分割の方法の1つである換価分割について解説しました。

不動産の捉え方として、公平性を保ちながら分割できる方法になりますので、公平に分割したいニーズがある場合に役立つでしょう。

一方で、協議書をしっかりと作成しなければ、後から贈与税の対象になる等、大変なこともあります。

少しでも実施する可能性があるならば、早い段階で不動産の査定等を依頼し、まずは状況を把握することをオススメします。

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