納得のいく地代を設定するには…?
地代を設定するというのは、簡単なものではありません。
なるべく納得がいくように地代を設定したいところですが、そのためにはどうやって決めたら納得がいくのか、考えてみましょう。
納得がいくようにするには、どうしたらいいのでしょう?
地代とは?
地代というのは、土地を利用するための代金のことです。
借地料も同じ意味です。
借地にだけかかるようなイメージがありますが、そうでもないのです。
アパートや一戸建てを借りる時には、家賃を支払います。
しかし、一戸建てはもちろんアパートであっても、建物といっしょにその建物が建てられている土地も借りていることとなるので、実はその家賃には地代も一緒になっているのです。
だから、本来は家賃ではなく、家賃と地代を含めた賃料というのが正しいでしょう。
借地においては、この地代を決めることが非常に重大な意味を持ちます。
何故かというと、アパートのようにいつでも引越しが可能なものとは違い、借地はその契約期間が長く、しかも途中で契約内容を変更したい場合は相応の必要とされるからです。
つまり、地代を安くし過ぎた場合は長期的に収入が減ることとなり、さらに途中で地代を値上げしたいと思っても、その理由が認められるかどうかがわからないのです。
しかし、むやみに高くしてしまうと、今度はその土地を借りようという人が見つからなくなるでしょう。
その土地の用途によっても変わってきます。
土地の用途が住宅用なのか、それとも事業用なのかによって、適正な地代は違うでしょう。
事業用の方が高額となることが多いのですが、絶対という訳ではありません。
地代をどうすればいいのか、考えてみましょう。
地代の考え方
土地のちょうどいい賃料を決めるための方法は、いくつかあります。
その一つが、不動産鑑定評価基準を利用して計算するという方法です。
この評価基準には、土地の価値を鑑定するための方法が記載されています。
その方法や、土地の価値やその賃料を求める計算によく使われている方法を使って地代を計算すると、借主様も納得できる地代にすることができるでしょう。
そうした方法の中から、特に使われることが多い方法を4つ紹介します。
1つめは、利回り法というやり方です。
これは、地代の更地価格にその土地の期待利回りをかけた値に、必要経費として固定資産税や都市計画税を加えたものです。
この方法の利点は、期待利回りを得るのに適しているという点です。
しかし、問題としては適正な利回りを計算するための方法が難しいという点です。
その計算は省略して、2%程度の利回りとして計算する方法もあります。
余利回りを欲張りすぎると、地代が適正な範囲を超えてしまい貸主様の負担が増えることとなります。
なるべく多くの利回りを得たいのであれば、厳密に計算しなくてはいけないのですが、その場合は専門家に依頼したほうがいいでしょう。
2つめの方法は、賃貸事例比較法といいます。
これは、自分の持つ土地と似たような条件の貸地の条件がどうなっているのかを調べて、その地代から自分の地代を決定するというものです。
ただし、土地の価値というのはわずかな事でも大きく変わることがあるので、全く同じ条件の土地を探すのは難しいと思います。
似たような土地の地代は、とりあえずの目安として考えておくといいのではないでしょうか。
3つめの方法は、収益から分析する方法です。
これは、その土地にアパートやマンション、もしくは店舗を建てた場合に、どの程度の収益が期待できるかを計算して、そこから決めるのです。
ただし、土地によって建蔽率などの決まりがあるので、そういったことを考えて計算するのは普通の人には難しいでしょう。
この計算をするのであれば、専門家に依頼するのが無難です。
4つめの方法は、公租公課を基準としたものです。
固定資産税の税額と都市計画税の税額を合計したものが公租公課です。
その公租公課を何倍かしたものを地代とします。
土地の評価額×(固定資産税の税率+都市計画税の税率)=公租公課となります。
実際に請求されている固定資産税額は、住宅が建てられている土地は評価額が本来の6分の1ほどになっていることがあるので、別途計算したほうがいいでしょう。
この倍率は、住宅地を対象とする際は最低3倍から高くて5倍くらい、事業用の場合は最低5倍から高くて8倍くらいの倍率とされています。
この倍率は、土地の種類や場所によっても異なります。
ちょうどいい倍率を求めるには、近くにある借地の地代から考えましょう。
近くにある借地が、果たして何倍となっているのかを調べてみて、同様の倍率にしておくと適正な地代に近づくこととなります。
ただし、簡単に計算できるものの、その結果はあまり適正とはいえないこともあります。
土地の賃料を決めるには、それ以外にスライド法や差額分配法などの計算方法が用いられる場合もありますが、どの方法も普通の人が計算するのは難しいでしょう。
調べる際は、やはり専門家が頼りになります。
適正な地代はその時代における立地的な流行にも影響を受け、需要によっても変わってくるため、相場は時々で異なってきます。
不動産鑑定士に依頼したとしても、10人いて全員が同じ鑑定額となるということはまずあり得ません。
そのため、本来であれば地代というのは地主様と借主様が話し合い、お互いに納得できる価格を決めるというのが一番いい形になります。
それが理想ではありますが、様々な法律も関係してくることとなるので、個人で決定するのは非常に難しいでしょう。
地代については、専門家に相談するのが最も確実です。
専門家は、素人には難しい計算や一般では知らないような情報から、地代をいくらにすればいいのか提示してくれるでしょう。
もちろん、最終的には地主様と借主様の合意があればその地代は決まるのですが、専門家の解答であればお互いに納得のいくものとなるのではないでしょうか。
無理をして自分で決めようと思っても、ただ無為に時間が過ぎて何も決まらない、ということも良くあります。
ただ悩み続けるくらいなら、手間と時間を節約するために専門家を頼ってしまいましょう。
まとめ
土地を貸すときには、その地代をどうすればいいのか、ということは、常に地主様を悩ませるものです。
地主様からみれば納得がいく地代であっても、それを借主様が納得するとは限りません。
また、反対に借主様が希望する地代では、地主様が納得できない場合もあり得ます。
相場というものはあっても、定価というのは存在しないことを覚えておいてください。
お互いが納得さえできればいいのですが、その妥協点を探すというのは意外に手間と時間がかかるものです。
もしもなかなか地代が決まらない場合は、専門家に依頼してしまった方がいいでしょう。
専門家であれば、根拠のある適正な地代を提示してくれるので、地主様と借主様の双方が納得のいく価格となるでしょう。
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