“借地と底地の交換”って?知っておくべきことを解説!
地主様と借地人様が行う契約として、“借地と底地の交換”という少し特殊なものがあります。
これは、すでに借地契約を結んでいる地主様と借地人様の間で行われる契約の1つです。
今回は、借地と底地の交換の概要や特例について、また契約時に必要な書類について解説しますので、参考にしてください。
“借地と底地の交換”の概要
借地と底地の交換とは、借地人様の借地と地主様の底地の等価交換をする契約のことを言います。
例えば借地人様における借地権割合が70%のとき、借地人様の借地権30%、地主様の底地30%は等価となるため、これらを交換してそれぞれ土地を完全に所有するというような契約です。
また借地と底地の交換は、要件をクリアすることで譲渡所得がないものとされる特例が適用されます。
借地と底地の交換における特例について
借地と底地の交換には、“固定資産の交換の特例”というものがあります。
これは、土地や建物などの固定資産を交換したとき、譲渡所得がないものとされる特例のことを言います。
この特例を適用させるためには、交換する固定資産が同じ種類のものではないといけないという要件をクリアする必要があります。
つまり土地と土地の交換、建物と建物の交換に適用される特例ということです。
借地と底地の交換であれば、どちらも土地という同じ種類の固定資産を交換することになるため、この特例が適用されるというわけです。
ちなみに固定資産の交換の特例を受けるには、確定申告をする必要があります。
またもし固定資産の交換の特例が適用されなかった場合、多額の所得税と住民税が発生するため、事前に税理士に適用できるかどうかをチェックしてもらいましょう。
借地と底地の交換におけるその他のルール
借地と底地の交換は、等価交換をすることによって、それぞれが土地を完全に所有することができるという話をしました。
ただ借地と底地の交換は、必ずしも交換する借地と底地が等価である必要はありません。
しかし交換する借地と底地が等価ではない場合、割合が少ない方が補足金を支払う場合もあります。
その他のルールには、底地が一筆の場合、交換される部分とそれ以外の部分を分筆しなければいけないということも挙げられます。
また借地人様が底地を所有することになると、借地権は混同によって原則消滅することになりますが、建物に抵当権などが設定されている場合、“混同の例外”によって借地権が残り続けることもあります。
借地と底地の交換における登記に必要なものは?
借地と底地の交換、底地の所有権の移転の登記おいて必要なものには、以下のものが挙げられます。
借地人様に必要なもの
・個人の場合:住民票、本人確認書類、実印もしくは認印
・法人の場合:会社謄本、本人確認書類、会社の実印もしくは認印
地主様に必要なもの
・個人の場合:登記識別情報(登記済権利証)、印鑑証明書、固定資産評価証明書、本人確認書類、実印
・法人の場合:登記識別情報(登記済権利証)、会社印鑑証明書、会社謄本、固定資産評価証明書、本人確認書類、会社の実印
借地と底地の交換を行うタイミングについて
地主様は、借地と底地の交換を行うべきタイミングを知っておきましょう。
以下のタイミングで行えば、効果的に権利関係を解消できます。
・借地人様が建て替えを行うとき
・建物を取り壊して借地権を第三者に売却するとき
・借地契約の期間を満了し、新しく20年以上の契約を更新するとき
・借地人様に底地の一部だけ買い取ってもらいたいとき
・借地人様に借地の一部を返還したいと打診されたとき
まとめ
借地と底地の交換について、あらゆる角度から迫ってみました。
借地と底地の交換は、権利関係が複雑な土地の問題を解消してくれる契約です。
もし権利関係で借地人様とトラブルが起こりそうだという地主様がいれば、こういう選択肢もあるということを把握しましょう。
地主様と借地人様、双方が納得のいく形で土地を使用するのが1番です。