住宅ローンにおける各借入先の特徴について解説します
不動産購入時に利用する住宅ローンに対し、“銀行で借りるもの”というイメージを持っている方は多いかと思います。
しかし、実際はそうとは限りません。
住宅ローンはさまざまな金融機関で取り扱われていて、利用する方はどこから借り入れるかを選択できます。
今回は、それぞれの借入先の特徴について解説します。
住宅ローンの主な借入先
住宅ローンは、主に以下の金融機関から借り入れることが可能です。
・メガバンク
・地方銀行
・信用金庫
・ネット銀行
では、それぞれどのような特徴を持っているのかを見てみましょう。
メガバンク
一般的に、巨大な収益規模、資産を持つ銀行グループのことをメガバンクといいます。
法律などで明確に定義されているわけではありませんが、日本における3大メガバンクグループには、以下が該当します。
・三菱UFJフィナンシャルグループ
・みずほフィナンシャルグループ
・三井住友フィナンシャルグループ
ちなみに、こちらに以下の2社が加えられ、大手銀行5グループとして扱われることもあります。
・りそなホールディングス
・三井住友トラストホールディングス
メガバンクの住宅ローンにおける特徴
メガバンクは資金力に余裕があるため、住宅ローンの金利も決して高くありません。
審査のスピードも早めで、提携ローンであれば2~3営業日で完了します。
その他、保証が手厚いケースも多く、3大疾病や7大疾病、火災保険などに割引価格で加入できる商品もあります。
メガバンクの住宅ローンを利用すべき人
メガバンクの住宅ローンは、以下の方に向いていると言えます。
・信頼性の高い大きな銀行から借りたい
・住宅ローンのことについて対面で教えてほしい
・手厚いサービスを受けたい
地方銀行
特定の地域を中心に、営業活動を行う銀行を地方銀行といいます。
“地方銀行=規模が小さい”というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、加盟行の多くは、本店時所在道府県で最大規模の金融機関であり、地域経済にも大きな影響力を持っているのが一般的です。
地方銀行の住宅ローンにおける特徴
地方銀行の住宅ローンにおける金利は、メガバンクと比べると若干高めに設定されることが多く、こちらはデメリットと言えるでしょう。
一方で、地域密着のため小回りが利くという強さがあり、比較的難しい案件に対しても、別の角度から申し込みの提案をしてくれるなど、柔軟に対応してくれる可能性が高いです。
地方銀行の住宅ローンを利用すべき人
以下に該当する方は、ぜひ地方銀行の住宅ローン利用を検討してみてください。
・地元で気軽に対面対応をしてほしい
・早急に手続きなどの個別対応をしてほしい
信用金庫
地域の中小企業や個人が利用者(会員)となり、互いに地域の繁栄を図る、協同組織の地域金融機関を信用金庫といいます。
利益第一主義ではなく、会員や地域社会の利益が優先されるのが特徴で、預かった資金は、その地域の発展に活かされるという点が、銀行とは大きく異なります。
もちろん、会員しか利用できない金融機関というわけではありません。
信用金庫の住宅ローンにおける特徴
信用金庫の主目的は地域社会の利益であるため、メガバンクではなかなか住宅ローンの審査に通りにくい個人事業主などの相談にも、積極的に応じてくれます。
その他、利用者の人柄も考慮してくれるなど、書面ではわからない側面を重視するなど、独自の目線で審査が行われるのも特徴です。
ちなみに、金利は地域によって格差が大きく(0.6~1.4%程度)、高いとも低いとも言えません。
信用金庫の住宅ローンを利用すべき人
信用金庫の住宅ローンを利用すべき方の特徴は以下の通りです。
・個人事業主の方
・その他属性に不安がある方
・細かい相談をしたい
ネット銀行
インターネットや電話などを介した取引を中心とする普通銀行をネット銀行といいます。
対面で相談できる店舗をほとんど持っていないのが特徴で、申込時の人件費などはほとんどかかりません。
近年は、ネット銀行の提携ローンが増加していたり、メガバンクでのネット型の住宅ローン商品が取り扱われていたりと、少しずつ主流の形になりつつあります。
ネット銀行の住宅ローンにおける特徴
ネット銀行の住宅ローンの金利は、申込の人件費などが抑えられている分、業界最低値クラスと言っていいほど低いです。
保証料もかからないケースが多いですが、審査にかかる時間はお世辞にも短いとは言えず、手数料は金利に反して高い傾向にあります。
ネット銀行の住宅ローンを利用すべき人
以下に当てはまる方は、ネット銀行の住宅ローン利用を検討しましょう。
・低金利の住宅ローンを利用したい
・忙しくて来店する時間がない
まとめ
ここまで、各借入先における住宅ローンの特徴を簡潔に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
自身にもっとも向いている借入先、住宅ローン商品を選ぶには、まず何を優先したいのかについて整理するところから始めましょう。
その上で、すべての借入先の特徴や傾向を把握し、一度それぞれに相談することができればベストです。