相続

遺言書の作成方法とポイント

相続トラブル回避のために、遺言書の作成を検討している人はいませんか?

老後も元気に過ごせるに越したことがありませんが、認知症のように判断能力が低下してしまうこともありますよね。

何より、自分の意思表示をしておきたい人もいるでしょう。

今回は、遺言書の作成の際に知っておくべきポイントをご紹介します。

遺言書作成のポイント~①遺言書の種類を学ぼう~

突然ですが、みなさんは遺言書を個人の好きなタイミング、自由な形式で作成できると思っていませんか?

実は、ある程度の形式で作成しなければ、せっかく書いた内容が無効になってしまうことがあるのです。

それでは、作成した意味がなくなってしまいますよね。

このような状況を避けるためにも、まずは遺言書作成のポイントとして、種類を確認しておきましょう。

作成形式の種類には、以下の3つです。

・自分で全て作成する「自筆証書遺言」
・公証人の力を借りる「公正証書遺言」
・秘密裏に作成する「秘密証書遺言」

一言で遺言書を作成するといっても、パターンがいくつかありますよね。

それぞれどのような形式なのでしょうか?

自分で全て作成する「自筆証書遺言」

自筆証書遺言は、遺言者本人が作成する形式の遺言書であり、作成にかかる費用は一番少ないです。

最近だと、遺言書のテンプレートを参考にして作成している人もいますから、誰でも簡単にできるでしょう。

ドラマ等で作成される遺言書でよく見かけるパターンですよね。

一方で、自分で作成する分、管理等をどうすべきか、親族に自分から遺言書の存在を伝えるべきか等の判断を自分でしなければなりません。

また、きちんとした形式で作成しないと、遺言書としての効力が無効になってしまう場合もありますから、事前に調べた上で作成する必要があると言っていいでしょう。

公証人の力を借りる「公正証書遺言」

公正証書遺言は、自分で作成するのでなく、公証人に依頼し作成してもらう方法です。

公証人と呼ばれる法律のプロが作成してくれるだけでなく、公証役場で原本を保管してくれますから、効力が無効になったり紛失してしまったりすることを防げますよね。

作成を依頼する分、費用はかかりますが、自分1人で作成するよりは絶対に安心感があるでしょう。

作成にあたり、法律面の知識に不安がある人はオススメです。

一方で、作成にあたり証人の立ち合いが必要になりますから、内容を秘密にしておくことはできません。

あまり内容を知られたくない人にとっては、不向きな方法かもしれません。

秘密裏に作成する「秘密証書遺言」

秘密証書遺言とは、遺言書の作成自体は本人が行い、公証人役場で保管してもらうという方法です。

公証人や証人が関わるのは、あくまでも保管の時だけですから、秘密にしておきたい内容がある場合には安心できますよね。

先程ご紹介した、自筆証書遺言と公正証書遺言の良いとこ取りの形だと考えると、分かりやすいでしょう。

3タイプの種類が理解できると、みなさんにあった作成方法が見えてきますよね。

費用面だけでなく、作成した後のことも考えて判断してみて下さい。

遺言書作成のポイント~②内容面の作成時に注意すべきポイントとは?

ここからは、実際に遺言書を作成する際、重要視すべき内容面のポイントをご紹介したいと思います。

一般的に言われている日付や名前といった形式的な部分ももちろん大切ですが、それより重要なのは遺産分割に関わる内容面ですよね。

具体的な内容面の作成をする場合、分かりやすくするためのポイントがあるのです。

そのポイントとは、以下の通りです。

・相続財産の記載をする時は、金融機関や口座番号のように具体的に記載するようにする
・複数の相続人がいる場合、1つの財産を共有するような内容は避けるべき
・遺言執行者の記載
・企業の経営者ならば、予備的遺言の記載は必須

上記のポイントは、主に遺言書があってもトラブルになりやすい項目になりますよね。

例えば、資産があったとしても、具体的な形で明記していないと、何がどこまであるのか親族中で確認しなければなりません。

また、1つの資産を複数人で共有する形を取ってしまうと、どこまでの取り分になるのかで確実に揉めてしまうでしょう。

特に、不動産の共有をするとなると、扱いが難しいのが目に見えていますよね。

また、相続させたい人が予め決まっているような場合は、予備的遺言を入れることも大切です。

例えば、相続予定だった人が相続前に亡くなってしまった場合、その資産を相続人同士で争うことになりますよね。

これでは、トラブル回避の意味がありませんし、不穏なきっかけを作りかねません。

被相続人の想定外の事態を回避するためにも、一言で構いませんから、相続予定者が亡くなった場合の資産の行方を記載しておきましょう。

これは、企業の後継者に資産を無事に引き継がせるためにも重要な内容になります。

ちょっとしたことかもしれませんが、誰でも分かるように記載するというのは、相続状況を把握するためにも大切です。

内容を書く際は、今回の記事のポイントを思い出して下さい。

まとめ

今回、遺言書の作成で紹介したポイントは、要らぬ誤解や解釈を生み出さないための必須事項となります。

作成するにあたって最も大切なのは、分かりやすさ。

記載内容が複雑になってしまう場合は、自分で無理に作成しようとせず、公証人に依頼することも大切でしょう。

内容面だけでなく、どのような形で作成するのかも含めて、早い段階から考えておくと良いです。

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