相続

日本国外にある不動産で相続税を抑えることは可能なのか?

相続財産の割合のうち、大半を占めているのが不動産であり、うまく活用することで相続税はかなり抑えることができます。
では国内ではなく、日本国外にある不動産でも、相続税を抑えることができるのでしょうか?
そもそも、日本国外にある不動産にも相続税はかかるのでしょうか?
詳しく解説します。

日本国外にある不動産にも相続税はかかるのか?

結論から言うと、日本国外にある不動産にも相続税はかかります。
相続税がかかるかどうかを判断する際に重要なのは、その不動産が国内にあるか国外にあるかではなく、その不動産の所有者の国籍、居住地です。
日本国外にある不動産であっても、その所有者が日本国籍の方で、なおかつ日本に居住している方である場合は、相続税がかかります。
ただ日本に居住する外国籍の方が、自身の国に所有する不動産に関しては、相続税がかからないというルールになっています。

日本国外にある不動産における相続税額はどのように評価される?

日本国外にある不動産であっても、所有者が日本国籍で、日本に居住する方である場合、相続税がかかるという話をしました。
また日本国外にある不動産における相続税額(評価額)は、基本的に国内の不動産と似たような方法で評価されます。
ただ日本国外には“路線価”がないため、国内の不動産とまったく同じ方法で評価することはできません。
したがって、路線価や固定資産税評価額の代わりに時価を用いて評価したり、専門家に依頼して評価したりすることになります。

日本国外にある不動産で相続税は抑えられるのか?

日本国外にある不動産で相続税を抑えることは、ハッキリ言って難しいと言えます。
日本国内にある不動産は、相続税額と時価に多少の開きが出るため、相続税を抑えることができます。
それに対し、国外にある不動産は、最初から時価や市場価格が相続税額とされているため、上記のような開きが生じません。
これが相続税を抑えるのが難しい理由です。

日本国外の不動産を相続するときに気を付けたいことは?

日本国外の不動産を相続するときに気を付けたいポイントは、まず相続税の納め方です。
日本国外の不動産を、国内に居住している方が受け継ぐ場合、相続税は日本で納めることになります。
ただ外国籍の相続人がいる場合は、日本ではなくその住所がある国で相続税を納めることになるため、注意しましょう。
また日本国外の不動産を相続する場合、各国の税金におけるルールの違いにも注意しましょう。
遺言なしで行われる相続では、相続人同士の話し合いで遺産分割が行われますが、このときに日本と対象となるもう一国のどちらの税率が高いのかをチェックしなければいけません。
また日本国外にある不動産の相続税額は、原則日本円で計算されます。
したがって、円高の時期を狙って相続をすれば、多少は相続税額が低くなります。
ただ相続はいつ起こるかわからないもののため、円高の時期を狙って相続をするというのは、あまり現実的ではありません。
したがって、被相続人が円高の時期に早めに生前贈与し、確実に課税額を抑えるというのも1つの方法と言えます。
ちなみに日本国外にある不動産は、相続税だけでなく贈与税もかかります。
ただ贈与する方と受け取る方の両方が日本国籍である場合、双方が日本に10年以上居住していれば、不動産の生前贈与における贈与税はかかりません。

まとめ

日本国外にある不動産でも、相続税を抑えることは決して不可能ではありません。
ただ評価方法の微妙な違いから、国内にある不動産よりは節税効果が乏しいと言えます。
また日本国外にある不動産を相続する際は、あらゆる点に注意して、適切かつスムーズな相続を心掛けなければいけません。
日本国外にいくつもの不動産を所有しているという方は、少しでも相続人の負担が減るように工夫しましょう。

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