底地・借地権

東京の借地の地代や更新料、各種承諾料等について

底地(貸宅地)を所有する地主様は、さまざまな問題や悩みを抱えています。
また、これらは底地(貸宅地)を所有し続ける以上、なかなか避けられるものではありません。
地主様の方でも、更新料や承諾料の相場などを知って頂くことで、更新時や各種承諾時において、借地人様との無用なトラブルを未然に防ぐことが可能になると思います。
今回は、多くの地主様がどんな問題や悩みを抱えているのかを詳しく見ていきます。

更新料について

底地(貸宅地)を所有する地主様は、更新料に関する問題を抱えていることが多いです。
具体的には、借地人様が更新料を支払えなかったり、支払いたくなかったりすることで起こるトラブルです。
更新料の問題が発生しやすい理由としては、やはり百万円単位にもなる高額な金額もそうですが、更新料って何なの?という根本的な疑問が原因かと思います。

更新料の支払い義務については、土地賃貸借契約書に更新時に更新料を支払う旨の定めと共に、その更新料の金額について、具体的な金額や計算式までも記載がなければ基本的に支払う義務があるとは言えないとされます。これまで一般的に利用されてきた旧法借地権の土地賃貸借契約書には、このような具体的な記載がないケースがほとんどです。しかし、慣例的に借地人様は地主様に更新料を支払ってこられたようです。これは何の為に支払ってきたのでしょうか?『理由なんか分からないけど、これまで支払ってきたので、急に支払わないとなれば、地主様との関係が気まずくなるから。』という答えが多数のようです。中には支払う義務がないので支払いを拒否する借地人様もおられます。当然、契約違反や法律違反ということではありませんので問題ありません。では、支払う義務がないなら、支払いを拒否するほうが得策だと、安易に考えて良いのでしょうか?ここでは意見が割れますが、長い目で見ると、更新料は支払う方がベターだと思います。しかし、不当に高額な更新料は支払うべきではないと思います。何故かというと、将来のご自宅の増改築や売却時に地主様の承諾が得られない可能性がとても高くなるからです。『いやいや、増改築や売却の予定はないから大丈夫だよ』という借地人様も、いつそのような状況に陥るか分かりません。例えば、多くの土地賃貸借契約書には、地主様の承諾なく増改築は禁止という定めがあると思います。その為、仮に火事や自然災害により自宅が損壊や焼失しても、地主様の承諾がなければ修理や建替えなどが出来ないことになります。誰も家事や自然災害は予見できません。火災や自然災害は稀なケースとなりますが、実際に建替えや売却時に困ったというケースはよくあります。古くなった自宅を建替えようと住宅展示場を家族と回り、ある程度の間取りも出来上がり、いざ地主様に建替え承諾を頂きたいと相談したところ、『お宅とは更新していないので、一切の協力は出来ない』と断られたという例は本当に多くあります。売却時もそうです。お母様が他界し空家となった実家の相談例です。毎月の地代の負担もあるので、相続人の息子さんが実家を売却しようと考え、地主様に承諾を頂きたい旨の相談をしましたが、やはり、過去の更新料未払いが原因で譲渡承諾を得られず、売却計画が中止になったという話も多々あります。

しかし、地主様の承諾が得られない場合でも、裁判所が事情を聞き、地主様の代わりに増改築の許可を出す救済措置があります。この許可にも裁判所は相当の承諾料の支払いを許可条件に加える事が殆どとなりますので、タダということではありません。(この承諾料は過去の更新料の支払い状況等が勘案されるそうです。)火事や災害で大変な時に、裁判上の手続きが必要となれば借地人様はとても大変です。また、裁判所の許可が出るなら問題ないじゃないか!と考えるのは危険です。裁判所の許可を得たということは、地主様とのトラブルがある、いわゆる、訳あり物件として販売され、さらには、地主様の承諾がない物件には、銀行の融資が受けられないことが多いので、建替え時の建築費用の借り入れが出来ず、現金の調達が必要となったり、ご自宅の売却時については、購入希望者は住宅ローンが使えないなどの重大な問題に直面してしまいます。

このように、更新料の不払いのトラブルは、将来的に大きな問題に発展することがあります。更新料は、将来の安心の為の保険料として捉えて頂き、相場を参考に更新料を支払うことに損はないと思います。※更新料の相場とは、借地権価格の5%~10%と言われています。

地代の滞納について

底地(貸宅地)を所有する地主様は、借地人様における地代の滞納という問題に直面する場合があります。
また、地代の滞納が発生したとき、借地契約を解除しようと考える地主様も多いかと思いますが、これは決して簡単なことではありません。
なぜなら、地代の滞納を理由に契約を解除する場合、“信頼関係の破壊”がないと認められないからです。
そして、信頼関係の破壊の代表例としてこの地代滞納がありますが、1ヶ月や2ヶ月借地人様が滞納したくらいでは、地主様は契約を解除できないのです。
ちなみに、どれくらいの滞納があれば“信頼関係の破壊”と判断されるのかについては、ハッキリと決まってはいませんが、最低3か月から半年は滞納がないと、契約を解除することはできないとされています。借地契約の解除は弁護士や裁判に頼る場合もあり、とても大変な手続きとなりますので、地代の滞納が発生した場合、速やかに借地人様に督促状を送るなどの対応が、その後の裁判時の重要な資料となりますので、放っておかず、迅速に適切な対応をするようにお心掛けください。

一方で、借地人様においては、簡単には契約解除にならないからと言って、地代滞納はある程度許容されるものと考えてはいけません。地代のお支払いに困っているようであれば、早いうちに、地主様に相談してみてください。相談もせず、滞納状態が続いたり、地代滞納が一旦解消しても再び地代滞納を繰り返してしまうと大変です。今後も改善の見込みがないと、裁判所でも”信頼関係の破壊”を認められ、借地契約が解除、ついには、自宅を解体して土地を明渡すことになってしまう場合があります。極端な話になりますが、どうしようもなく困った場合、借地権を売却し、お住替えも可能です。しかし、借地権売却は地代様の承諾が必要なので、地代滞納で地主様との信頼関係が破壊される前であることが重要です。借地人様も困った時は、すぐに地主様に相談されるようお心掛け下さい。

建て替えについて

底地(貸宅地)を所有する地主様は、建て替え(増改築)に関する問題を抱えているケースも多いです。
底地(貸宅地)には、借地人様が所有する建物が立っていますが、借地人様所有の建物とはいえ、地主様に相談することなく、借地人様がこの建物を建て替えてしまった場合、契約に違反となる場合が多いです。
なぜなら、地主様と借地人様が交わす土地賃貸契約書の中に、「賃貸人(地主様)の承諾なく増改築はしてはならない。」という増改築禁止特約が含まれていることが多いからです。
つまり、増改築禁止特約がない場合、借地人様は地主様の承諾なく、増改築が自由に可能となります。しかし、実際のとろ、増改築時は金融機関でローンを組んで行うという方が多いと思いますので、このローンの手続きには地主様の承諾書というものが必要になることが殆どで、やはり、増改築禁止特約がなくとも、地主様に増改築の承諾をお願いするになっているとうのが現状です。では、増改築ではどのような場合でトラブルとなるのでしょうか?①一つ目は、工事業者の言う通り、増改築に該当しないので地主様の承諾は不要ということで、地主様には連絡を入れず、雨漏りや内装のリフォーム工事を行った場合です。この場合、確かに工事業者の言う通り、地主様の承諾は不要と考えられますが、突如、借地人様宅に足場が組み始められると、無断で大規模修繕を行っていると勘違いされ、地主様から契約解除だと工事を止められてしまったということになり兼ねません。従いまして、小規模な修繕でも足場を組むような工事を行う場合は、せめて地主様に事前にご連絡を入れておくことが望ましいと思います。②二つ目は、増改築時の承諾料の金額です。増改築のコストに加え、増改築の承諾料となると借地人様の負担はとても大変です。少しでも安くと考えるのは当然です。また、地主様も増改築の承諾をすると20年(非堅固は30年)の期間延長を認めることになりますので、相当の承諾料を要求したいと考えるのも当然です。ここで、双方の考える承諾料の予想が一致すると良いのですが、そうもいかず、高額な承諾料を要求されたという相談もあります。ここで、承諾料の相場を調べてみると良いでしょう。一般的には更地価格の3~5%程度と言われております。地主様も借地人様も、まずはこの相場を確認して頂き、話し合いで承諾料を決定されるとスムーズと思います。ただ、承諾をもらいたい借地人様にとっては、承諾を得られない不利益は大きなものになりますので、ある程度のところで妥協をせざるを得ないかとも思います。

纏めると・・・①修繕でも、事前に地主様に連絡をしておいた方が良い場合がある。②承諾料は相場をチェックして交渉する。借地人様は妥協しても十分に得る利益がある。

適正地代について

底地(貸宅地)を所有する地主様は、「適正地代がわからない」という問題、悩みを抱えているケースも多いです。
そして、何十年も地代の額が変わっていない底地(貸宅地)において、「地代の額が低いので上げたいけど、どう借地人様と話せばいいかわからない」という地主様も多く見受けられます。
まず、適正地代の相場はどの程度なのでしょうか。一般的には底地(貸宅地)の固定資産税都市計画税の合計額の3倍から5倍と言われています。この範囲を一つの目安とすると良いでしょう。しかし、地代の算出方法はいくつかの手法があり、地主様、借地人様の立場で採用する算出方法が異なり、双方の主張する適正地代にも開きが生じることが多く、話し合いで適正地代を決めていくことになります。この話し合いで決まらず、どうしても地代の増額や減額を要求したい場合は裁判所に頼ることになり、その際は、より正確に適正地代を要求する必要があり、不動産鑑定士に適正地代の算出依頼をすることになり、これを基に裁判所で適正地代の判断を仰ぐことになります。

底地(貸宅地)の相続について

底地(貸宅地)を所有する地主様は、底地(貸宅地)の相続における問題や悩みを抱えていることも多いです。
例えば、「底地(貸宅地)を相続するために、どんな準備をすれば良いのかわからない」といった問題や悩みですね。
まず初めに、底地(貸宅地)を相続するための準備は、土地賃貸借契約書の整備です。
土地の貸し借りは、現在の地主様が亡くなったからといって、そこで途切れるものではありません。
配偶者や子が相続し、引き継がれていきます。したがって、地主様の配偶者や子は、先代に成り代わって、これまで通り土地賃貸借契約をを継続させなければいけません。
ただ、そのとき契約書が手元になければ、新しい地主様は困惑してしまうでしょう。
そのため、当代の地主様は土地賃貸借契約をキチンと整備し残しておくことはもちろん、契約内容と実態が合っているか、土地賃貸借契約書以外の取決めや、過去の更新料の価格と算出方法、トラブルや賃貸経緯などを書面で残しておくことをおすすめします。
そうすれば、次の代の地主様も困ることもないでしょう。

まとめ

ここまで、底地(貸宅地)を所有する地主様が抱える問題や悩み、解決方法などについて解説してきました。
地主様や借地人様でも、地代や更新料各種承諾料の相場などをご確認頂くことで、トラブルはある程度回避できることと思います。また、借地人様においては、土地が借り物である以上、地主様の承諾を要す場合があり、その承諾をスムーズに得る為に、保険料として更新料を支払うという考えもあるということを知って頂けたらと思います。

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